與さんは上手に肉を焼いてくれ、あたしはキチンと食べた。
「ねぇ、與さん~」と筆談。「二人きりでいるときは真司郎」「あっ、真司郎」「で、何?」「美味しかったよ」「それは良かった」もう、あたしはポークソテーを平らげてしまった。「あたし、真司郎の分も作るよ!」「いいって。兵庫で食べてきたから」その時、秀太が下りてきた。「えっ、お前ら、そういう関係?言ってくれればいいのに」こわい。あたしはつい、テーブルの陰に隠れてしまった。


「おいおい、隠れても事態は変わらないから」と秀太が笑う。「秀太が知ったと言うことは‥」と真司郎がぶつくさ言っていた。「なんだ?俺が誰かにチクるとでも」と秀太が真司郎に迫る。「いや、そんな訳じゃないんだけど」真司郎はタジタジだ。

その時、騒ぎを聞き付けて、日高が下りてきた。「どうした?」秀太が「あのな、」もう終わりだ。そう思った瞬間、「ゴキちゃんが出たんだ。だから、にっしー、つい、腰ぬかしちゃって」「そうなんだ」と日高が真司郎を見やる。真司郎は、ごめん🙏の手を合わしてる。二人で何かあったのかなぁ。秀太が、にっしーのところに行き、肩を自分のところに回し、「気を付けろよ」と言った。また日高が真司郎を見て、肩をポンっと叩いた。やっぱり日高は何か知っている!そう確信したあたしは「あなたたち、何かあるわね」と、つい、筆談でも女言葉で書いてしまったが、ライブのMCでもそうなので、みんな気にはしなかった。
「「何も」」 真司郎と日高の声が重なった。益々、腹立つわね!そうこうしてるうちに宇野ちゃんが下りてきた。
「なになに、どうしたの~」と宇野ちゃんの声が響く。あたしは宇野ちゃんにしがみついてしまった。「何?いじめたの?」「「いやいやいやいや」」日高と真司郎の声が重なる。真司郎が、あたしのところに来て「ちょっと誤解しただけやんな!?」って言ったから、ちょっと、あたしは絶望に陥った。
「ダメだよ~、真司郎。にっしーは、あんたに惚れてるんだからね」と宇野ちゃんが、みんなの前で暴露。「あれ、知らなかった?見てて分かるよね~」と秀太に賛同を求めた。勿論、秀太は「うんうん」と頷いていたが、あれは嘘だ。でも嬉しい。それに、秀太は味方になってくれて。
「俺でよかったら相談にのってやるよ」とまで言ってくれて。貴重な存在だよね。あたしは秀太に抱きついた。秀太は「よしよし」としてくれた。「だから、なんで、こうなん」と真司郎は文句を言っていた。秀太が、それをかぎつげ、
「なに、お前も、にっしーの事、好きなん?」
「えっ」與さん、どう答えるんだろう?みんなの前で?拒絶するのかな?