今朝、オレオレ詐欺で中3女子が逮捕されたというニュースがあった。
オレオレ詐欺。特殊詐欺。
ここ数年、このニュースが途絶えることがない。
匿名・流動型の犯罪、つまり、匿名の者同士が集まって、構成員も流動的な集団で、荒っぽい犯罪を行う手口も多くなっている。
社会現象の背後には世相がある。
世相の背後には、その時代に共有されている感覚がある。
その感覚は、広く読まれた表現物から芽を出し、育ったものであることが多い。
で、私は、この特殊詐欺という現象の背後にカイジの世界観があるのではないかと、ずっと思っているのだ。
カイジというのは、「賭博なんとか伝 カイジ」という漫画のことだ。
この漫画。私は嫌いなのだ。
まず、絵柄が嫌いだ。絵面を見るだけで、読む気がなくなる。
ということで、私はカイジをほとんど読んだことがない。
試しに少し立ち読みしたことがある程度だ。
それも、すぐギブアップした。
という訳で、カイジについて、知識は少ないが、一定のイメージは持っている。
カイジという男性の主人公が、意味不明な悪人の企みにはまって、法外な理不尽な競技をさせられる。
カイジはその競技のルールの裏をかいて、勝って、大金を手にする。
こんな漫画だと思っている。
この漫画、大ヒットしたようだ。
大勢の子供・青少年が読んだことだろう。
大人でも、好きだという人を見かけるぐらいだ。
このように、一部とは言え、広く読まれた漫画は、世相に大きな影響を与えると思う。
要は、次のようなカイジ的の世界の感覚が広がっているのではないだろうか。
『この世の中は、理不尽極まりない状態だ。
今風の言葉を使うと、クリアするのが到底不可能(無理)なゲーム、つまり、無理ゲーだ。
普通の手段では、みじめな人生があるだけだ。
普通に生きていれば、強者の食い物にされるだけだ。たとえば、ブラック企業の餌食になるだけだ。使い潰されて、心身ボロボロになるだけだ。
ならば、裏をかいてやろう。
一攫千金を狙ってやろう。
この理不尽を許容している世界に勝ち、この世界を罰してやろう。
この理不尽を許容する悪の世界に、立ち向かうにはそれしかないし、この世界に俺を止める資格はない。』
という訳で、少ししか読んだことがないのに、世相の責任を負わせてしまって、申し訳ないが、
カイジの絵柄、荒んでいる絵柄に、この社会が似てきていると思うのだ。
カイジがヒットしたのは、多くの人がそこにリアル感じたからだと思う。
美しい絵空事よりも、リアルの方が価値がある。
でも、リアルばかりだと、社会はおかしくなるとも思う。
ヒットする表現物は、その時代の人々の要求(需要)に応えるものだ。
そして、同時に、その時代の感覚に大きな影響を与える。
表現物は相互作用の中で、時代を作って行く。
オレオレ詐欺で捕まった人たちに、どんな漫画を読んで育ったかを聞いてみたいものだ。