*Tokunaka-support

教員経験者による「子ども・教育相談・カウンセリング」

~ちいさな保護者会~

 

 

本日のブログは

 

 

 学校あるシリーズ29                        (いつもネガティブ発言の多い女子生徒に・・)

 

 

教職を定年退職後、教育カウンセラーを始めましたが

 

在職中の経験が、相談者のアドバイスに生かされていることをあらためて

 

痛感しています。

 

 

今回は、

 

母親に連れられて来訪した女子高校生の事例です。

 

 

相談内容も母親がすべて話し、女子高生はうつむき加減。

 

相談の概要は、

 

・娘(女子高生)は何をするにも自信がなくて、二言目には無理無理と言う。

 

・どうせ私なんか誰からも必要とされていない・・・が口癖。

 

・学校で唯一の友人に「一緒にいてもネガティブな発言ばかりで、相談ばかりされているから疲れる」と言われたようで、かなり落ち込んでいる。

 

・二人姉妹の「姉」なのに、妹にやり任されている。

 

・学校を休みがちで心配。

 

 

母親が相談内容を話しているうちに、女子高生は突然泣き出した。

 

口をはさむわけでもなく、ただ泣き続ける。

 

母親は「親としてどうしてよいのか・・・」との話。

 

 

女子高生が少し落ち着いたところで

 

ニコニコ「いろいろ悩んでいるね。でも、お母さんに話して少しは気が楽になったかな?」

 

えーん「私は、ネガティブな人間だから友達も少ないし・・・」

 

 「いつも相談している友達にも見放されて・・・・・」

 

 

自分のことを好きではない。自信がない。ポジティブな人間がうらやましい。

 

何をやるにも前向きに考えられない。学校では勉強も提出物も最低限のことだけは

 

やっている。でも、学校で唯一の友達に見放されて、学校に行きたくなくなった。

 

 

女子高生の心情はこうであった。

 

 

いつもいつもネガティブと本人は表現していますが、

 

友人との間には人間関係は成立していたはずです。

 

 

「いつも一緒にいる友達はどんな子?」

 

「友人のどんなところが好きか?」

 

「友人に支えられて嬉しかった事は?」

 

 

「友人のために力になってあげたことは?」

 

「そのとき友人は喜んでくれた?」

 

「喜んでくれた友人を見てどう思った?」

 

 

こんな会話をゆっくりゆっくりと進めているうちに

 

女子高生は少し顔を上げて話すようになり

 

 

ニコニコ「友達とはどんな間柄でいたい?」と尋ねると

 

キョロキョロ「何でも話せたり、一緒にいて楽しい関係。困った時には相談できる・・・」

 

 

★友達の相談にのってあげて、支えてあげたときのことを思い出す。

人の役に立ててよかった・・・と自分を振り返る。

 

★一緒にいて楽しい関係を作るのは、楽しい話ができるように心がける。

 

★自分がネガティブな心境で友達に相談したくなった時には、本心で相談できる相手に甘えてもO.K

 

★悩みが少しでも解決したら、今度は「友達のために相談にのってあげたい」と言う気持ちを持つことも大切。

 

★もし、友達と逆の立場で、ネガティブな発言や相談ばかり受けていたらどんな気持ちになるか考えてみよう。

 

★大切な友だちは、お互いにバランスのとれた人間関係を保つことも必要」

 

 

 

このような女子高生の相談は、何度も経験がある。

 

冷静に自分を振り返ると、納得できる。

 

 

うんうんとうなづく女子高生に、

 

「友達は見放したわけではなく、一緒に楽しい友人関係でありたいことを

 

伝えたかったんだね」とのアドバイス。

 

結論は出せなくても、

 

「学校に行って、大切な友人に笑顔で話ができるといいね」

 

 

この事例は、決して珍しい事例ではありません。

 

担任の先生とかに相談できれば良いのでしょうが

 

なかなかできなかったのでしょう。

 

 

母親には、子どものいないところで

 

「子どもに自信を持たせたり、ネガティブな考えが先行しないためには

 

日常生活においても、妹との関係(姉に対する暴言など)を親が調整していくことが

 

重要です」と伝えました。

 

 

母親から帰ってきた言葉は

 

「そうですよね。私自身がいつもネガティブなことばかり口にしているので

 

あの子も私に似てしまった気がします。これからは気を付けます」でした。

 

 

後日、女子高生が登校できた連絡を受けてとりあえずホッとしています。

 

 

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