大阪万博の開催まであと9ヶ月程度。楽しいはずのイベントも外国館建設の遅れや日本維新の会、吉村知事への反発という政争も絡んできな臭い雰囲気となっている。楽しいはずのイベントがこうまで嫌われるのはなぜか?それは吉村知事の強引な手法がここに来て行き詰まったということだろう。当初予算を大幅に超える増加や空飛ぶ飛行機の企画倒れ、外国館の着工遅れやメタンガスによる爆発事故、府内の小中学校へのアンケート実施のやり方、木造リングへの批判など枚挙にいとまが無い。これに加えてIRカジノへの批判も重なっている。大谷翔平の通訳である水原一平の賭博事件もこれに拍車をかけた。

 それでもきちんと万博開幕までに外国館の建設が間に合えば人は自ずと来るだろう。インバウンドによる外国人観光客もどっと押し寄せることは想像に難くない。それよりも自分が関心のあることはやはりIRカジノの地代鑑定であろう。カジノ運営はオリックスと日本MGMリゾーツなどが出資するIR事業者が主体となるが大阪市が貸し出す土地の地代鑑定が話題となっている。土地価格1㎡当たり12万円とし、期待利回りが4.3%~4.4%で1㎡当たりの地代が月額435円となったらしい。4社の鑑定業者に依頼し、3社が同一の地代を算出したということだ。4社中3社が一致しているのが不自然だとして騒ぎになった。住民が年間5200億円の売上が見込まれるカジノリゾートにおいて地代が年間25億円で35年間貸すのは安すぎるということらしい。確かに5200億の売り上げなら1%を地代に回したとしても52億くらいの地代は欲しいのかもしれない。鑑定業者の鑑定結果が3社一致したのも恐らく結論ありきの鑑定なのであろう。そういう意味では全くもって適正な鑑定ではないともいえる。しかし私は土地価格に着目したい。現在の状態であの夢洲の土地価格が1㎡当たり12万というのはあまりにも高くないだろうか?軟弱地盤で杭を打つのに莫大な費用が生じることや土壌汚染が生じていることを考えれば坪10万くらいになっても不思議ではない。奇しくもIR事業者の解除権が3年延長となり26年9月までとなった。私がMGMリゾーツの担当者なら解除権をちらつかせながら鑑定地代が高いと主張して地代をできるだけ値切るだろう。外資系は逃げ足が速い。世界情勢の変化によっては不安定だ。大阪IRカジノは進むも地獄退くのも地獄なのだ。幸運を祈る。