三代さん引退です・・・・・。 | 徳本一善オフィシャルブログ「-ICHIZEN-」by Ameba

三代さん引退です・・・・・。

みなさん、箱根駅伝二区、汗一つかいていないのではないかという錯覚に陥るくらいに、涼しげな表情で、力強く、自信にあふれた走りを覚えていますのでしょうか?
箱根史上最も強く、最も速いといわれた、渡辺康幸さん(現早稲田大学競走部駅伝監督)の箱根二区区間記録うをただ一人塗り替えた人物です。
今年、山梨学院大学のモグス選手が区間記録を塗り替えたばかりですが、それまで幾度となく、ケニアの選手や日本の選手がこの記録に挑戦し、敗れていきました。
それくらいすごい記録を作った選手の引退です。日本が誇る名ランナーです。(断言!)彼にどれだけの陸上選手があこがれたことでしょう。10000m27分台も出し、順風満帆に日本のトップ選手まで上り詰めましたが、度重なる故障から、股関節が抜けるといった症状に襲われました。
ここ最近、陸上選手は、このような足が抜ける感覚に悩まされる選手が急増していますが、原因はまだ分かっていません。
特に三代選手はひどく、周りから見てもいたたまれないというか、これで走れるのだろうか?という印象さえ私はもちました。
その症状になってから、この引退まで、とてつもない時間だったと思います。私が知るだけでも5年以上は経っています。
何回か手術をしたと聞きました。会うたびに話をしましたが、いつも、前向きに、今ある力を出し切るよう努力することが大事だということを言っていました。
いつも彼のそばには、引退との戦いがあったような気がします。
引退という恐怖、走りたいという気持ち、結果を出さないといけないという使命感、いろんなことと戦いここまで競技を続けてきたのでしょう。
また支えてきてくれた人たちの感謝の気持ちは富士通のHPで感じとることができます。
三代選手をそこまでしても突き動かしたものはなんだったのでしょうか?
思うのですが、三代選手の人柄が出たのだと思います。
引退はいつでもできます。しかし前に進み競技をすることは、達成する喜びを味わう前に、苦しみと戦わなければいけません。
そんな苦しみを真正面から受け止め、納得するまで前に進むことを選んだのだと思います。簡単にこのBLOGで書いていますが、なかなかできることではありません。競技の大半を自分の走りができないまま過ごすというのは、想像さえしたくないほど恐怖です。
私は、三代さんの陸上競技人生に、多くのことを学びました。陸上競技に対する姿勢、故障と戦いながら、気持ちを切らさず上を目指す姿勢、まだまだ自分に足りないものを痛感させられます。
最後の福岡マラソン、2時間12分台で走る姿はまだまだ続けられるとさえ思いまいたが、やはり燃え尽きる前に一瞬強く燃えるような、最後の力だったのかなーと思いました。
でもあの福岡をみて、私の中で一番印象に残ったのが三代さんのゴールでした。その苦労を知っている分、胸が熱くなります。
私も、膝にメスを入れ、常に左足の抜ける感覚と戦っています。それでもできるんだということを三代さんに教えてもらいました。
引退はすごく残念ですが、それ以上にお疲れ様とありがとうございましたという言葉が、私の中では一番強いです。
三代さんお疲れ様でした!