今更ですが北海道マラソン。 | 徳本一善オフィシャルブログ「-ICHIZEN-」by Ameba

今更ですが北海道マラソン。

圧巻のレースを久々に見ました。
それも勝くんがやってのけました。

正直、目が点といいますか、口をぽかんと開けて見ていました。
移籍して強くなった選手は結構知っていますが、実業団を辞めて強くなった選手は聞いたことがありません。

勝くんは、勝因は「実業団の頃の重圧がなく、のびのび走れた」というようなことを言っていました。

ようするにストレスフリーが今回の彼の好結果を生んだとしか推測できません。

トレーニングもなかなか積めなかったと聞いていますし、マラソン練習らしいことはしていない(30km走を1回しかやっていないとも言っていました)ということなので、ますますマラソンは奥が深いと思いました。

さて今回思った本音の部分です。

確かに今回、彼は優勝しました。もちろん始めに付け加えておきますが、彼の仕事は「高校教師であり、高校陸上部のコーチという立場です」彼はきっぱりけじめをつけていますので、あえて言います。

今回走った実業団の選手は、きっと目も当てられないと思っていることでしょうね。(もし自分もあの場で走って彼に負けていたらと思うと・・・・立ち直れません・・・。それくらいショックを受けるでしょう)

またそれくらいすごい走りなのです。

彼は実業団を辞めてから、好結果を出しています。去年北海道マラソンで2位になりましたが、もうその時は引退を決めていて、自ら実業団の道ではなく、指導者の道へと歩みました。(すでにチームを離れて練習していましたので)

そこから彼の走りは変わって行きました。もうその頃から重圧がとれていたのではないかと推測できます。
実業団にいた頃は、走れずに悩んでいました。みんなの練習にもついていけないくらいの状況でしたので。

彼の走りは、追い込まれてはいけないということをすごく感じさせてくれました。精神の安定は、競技者にとって最も重要なキーと考えられてくるでしょう。

でも、私自身の考えは、重圧から逃れて強くなっては、世界とは戦えないと思っています。
重圧と隣り合わせの状態で、心身を研ぎ澄ませ、己のものにしていくことこそ真の強さではないかと思うのです。

世界の一流選手は、常にその重圧と戦い、勝ち抜いています。だからこそ輝くものがあるのです。

北京オリンピックの話になりますが、スポーツジャーナリストの二宮清純氏はこんなことを言っていました。
「結果を残す選手は、重圧を自ら奮い立たせ追い込んでいる。結果が出なかった選手の共通点は、追い込まれて重圧に押しつぶされている」というようなことを言っていました。

確かに私もそんな気がしました。ただもうひとつは、不安が無い状態で挑める体制を整えられたかどうかで、追い込める精神状態にあるか、追い込まれる精神状態になるかもまた紙一重な気がします。

精神のコントロールがこれから重要なことになっていくでしょう。(以外にトレーングの方が優先されているんですよね)

ということで、私自身は重圧に打ち勝って、勝負して結果を出せるよう頑張ります。
でないと悔しいです。勝くんには悪いけど、実業団のプライドとして勝くんには絶対負けないよ。(笑)

そういう気持ちにさせてくれる今回のマラソンでした。

しかしすごい走りだった。おめでとう!勝くん。