前々からチャレンジしたい縦走コースをやっと実施するので数日前からワクワクしていた。

どうしても65歳を前に山行いたしたく、随分前からの計画である。

記念に、若い頃単独山行に担いでいた、ツェルト・寝袋・マット・コッフェル・水・食糧等のフル装備で

やく20KG程担いでの山行なのだ。


徳ちゃんの里山登山

2月6日 朝6時家を出て、皿倉山ケーブル下駅に6時20分到着。 支度を整え6時24分駅下の左方から、

稲荷神社に向かい坂を登る。 まだ廻りは薄暗い。真っ赤な稲荷神社の旗がはためく、石段を慎重に登る。

階段を昇り詰めろと、神社の手洗い場があり、暗闇の奥に社殿が浮かぶ。

何時もは社殿の左方から取り付くのだが、今日はロング・コース走破なので、手洗い場を右折し、

ややナダラカなコースを進む。薄暗い九十九折れになった登山道を注意深く登る。

薄暗い小枝越しに八幡市街の夜景が眼下に時折浮かび上がる。

道は遊歩コースと直登コースに分岐,迷わず直登コースを登る。40分経過し、国見岩付近で夜が明ける。


徳ちゃんの里山登山

足立山付近に真っ赤な太陽が昇る。

なぜかわからないがバンザーイ声が出る。  思わずカメラを取り出しシャッターを押す。

後で解かった事だがこの時、手袋を落とした。 7時24分 丁度に皿倉山山頂に到着する。


徳ちゃんの里山登山

天気は快晴なので少し肌寒い。記録に今から向かう福智山方面の記念撮影を撮り、九州自然道を

スタートする。 先は長いので、ゆっくりと皿倉平へ下る。

皿倉平には山口県からの登山客が一人いた。

挨拶をかわし、「どちらまで」と問いかけると、同じコース 牛斬山迄で ビックリした。

同じ単独山行であるが、こちらは最後の単独大縦走と決めた覚悟なれば、思わず「お先に」と声が出た。

権現山直下を周回する遊歩道があり、一部が九州自然道に成っている。

右回りに進むと、キャンプ場・皇后杉株・ベンチがあり、権現山の登り道が左側に2本ある。

周回道の入口の丁度反対側に来ると、右に市ノ瀬峠への下り坂の入り口があり、工事中であった。

急な下り坂を一気に下ると直ぐに平坦になり、また急坂を下る。 一気に下ると皿倉山分岐に出る。

構わず、直進し市ノ瀬峠へ降りる。前方には三角錐型の建郷山が現れるとそこはもう市ノ瀬峠。

東屋があり、新たに登山道が整備されていた。

峠の舗装道路を左に20M程下ると,右側に標識と急な木段があるので、ここを登る。


徳ちゃんの里山登山

登りきると北西に開け、引野・折尾方面に開けている。傍らには山桜老木と苔むしたベンチがある。

山桜の満開時期の春には良い休憩場所になるだろうと思いながら、緩やかな坂道を建郷越へと登る。

20分位で峠に着く。5分休憩して、水分を補給する。この峠からの下りは大変厳しい。

我慢・我慢で一気に下ると10分程で尾根歩きになり、これからは楽しい自然林の中を進む。

小さなUP・DOWNを繰り返し、9時50分 観音越に着いた。

石造りのテーブルとベンチがあり、10分休憩して行動食を摂る。

目前にはこれから進む、急な木段が行く先を拒むように天空へと続いている。

まだ先は長い、意を決して登ること10分、やがて平坦になると左方に小さな頂があるので、

思わず藪こぎを行い、登ると、頂の測量石が在るだけで、眺望もなんにもない。

また、藪こぎをしながら、元のルートに戻り、先に進むと、田代分岐が現れる。 

ここから福智山系の本尾根に向かって急登を25分程登り、カエデ峠に出るとベンチのある広場に出る。

しばし、休憩・水分補給。右手にはピークへの登り口があるが無視して、尾根を進む。

ここからはなだらかな尾根歩きの開始なのだ。 

時折現れる霜柱を踏みしめて進むと、汗ばんだ身体に谷風が優く吹いてくる。

小さなピークを数回越えると、右からモミジ谷からの道が合わる。

少しあるくと直ぐ十字路になっている。 傍んには菅生の滝への道分岐の標識が立っている。

もう、釈岳山頂は近い。  ひと登りで釈平に到着、そのまま頂上に廻り、 5分位で頂に立つ。

夫婦らしき先客がいた。


徳ちゃんの里山登山

挨拶もそこそこに、11時30分  釈平まで戻る。

周りには3組10人の先客がワイワイと山行を肴に食事の最中である。

この時ばかりは、単独山行は寂しい。長い行程が残っているので、ゆっくり40分休憩する。

12時10分 釈平を出発する。  これからは小さなUP・DOWNを繰り返の尾根歩きが連続する。

豊前越し・山背越し、の休憩場所もなんなく越えて、どんどん進む。

さすがに、お昼を過ぎると、今まで肌寒い感じの風も、今は心地よい風に変わるものなのだ。
最後の急登を登り切り、山道もなだらかな下りに成ると、小枝の間に福智山の頂上が見えてくる。

鞍部を越え、少し登ると鱒淵ダムからの道と福智ダム・大刀の滝からの十字路の標識がある。

これから山小屋「荒宿荘」までは急登になる。左に水場「たぬき水」の分岐が現れるとすぐ小屋がある。


徳ちゃんの里山登山

13時30分  小屋に」到着。 私と同じルートの下見に来ている女性2人が小屋の前に居た。

山側の入口から中へ入ろうとすると、「鍋があります」と声をかけて来るので、広場の方から中に入る。

先程の入り口には大きなコッフェルが置いてあり、湯気が上がっていた。

暫くして、2人」が入ってきて、「食事は摂られましたか?」とい聞いて来る。

釈岳で済ました旨伝えた。 小屋の板の間に荷物を置いて、10分休憩する。

13時40分 小屋を出て、頂上に向かう。14時頂上に立つ。 北方に今来た皿倉山からの縦走路が見える。


徳ちゃんの里山登山

南東の方角にはこれから進む牛斬山への尾根が続く。  後、3時間ほどの行程が残っている。

頂には、5組15人程の登山客が岩場や草地やら、めいめい好みの場所で憩っていた。

記念撮影。 14時10分 出発。  広々とした尾根道を南東向かって歩く。

遠くに、山小屋の連れらしき2人がこちらに登って来る。  まだまだ太陽もさんさんと輝いている。

足元が滑る。赤牟田の辻はまだまだ先に、でんと聳えている。 

手前のピークを越えて一段と急になる坂をどんどん下って行く。


徳ちゃんの里山登山

だんだん足に疲労が積み重なり、思わず、「だれかロープ・ウエイを架けて!!」と叫びたくなる。

慎重に下りきると、眼前に赤牟田の辻が仁王立ちしている。  エィッ!!どうにでもなれ!!と開き直り、

意を決して、標高100M位の急登に取り付く。  足が重く、息が上がる。  

半分位登り、途中で一息休憩をとる。振り返ると、もう福智山は遠くに鎮座している。

「残りは一気に登ろう」と密かに決し、また登る。 疲労が重なり、足先が痛くなる。

「足が痛いのは神経があるからだまだ大丈夫、感覚が無くなったらおしまいだ。」と自分自身に言い聞かせ、

登りきる。  もうだめだ!!  その場に荷物を下ろし、大の字になって寝る。 爽やかな風が通り過ぎる。

10分位経っただろうか、幾らか身体も落ち着いてきたので出発するが、直ぐにある小さなピークの岩場で、

またもダウン。  荷物を下ろし、また寝ころぶ。 疲労回復は寝ころぶのが一番なのだ。

もう南方には最終目的地の牛斬山が現れてる。  すうには歩く気持が起らない。


徳ちゃんの里山登山

ぐずぐずしていたら、日が暮れるので、また歩き始める。

登りあれば下りあり、傾斜のきつい下りを足を庇いながら下る。もう一段下って登り返すと焼立山山頂。

直方市や田川市の街並みが夕日に映える。  ここを直角に左折し、更に下ると急坂が現れる。


徳ちゃんの里山登山

もうダメだ。  私の足はもう重なる疲労の蓄積に悲鳴を上げる。 もう一段下ると楽な尾根歩きとなるのだが。

なんとかなだめて、降り切った。  もう夕日が傾きかけている。


徳ちゃんの里山登山

右方の香春岳からきた道と合流、さらに進むみ、鞍部に出ると採銅所分岐の標識があり、最後の登りになる。

5分登ると広場にいでる。 最終目的地の牛斬山山頂だ。  また万歳!!


徳ちゃんの里山登山

丁度17時になっていた。  記念写真もそこそこに下山開始。

鞍部に戻ると、朝、皿倉山で別れた山口からの登山客と再会。

一言「お疲れ様・ゴールはそこですよ」と声掛けして、右折し、杉林の中を降りる。 もう薄暗くなっている。

少し下ると、林道があり、本当は直進する処を左折したが10分程歩くが、記憶にある景色と異なっている。

左上方が開けたので眺めると、なんとさっき通った尾根道が見える。  間違えた。

鉄則通り、間違えたら元の地点もどる。 するとさっき下った道を、素直に直進したら良かった。

薄暗くなった、谷沿いの山道を下り徒渉すると、昔登った道が現れる。  道なりに下ると砂防ダムがあり、

もう民家も見えてくる。  あたりは薄暗くなり、ふもとの家々には明かりが灯っている。

コンクリートの舗装道路をひたすら歩く。  途中で踏切警報音がなる。  残念!!電車に間に合わない。


徳ちゃんの里山登山

予定より1本遅い、日田英彦山線18時32分小倉行きに乗り西小倉駅で鹿児島本線に乗り換え、

八幡駅迄乗る。 疲れているので、席は空いているが座る気がしない。

タクシーを拾い、皿倉山ケーブル下駅駐車場まで行く。

そこには我が愛車が「お疲れ様」とでも言いたそうに待っていた。

靴を履き替え、素早く乗り込み、家路へ。  20時少し前帰宅。

思えば 年甲斐もなく、馬鹿なことをやってしまった。  まっ いいか!!!

家に着いたら、飯食って、風呂入って、バタンキュー。 おやすみなさい  GGGG。