きょうだい児は「２重の感情を持っている」家族と一緒にいるときと、家族以外といるときに抱く感情が大きく違うことがある。家族といる時には、自分を出さず良い子になろうとしている。外では本当の自分が出せることもある。自分らしさって何だろうと仕切りに考えてしまう。おはです #おは戦60604🔥rr
— とく@きょうだい児の葛藤から人生を学ぶ (@toku_siblings) June 3, 2024

きょうだい児とは、障がいのある兄弟姉妹をもつ子のことです。

自分が生まれた時、もしくは障がいのある弟や妹が生まれた時から、きょうだい児としての生活が始まります。

前回の記事は、こちらです。

『きょうだい児は「自己評価が低い」』きょうだい児は「自己評価が低い」一人で何でもできたり、家族の手伝いをしたりして、周りから「すごいね」「えらいね」と言われても、当たり前のことだから、すごいこ…

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きょうだい児は、２重の感情を持っています。人によっては、もっと持っている可能性はありますが、大きく分けて２つあります。

①家族と一緒にいる時に抱く感情

②家族以外と一緒にいる時に抱く感情

家族といる時は、ほとんど自分の感情を出さず、親に負担をかけないように、できるだけ良い子でいようと思っています。

その理由としては、

・自分の感情を出すとわがままだと思われる

・親が迷惑だと思わないようにしないといけない

・障がいのある兄弟姉妹よりもちゃんとしていないと

・何でもできる良い子でいなければ

・自分が我慢していればいい

このように感じることが多いです。

小さい時から、障がいのある兄弟姉妹がいる環境で育ってきているため、どのように家族の中で振る舞っていけば良いのかわかります。

自然と、家庭での立ち位置が決まっていきます。

自分の感情を思いのまま出すことによって、家族が悲しむという経験をしていることがあるからです。

『もっとちゃんとしている子だと思っていた』

『いつも手伝ってくれる優しい子だと思っていた』

『どうしてそんなひどいことするの？』

自分勝手にやりたいことをやって、親に迷惑をかけてしまったり、お手伝いするのを拒否したり、感情のままに行動した時に思いもよらない言葉をかけられます。

親としては、いつもと違う行動をしたことに驚いた、という気持ちが強く、言葉を発しているのかもしれません。

しかしその言葉が、きょうだい児の自由な行動を制限することにつながっていきます。

”あ、これはやっちゃいけないんだ”

”こんなこと言うと、ダメなんだ”

”好きなことをやると怒られちゃうんだ”

やりたいことをやれないでいると、このような感情ばかりが募っていきます。

次第に、家族といる時には、無口で、穏やかで、微笑んでいる、人の姿はしているけれど感情を無くしたように存在していきます。

そうしていることが、一番楽で、何も考えず、何も感じなくて済むからです。

本当は、怒ったり、泣いたり、やりたい放題やったり、感情を出したいと感じています。

一方で、家族以外の人といる時には、家では見せない感情を出すことができます。

特に学校では、自分以外の友達もいるため、普段できないことをやってもいい環境があります。

もちろん、危ないことや、いたずら、イジメなど悪いと言われていることはやりません。

課外授業や体育の時間は、誰にも邪魔されずに、やりたいことを思いっきり楽しむことができます。

ある程度のことは否定されることなく、自由にやれるのです。

外にいる時に、大きな声で叫んでみたり、

全速力で走り回ったり、

渾身の力を込めて、ボールを投げたり、

時には、友達と大喧嘩して、先生に怒られて泣いてみたり、

冗談を言って、大笑いして転げ回ったり。

家族といる時には、絶対に見せない顔をします。

物静かに過ごしている時間もあるので、喜怒哀楽が強いと態度が違いすぎて、先生や友達にびっくりされることもありますが、受け入れてもらえます。

”どんな感情を出しても大丈夫なんだ”

と思うことができるからです。

しかし、それが故に悩みも出てきます。

”本当の自分ってどっちなんだろう”

”自分らしさって何だろう”

家族といる時の自分自身も、感情は抑えているとはいえ、肉体は存在しています。

家族以外といるときは、感情を爆発させることもあり、また違う存在をしています。

どの環境にいるのかによって、使い分けているのですが、無意識にそれを行なっているため、時々自分を見失ってしまうことがあります。

頭の中では、どちらの自分も自分だと認識しています。

でも、その違いに感情が追いつかない時があり、混乱してしまいます。

言っていることと、やっていることが違う状態に陥ることもあります。

「本当は、こんなこと言いたくない」

「今はこう感じている」

その時に感じたありのままの状態を、自分自身が受け入れることができなくなってしまうのです。

・自分を見失うこと

・訳がわからず混乱してしまうこと

・素直に受け入れられないこと

・何が本当なのか、信じることができない

様々な経験をすることによって、感情のギャップが大きくなると、このように感じることが増えていきます。

どうしたら良いんだろう・・・と悩んでしまうことも少なくありません。

誰にもいえずに、一人で悩んでしまうこともあります。

なかなか理解されない感情の変化ですが、似たような行動をしている人や感情の起伏が激しい人の気持ちをわかってあげることができます。

・今、しんどい状況だよね

・どうして、こんなことしちゃったのか分からない

・わかってくれる人がいないのって寂しいね

・怒られるかもしれないけれど、一緒に話に行こう

など、寄り添うことができます。

寄り添うことによって、相手の悩みを軽減しながら、自分自身にも言い聞かせているのです。

相手の悩みが解決できたら、自分の悩みも解決できる

そうして、感情のコントロールを図れるようになります。

優しいね

いつも笑っているね

あんまり怒らないよね

実は泣き虫だね

いろいろな言葉をかけられますが、自分以外の誰かに寄り添うことによって、どの感情も嘘ではなく、自分の中から生まれている感情であることを受け入れられるようになります。

生きているのがつらい、しんどい

当然、受け入れたくない感情も出てきますが、少しずつ、時間をかけて受け入れられるようになります。

どのくらい時間がかかるのかは、人それぞれです。

場合によっては、受け入れることが困難な場合もあります。

それでも、自分らしさを発見して、自分の人生を歩むことができるようになります。

不思議な子・人と思うことがあると思いますが、優しく見守っていてください。

それが、安心して暮らせる一歩になります。

次回に続きます。

きょうだい児は「なぜ自分は生まれてきたのか考える」