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タイトル中 邂逅（かいこう※）
※思いがけなく出あうこと。偶然の出あい。めぐりあい。
今日は心の通訳なんだけど
ちょっと不思議な赤の守護霊に若い頃聞いたオハナシ、、、
赤の守護霊は 
むかし大変な努力家で勉強家だったそうな
かたやむかし （前世の）とくもり 
ときたら
草鞋売りの母子家庭なのを気にかけてくれた伯父さんが
都の学校に通わせてくれたのに
勉強もせず遊び歩いた放蕩（ほうとう※）ものだったらしい
※思うままに振る舞うこと。特に、酒や女遊びにふけること。また、そのさま。
働くのが嫌だからヤクザものになって職がない人や不良たちを集めては
移動する商人の用心棒をやったり頭数合わせの傭兵をやったりしていた
みなさんが知ってる武力に卓越した傭兵ではない
怖い目に遭いそうになったらすぐ逃げるいい加減な傭兵である 
赤はそんな私の過去を話しながら
「しかしお前は天才的な無能だったよ」
聞きながら褒められているのか、けなされているのか分からなかったが
赤はわたしの守護霊をやる位だから身内びいきでしょと思って聞いていると
「いつかお前はお前の無能を思い知ることになる
オレとお前には同じ優れた部分がある」
「頭がいい赤とあまり利口とは言えない人間の共通点ってなあに？」と聞くと赤はこう教えてくれた
むかし、お前が傭兵をしている場所に
違う所から来た傭兵隊に「行く所がないから受け入れて欲しい」と言われ
受け入れたら、そいつが裏切ってお前を襲った 
命からがら逃げたお前は助けを求めてオレの軍と合流したことがある
そこから俺とお前は仲良くなるんだけど、俺は逃げてきたお前にこう聞いた
「筋を通すやくざ者として名があるお前の顔に泥を塗ったことになるんだぞ
お前を裏切った傭兵をお前はどうしたい
」
「お前は自分の失敗をどう考えるか」と
お前は
「裏切った傭兵は今まで何度も裏切りと離反を繰り返しています
自分の養父を殺してまでものし上がり
一時は栄耀栄華を極めることも可能な人間でしたが
いろんな場所から場所へ落ちのびたのは
信頼関係を続ける根気がないから逃げるのだと彼を見て理解しました
社会不適応者の私の所に来て私を裏切ったのなら
他の軍は彼を雇うことをするでしょうか？
私の所でさえ勤まらないのなら、みんな彼にそっぽを向くでしょう
彼は結局自分の足を自分で引っ張ったのです
自分の住んでる世界は自分の想念で作りだすものです
わたしの思いや恨みなど関係ないのです」
「そうか、裏切られたお前の気持ちと裏切った人間への処罰は関係ない
裏切った奴は裏切る奴の世界で生きていかないとならぬと申すのだな
他人を裁かぬというのは分かったが、お前は此度の自分の失敗をどう捉えるのか」
「わたし、今回の件で恥かきましたけど失敗しましたけど
みんな私を裁かないから大丈夫です 
赤さまだって私を助けて受け入れてくれて言葉をかけてくださります
だから私は裏切る人間を受け入れた自分の判断や未熟さを裁いてはいけないです
今回も自分を慰めることにします
赤さまも赤さまがしたことで失敗したこともあるでしょう
でも失敗も完璧に遂行できなかったことも気にしないから次に挑めるんですよね
気にしないというのは
失敗した自分を見ないということではなく、失敗した自分に優しくする
それは自分に責任を持つってことですよね
私は無責任な人間ですが
しくじる自分には責任を持って守ることができます」
と、そんなことをのたまったから
この広い世界に自分と同じことを思う人間もいるのだと
赤は私を気に入ってくれたらしい 
天才が行きつくとこも無能が行きつくところも
貫いたら最後同じこというってことでもあるらしい
天才と無能も気が合うことがある
そこにはお互いの能力は関係なく
自分を許すことができるかできないか 
とくもりけいこより
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