憧れ | 徳本一善オフィシャルブログ「-ICHIZEN-」by Ameba

憧れ

まぁ自慢話になるでしょうが、良い話だと思ったので書きたいと思います。

とりあえず関東インカレ前半選が終わりました。

そんな中での話です。

話はだいぶ過去にさかのぼります。

僕が現役バリバリで走っていたころ、日清食品では毎年全国から小学生を招き陸上競技大会の全国大会なるものを開催しています。

日清食品陸上部は毎年その大会にプレゼンターとして、入賞した小学生の選手に表彰式で賞状を渡す役目をします。

選手も16,7人ぐらい在籍していますので賞状を渡す選手もランダムなわけです。

僕は確か2位か3位の選手に渡す予定でした。

しかしどうしても僕から賞状が貰いたいと選手がいたのです。その選手は8位でした。

たまたま同じ地元で中学生の時に教えてもらった陸上クラブの先生からなんとかその子に賞状を渡してもらえないだろうかと頼まれ、大会運営の人に事情を話し8位の選手に渡すことにしました。

話を聞くには、僕から貰えないのならいらないぐらいの勢いだったそうです。

そういう話を聞くとスポーツ選手冥利に尽きます。

その僕に憧れを抱いたくれた選手が後に日本陸上界を背負って立つ選手になります。

その選手は「山縣亮太」選手です。

風の便りで知り合いがツイッターでその出来事のことを山縣選手がつぶやいて、今でもサインした色紙を大切にしているという話を聞きなんかこみあげてくるものがありました。

そして昨日、関東インカレで100mで優勝した彼にこんな自分に憧れてくれたことに感謝の言葉をかけに彼に話しかけに行きました。

実に10年ぶりの再開です。

初めは気づかなかったみたいですが、名刺を渡し僕の名前を見てビックリするような眼で僕に話しかけてくれました。

彼が僕に嬉しそうに話してくれたのは、あの10年前の出来ことでした。

もう僕など疾うに超えている輝かしい成績だとしてもあの時の憧れは憧れのまま残っているのだと感じました。

それだけでも嬉しい。

しかし、今度は彼が憧れの的になる選手であることです。僕が感じたのは憧れた選手がいたことが、きっと憧れられる選手になった時に、驕ることなく彼に憧れる子供達を大事に出来る選手になるのだと思う。

誰に対しても礼儀正しくさわやかに語る好青年は日本人が夢見る10秒の壁を超えてくれることでしょう。

彼と話をして、自分自身も今の彼に尊敬される人間になりたいと思う一日でした。