広島ご当地ソング紹介② 南一誠「雨の港から/広島天国」 | ディープな歌謡曲の世界~スコティッシュ75のブログ~

ディープな歌謡曲の世界~スコティッシュ75のブログ~

歌謡曲(主にムード歌謡中心)の紹介を中心に記事にしてます。

 

〽あゝ 夜明けと共に 宇品の港から旅立つのさ〽


 歌唱の南一誠氏は、広島を中心に活動している演歌歌手であり、広島においてはあまりにも有名な存在。

 

 1980年に発売された、この『雨の港から』というレコードが南氏のデビュー曲となります。

 
 この『雨の港から』はRCCラジオにて当時、広島オリジナル歌謡を作る企画があり、その第2弾として製作されたもの(レコード化の前のタイトルは『雨の港、宇品から』)でした。
 
 この曲は夜明けの宇品(広島)港を舞台に男女の別れを歌った作品で、この曲も『大竹ひとり』同様、広島を舞台にした曲では屈指の名曲だと思います。
 
 
 個人的にこの『雨の港から』について、印象に残っているエピソードがあります。
 
 1990年代に放送されていたRCCラジオの番組、「俊雄とめぐみの土曜はこれから」という番組に南氏がゲストで出演された時、デビュー当時の”公開生放送”で『雨の港から』を歌った時の音源が流されていました。
 
 そのデビュー当時の歌声を聴いた南氏は、「いや~下手くそですね。こんなひどい歌を歌ってたのかと、もうつくづく反省です」と仰られていました。
 
 素人の自分が聴いてもそれが下手だとは思えなかったのですが、やはりプロが聴くとそのように感じてしまうのかなと、それがものすごく印象に残りました。
 
 
 さて、B面『広島天国』は、現在でも広島の夜の盛り場でよく歌われています。

 

 広島の盛り場の地名を、少し駄洒落のような感じに紹介する歌詞が特徴的な作品。

 

 「流川」、「薬研堀」、「もぐら横丁」、「なめくじ横丁」、「新川場(町)」、「三川町」、「八丁(堀)」、「中の棚」、「新天地」、「銀山町」、「中新地」、「弥生町」が歌詞に登場します。

 

 ただ、もぐら(*)、なめくじ、新川場はもう地名としては残っておりません。

 

 南氏はこの曲の思い出として、発売から2日後の4月3日に平和公園で花見をしている人たち向けてのキャンペーンとして、スピーカーとワイヤレスのマイクを持って歌って歩いていた事を番組(RCCラジオ「田中俊雄の演歌茶屋」)で話されていました。

 

 そしたら、あちこちから花見客が「こっち来て歌え」「こっち来て歌え」と声がかかり、当時から大変評判が良かった様子が窺えます。

 

 その甲斐あってかレコードは、最終的に3万6千枚まで売れたそうです。

 

 ちなみに後年別の歌手で、『広島天国』の姉妹版(?)的な「沖縄天国」というレコードも発売されています。

 

 

 『雨の港から』、『広島天国』はともに後年アレンジをし直し、歌も吹き込みなおしたものが発売されますが、それはまたいずれご紹介したいと思います。
 
 
(*) もぐら横丁について
 2019年5月12日、RCCテレビ「元就。」という番組で「もぐら横丁」はどこだったのかということで、作詞担当のあきたかし氏に電話でアンガールズと南一誠氏が尋ねていました。
 あきたかし氏によるとただ聞いたことがあるだけで、実際どこにあるかは分からないとのこと(笑)
 
 ・・・こんなオチがあるとは思いもよりませんでした(^_^;)

 

 

【レコードデータ】
レコード会社:徳間音楽工業(ミノルフォンレコード)
レコード番号:KA-1209
発売日:1980年4月1日
両面とも 作詞曲:あきたかし 編曲:池多孝春 唄:南一誠

 

にほんブログ村 音楽ブログ 演歌・民謡・大衆歌謡へ
にほんブログ村

(↑ランキング参加中!よろしければクリックをお願いします。(__))

 

 

ABEMAプレミアム