「こうのとりのゆりかご」の存在を知ったのは、大学生の時でした。
それも、自分が特別養子で、社会的養護関係のボランティアもしていたからだと思います。
私の同年代の友人数人に、この単語を聞いてピンとくるか聞いてみました。

結果は、9人に聞いて5人が何のことかは知っていました。
思っていた以上に聞いたことある人はいました。

しかし、具体的にどこにあってどんな仕組みなのか、までは知らないようでした。

私や、このブログにたどり着く人の多くは、関心を持つきっかけがあったから知っているだけにすぎません。

認知度を上げていきたいものです。

こうのとりのゆりかごには全国から子どもを託しにいろんなお母さんたちが訪れます。
コロナの影響で長距離移動がムスカ叱ったため、預け入れの数が少なかったのではとみられているそうです。

こうのとりのゆりかごのような仕組みはドイツで2000年ごろから行われていました。
その後ドイツでは、子供の出自を知る権利を守ることなどを理由に、匿名で託せる赤ちゃんポストを廃止しています。
代わりに進められているのが「内密出産制度」です。
実母は妊娠相談所にだけ実名を明かし、医療機関では仮名で子を産むことができます。
実親が養育できない場合、養子縁組をし、16歳になると、政府に生みの親の身元を照会することができるような仕組みです。

日本ではどうでしょうか。
まだ二つ目のこうのとりのゆりかごが設置されることすら実現していません。
日本では、預けられた赤ん坊を医療機関に搬送する必要があるかを判断できるのは医師だけで、助産師にその権限はありません。
そのため、こうのとりのゆりかごの設置のためには、医師が常駐していることが必要になるのです。
あくまでも増えない理由の一つでしかありませんが、こういった理由で、なかなかこうのとりのゆりかご2号が日本にはできないのです。

日本各地にあれば、このコロナ禍にあっても預けられる子どもが大勢いたかもしれません。
その子供たちは、もしかしたら遺棄されて亡くなってしまった子どもだったかもしれません。
もしかしたら虐待を受けている子どもだったかもしれません。

救える命を救うためにも、こうのとりのゆりかごが増えて、広く知られていけばよいなと切に願います。