*Tokunaka-support
教員経験者による「子ども・教育相談・カウンセリング」
~ちいさな保護者会~
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(PCのレイアウト編集です)
本日のブログは
高校の合唱コンクール、気を遣いすぎてパンクしたクラスリーダーからの相談
高校生になると、ホームルーム活動や多くの学校行事で
リーダー格になる生徒の活躍する場があります。
体育大会、文化祭、合唱コンクールなど。
クラスの室長・副室長を中心に、
ホームルーム運営の司会を務めたり、担任との連絡調整の役など
クラスのリーダーとして責任を果たす生徒の存在を
担任としても心強く思います
しかし、
責任感が強いあまりに、自分のキャパを越えた行動を心がけて
ときにはつぶれかけてパンクしてしまうこともあります。
今回は、高校のあるクラスで怒った事例について投稿します。
「○○さんをクラスのリーダーとして推薦します」
こんな形でクラスの多数決で室長になった高校2年生のA子。
明朗快活でいつも笑顔を絶やさず、誰とでもすぐに友達になれる社交性のある女子生徒。
バスケット部でもキャプテンを務め、周りからの信頼が厚い。
悩みとは程遠いと思われがちな彼女であったが、
内に秘めた悩みを抱えていた。
学校行事の「合唱コンクール」が近づき
クラスで選曲、ピアノ伴走者や指揮者を決めなければならないある日。
副室長とともに話し合いの場では、司会を任されるのであるが
クラスメイトは他人事のように話し合いに加わらないこともある。
「誰か、指揮者をやってくれる人いませんか?」
ピアノの伴走者は、
小さい頃から特技としている生徒が名乗り出たり、その情報を知っている友達からの推薦で
比較的すんなり決まることが多い。
指揮者は音楽に関連した吹奏楽部員が候補にあがるものの、なかなか決まらない。
仕方なくクラスのリーダーが引き受けざるを得ないこともある。
授業外でクラスミーティングの時間はなかなかないため、
本当にクラス全員をまとめて、リードする立場の生徒の負担はかなり大きい。
結局、A子は相変わらずの笑顔で
「私にできるかわからないけど、やるしかないならやります」と
指揮者を引き受けた。
合唱曲の選曲も練習日程、パートの振り分けも
彼女はクラスリーダーとして膨大な仕事量をこなすしかなかった。
彼女の周りにいる仲の良いお友達がフォローしているものと
一方的に思い込んでいたが、
彼女は彼女の中でずっと闘っていたのだ。
バスケット部の練習時も、最近A子は少し元気がないという情報が流れてきた。
本人がかなり神妙な面持ちで相談に来た時
こらえきれない涙があふれだして、本音を語りだした。
「人前で弱音を全く見せず、明るく振舞っているのは
人からどう思われているのかいつも一番気にしていて
「●●さん、ありがとう」って言われると
弱い面を見せることができなくなっていた。
いつも自分が頑張れば皆が自分に寄って来てくれると思い
実は背伸びして「仮の姿」を作っていたかもしれない。
今は、自分の理解者は独りもいないんじゃないかって
誰も自分の気持なんか理解してくれないのかな?って
そう思ったら、
無理して背伸びしても限界があるってパンクしちゃって。」
「やってくれて当たり前。できて当たり前・・・」
私も含めてクラスメイトもA子に任せきりだと思った。
彼女に甘えすぎたと反省した。
(真相を知った以上、担任として何とかしなければならない)
~担任から一言~の時間を設けて
・合唱コンクールは学校行事の中でもクラスの団結をはかるもの
・クラスの一員として、一人一役、自分のやるべきことを考えよう。
・誰かがやってくれるだろう・・・の考え方はやめよう。
・全員が前向きな気持ちで協力的な態度で行事に臨まないと、誰かに大きな負担がかかる。
・初めはうまく合唱できなくても、皆で練習を重ねて「今しかできない高校の思い出つくり」をしよう
・もし、自分が相手の立場だったらどんな気持ちか‥常に考えて行動するべき
・少ない練習時間、集中してみんなでクラスの団結を図ろう。
担任として、
ピアノ伴奏を引き受けてくれた○○君、指揮者を引き受けてくれた室長の●●さんには
皆を代表して感謝の言葉を・・・。「引き受けてくれてありがとう」
高校生では、学校行事は生徒主体で活動するので
教員が口をはさみたくなかったが、A子の気持ちを生徒全員に理解させたかった。
・
その日の午後、A子が明るい顔で職員室にやってきた。
「先生、自分の気持ちを抑えすぎてつらかったけど、皆から「絶対に合唱コンクールがん
ばろうね」と声をかけてもらえて気が楽になりました。」
一見落着。
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