日本年金機構は、毎年、地域型年金委員に向けて、年金制度などのオンライン研修を行っていて、私も今回、休みと重なったので、初めて受講しました。

 

 今回の内容は、令和6年度の年金額改定のルール、在職老齢年金制度、オンラインによる個人向け・事業所向けの各サービスの内容と今後の予定というものでした。

  年金額改定のルールについて

 前にも書きましたが、令和6年度の年金額は、前年度から「+2.7%」の増額改定になります。

 ただ、令和5年度において、名目賃金変動率が物価変動率を上回ったことから、「昭和31年4月2日以降生まれの方」と「昭和31年4月1日以前生まれの方」の年金受給者では改定率が異なっていました。

 令和6年度は、名目賃金変動率が物価変動率を下回ったことから、67歳以下と68歳以上の年金受給者の改定率は同じですが、前年度の改定率を引き継いでいますので、年金額には生年月日によって差が残ります。

 

 なお、老齢基礎年金の満額の年金額の計算式は、次のとおりとなっています。

   780,900円(平成16年度額)× 前年度改定率 × 当年度改定率 = 当年度の老齢基礎年金額

 

❶昭和31年4月1日以前生まれの方(68歳以上の方)は、

 780,900円 × 1.015 × 1.027(2.7%) = 813,700円(月額67,808円)となりますが、

 これを前年度の老齢基礎年金の額に単純に2.7%増を乗じるとすると、

      792,600円 × 1.027(2.7%) = 814,000円 となりますので、年金額が異なります。

❷昭和31年4月2日以降生まれの方(67歳以下の方)は、

 780,900円 × 1.018 × 1.027(2.7%) = 816,000円(月額68,000円)となりますが、

 こちらも単純に前年度の老齢基礎年金額に2.7%増額とすると、

      795,000 円× 1.027(2.7%) = 816,500円となりますので、年金額が異なります。

 

※令和6年6月10日頃に送付される「年金額改定通知書」の金額は、前年度に送付された「年金額改定通知書」の金額に単純に 2.7%を乗じた金額にはなりませんので、ご留意ください。

 

私見ですが私は、今後、名目賃金変動率が物価変動率を上回った場合には、68歳以上の方と67歳以下の方とでは、年度毎に生年月日によって年度額が変わってくることが予想されますので、上記❶❷の計算式のとおり「前年度改定率」と「当年度改定率」を「年金額改定通知書」に記載した方が分かりやすいのではないかと思いますが、皆さんどう思いますか?

  在職老齢年金の支給停止基準額の変更

 在職老齢厚生年金(月額)で支給停止される額= {基本月額+在職月の標準報酬月額+(在職月以前の1年間の標準賞与の合計額÷12)-48万円}÷2となります(この額が「0円以下」の場合は支給停止はありません。)。この支給停止基準額の「48万円」が、令和6年4月から50万円なります。

  個人向けオンラインサービスについて

 日本年金機構は、マイナンバーとねんきんネットユーザIDで、年金記録の確認や年金見込額の試算、電子申請や電子送付を進めていますが、今年1月からネットバンキングで国民年金保険料を納付することができるようになり、私も前に書きましたが、現在は調整中で未だできないようです。

 また、電子申請では、国民年金に関する被保険者資格取得(種別変更)や免除・納付猶予・学生納付特例申請書、扶養親族等申告書ができていましたが、今年3月から国民年金保険料口座振替納付(変更)申出書が、今年6月から老齢年金請求書の一部が電子申請できるようになるようです。

 ただ、老齢年金請求書の電子申請は、どうも単身で老齢年金の受給要件を満たしている方で、マイナンバーを利用して年金の受け取りを公金受取口座で申請する場合に限られるようですショボーンダウン

 

訂正してお詫びします。

 前に3月から戸籍謄本の添付が不要になるかもしれないと書きましたが、現在まで施行通知が出されていないようですので、これからも加給年金の対象者がいる場合は添付が必要みたいです。(法改正の政令が通って新聞にも3月からと掲載されたのに、いつから添付不要にする予定とも言われませんでした。年金請求者の負担軽減になることを何故早急に実施しないのでしょうか?残念ですね。)メラメラ