奥さんは家を追い出された長男嫁で、
主人と息子夫婦と細々だが、
幸せに暮らしているが肺ガンに冒され、
そこに霊がいると言うので
お伺いして見ると確かにいる。
だが悲しい姿の霊で詫びの姿をしているので、
魂の原理を説明し家系を聞いてみて
追い出した主人の姉だと分かったが、
奥さんはそんなはずはないと言う。
主人の姉達が親孝行をして財産を奪った張本人で、
裕福に暮らしていたからである。
「あなたが肺ガンで苦しんでいるのは、ご主人の姉の詫びの心を知らないからです」
と言ったが奥さんは信じない。
「お義姉さんの晩年をご存じですか?」
「知っています」
と、主人が言われた。
「姉夫婦は親孝行者として裕福に暮らしていたが、息子夫婦に全財産を奪われ、姉婿は糖尿病で左足を切断し亡くなり、姉も養老院に入れられ、誰にも看取られずに死んでいた…」
「それが詫びの姿となって現れたのです」
「他の兄弟もそれぞれ不幸な死に方をしたと聞いています」
と、主人が言う。
これが(不幸は詫びの姿であり)、
生前の詫びを霊の姿となって許して欲しいと
奥さんに訴えていたと真実を知り、泣きながら
「私は義姉夫婦を怨んでいました。今の話を聞いて私の怨みが私自身を病ましていたことが分かりました。主人の実家に行って姉の冥福を祈ります」
と言われ病が治ってきた。
この奥さんは三姉妹の三女で、母親が作った罪を償うために長男の家に嫁いだ。
母親は親と弟嫁と折り合いが悪いので追い出した張本人だった。
それが廻り回って我が子が同じところの嫁いで、今度は反対の立場にさせられた。
神の世界から人間界に生まれ変わるとき、
時を選んで誕生するように誓って生まれ変わり、
それも(丁度良い時)を選び
前世の過ちを繰り返さないために再会なのだが、
人間は前世のことを忘れてしまい、
親孝行者と親不孝者に差別で判断するから、
亡くなってから霊として訴えかけてくるのである。
人間は一番嫌いな人が前世のみずからの姿だと気づくだけ。
人間は前世の人生と現世の人生は真反対になる。
人間の魂は常にみずからが導いてくれている。
人間の生き方はみずからの前世は知るために隣に寄り添ってくれている。