ロンドンオリンピックを違う視点で見る(可能性) | 徳本一善オフィシャルブログ「-ICHIZEN-」by Ameba

ロンドンオリンピックを違う視点で見る(可能性)

ロンドンオリンピック10000m決勝が終わりました。

ようやく私が書きたい種目に到達しました!(笑)

佐藤選手は、28分44秒で22位でゴールしました。彼は今後どこを目指して走っていくのでしょうか?

帰ってきたら飲みながらいろいろ聞いてみたいと思います。

私の勝手な感想でいえば、調整能力の向上が一番課題になると思います。

彼の力からすれば28分前後のタイムでは大舞台でも走れるはずです。

佐藤選手の調整というか、ある特徴があります。

彼は、正月は恐ろしく強い・・・。

これは、年間を通してピークの流れがお正月の時期に訪れるということです。

おそらく長年、元旦の駅伝にピークを合わせないといけないがゆえに、年間を通してのピークが勝手にそこに向くようにインプットされているのではないかと推測しています。

日本の長距離選手というより、実業団に所属している選手はこの元旦こそに嫌でもピークに持っていかないといけない。(大学生もですね)

毎年のようにピークに持っていく時期が決まっていると、身体が自然とそこにピークに向かうような流れができてしまう気がします。

またこのオリンピックの時期は普段は強化合宿の時期です。身体の反応からいえば、ピークに持ってこれる時期ではありません。(やはり毎年のように普段からこの時期に走れる身体を作る何らかの調整トレーニングの必要性があると思います)

数々世界大会で力が発揮できない男子長距離選手の原因の一つだと思います。

私の現役のころもピーク作りのトレーニングというのをしていませんでした。とうより分からなかった。

ただ日々の自分の身体と向き合い、調整時期になると、どの練習が今日の調子で良いのか?と考えてその日にメニューを決めていたぐらいなので。

この調整法なら大丈夫だ!と自信を持てるものがあれば鬼に金棒なのですが・・・。

佐藤選手が元旦の走りをオリンピックに合わせられるようになれば入賞の可能性も見えてくると思うので頑張ってほしいですね。

海外の選手の調整方法をできれば知りたいですね。とくに(ケニア、エチオピア、アメリカの選手の)

そしてここからが趣旨になってきますでしょうか?可能性というタイトルにしたのは、日本人がこの種目でメダルをとる可能性があるとしたらということを本気で考えています。

これまで東アフリカの選手の身体的特徴が強さの秘訣ではないのかといわれてきました。腱が長いとかハングリー精神が半端じゃないとか・・・。なんとなくわかるのですが、どれもパフォーマンスを揺るがすまでの説得力がないと思いました。しかし循環器系やミトコンドリアの話については、納得できました。

またNHKのテレビでミラクルボディーというのを見たのですが、フォームや足のつき方など参考になりました。走りの運動解析今後もっとやっていかければいけない分野だと思います。

これは生まれもったものではなく、生活で培っていった能力や、トレーニング場所によって培うことのできる能力であるということです。

今回のオリンピック、イギリスのファラー選手が優勝しましたが、2位の選手はなんとアメリカの選手!しかも白人です。ラップ選手は10000m26分台の記録も持っています。なぜ彼はこのように強くなれたのか?私の時代は、アメリカのナショナルチームは、ラガト選手がやはり強かったですが、彼はもともとケニアの選手です。白人の選手は、私と同じぐらいのベストの選手がアメリカのトップでした。

それがこの5年ぐらいで、アメリカの選手は日本人選手の手の届かないところまで力をつけてきました。

ここに目をつけないで、どこに目をつければいいのでしょうか?この10数年日本の長距離界は「ケニアだー!」とこぞってケニアの選手のまねごとをしてきましたが、一向に強くなりません。

そろそろ違う国、そして世界をリードする日本独自のトレーニング論の研究に没頭するべきです。

日本がメダルをとれるのか?答えはYESです!いけるはずです。

ただもっと私も含めて、指導する立場の人間が研究すべきなのです。

私は日本人がこの種目のメダルをとる可能性を探る中でまず始めなければいけないのが高地トレーニングしかないと思っています。しかも生活の大半を高地ですごし、トレーニングしいていく方法。
(いろいろなやり方があるのですが)

意外にも日本男子長距離は高地トレーニングと呼べるほどのトレーニングをしていません。いってみれば1カ月そこら高地に行って帰ってくるだけです。(それは高地トレーニングなのか?と言わざる終えないお粗末なものです)

その点については、女子はまだ計画的に高地トレーニングを取り入れ行なっている話を耳にします。もしかしたらそれで結果が出ているのではないかと推測しています。(後はまだまだ東アフリカ系の女子選手が埋もれていて出てきてないだけということもありますが・・・)

いずれにしても今のままでは、実業団のシステムに問題があるといわれても反論できなくなっている状態ですので何とかしなければいけないでしょう。

日本一の選手だとしても、まだまだ世界との差は歴然でした。しかし世界選手権よりはタイムは向上していますので、まだまだ5000mで修正していい走りをしてくれるでしょう!

みなさんどうせまたダメだと思うのではなく、この種目どうすれば日本人選手がメダルをとれるのか?本気で考えながら見ていきましょう!そうすればもっと違った見方で見れるはずです。

またこの種目でメダルをとる可能性について、今の私のフィールドである高校生、大学生の話を踏まえて話してみたいと思います。