伊藤七段、藤井叡王に勝利! | 凝り性 勝之進のこだわり日記

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★Livin' On A Prayer★Once upon a time Not so long ago・・・ 
 

四国の話を書いている間に
いろんな出来事がありましたが、
書いておかないといけないのが、
将棋の叡王戦です。

6月20日、甲府の常盤ホテルにて
第9期叡王戦・五番勝負の第5局が
行われました。


藤井聡太叡王と伊藤匠七段の対戦は
156手で伊藤七段が勝ち、

初タイトルを手にしました。

 

王者・藤井八冠は、棋戦を初めて落とし、

七冠となりました。

日経新聞は、藤井八冠の写真を載せ、
「遂に敗れた」と報じていましたが、
 

こういう時は、伊藤七段の写真を載せて
「初めて勝った」と称賛するのが
まっとうな報道というものだと思います。

今回のブログのタイトルは
そういう気持ちで書いています。

◆さて、今回の勝負ですが、今後、
語り継がれる程の大逆転の名勝負だった

と言えると思います。

まず、最も衝撃的だった一手は、
藤井叡王の77手目の6六銀直。
この手です。


まさに、真向からの直球勝負で
正面突破を図る絶妙手です。
 

この手には、解説陣からも

驚きの声があがりました。

その後、攻め続ける藤井八冠に
防戦一方となる伊藤七段。

藤井八冠の97手目・4六銀打ちの
時点では、AI予想でも、

80%程度の先手優勢でした。

藤井玉は、全く崩れていない穴熊のままで、
後手は、裸の王様が剥き出しになり
顔面受けをしている状態。

あの藤井8冠に、こんなに差を
付けられてしまっては、伊藤七段に、

もう勝ち目はなさそうだと、
誰もが思ったことでしょう。

ところが、ここから、
伊藤七段は、驚異的な粘りと、
奇跡の指し回しと、

正確無比な受けを見せました。

まず、98手目の5三銀打ち。
これが絶妙手でした。


そして、100手目で5二銀と
銀を縦に並べて「盾」を作ります。

さらに飛車を犠牲に差し出しておいて、
102手目で4三玉と、銀の盾の脇に
するりと逃げ込んだ瞬間、

後手にチラリと光明が差しました。

104手目は。満を持しての7六歩。

これはちょっと雲行きが怪しいぞ。

そして、110手目の9三角と
112手目の4九とが、またしてもの

絶妙手でした。

伊藤七段は、

このニ手を見つけた時に
「もしかしたらいけるかも」

と思ったそうです。

その後も、一手間違えたら即詰みという
恐ろしいサドンデス将棋の中、

伊藤七段は、秒読みをものともせず、
最後に仕掛けた藤井8冠の攻撃を
冷静に受け続け、

 

156手の4二玉を指した直後の

18時29分、藤井八冠は遂に投了しました。

こうして、藤井さんの八冠期間は
254日でストップしました。

◆「藤井を泣かせた男」とか、
「過去の棋戦で1回も勝てなかった男」

とか、いろいろな呼び名を貰っている

伊藤七段ですが、これからは

「藤井八冠の一冠を削った男」

として語り継がれることになるでしょう。


これからも、藤井7冠のライバルとして、
ずっと活躍して欲しいです。
おめでとうございました。伊藤七段。

◆そういえば、伊藤七段は
NHK杯の解説に出た時、

活舌が非常に悪く、声もかすれて、
よく聞き取れないうえ、あまり

笑わなかったことを思い出しました。

見た目に愛想のないタイプですが、
こういう強い将棋を見せられると
職人気質に妙な魅力を感じます。

名前もそれっぽいですしね。

これからも応援しますので、

是非、頑張ってください。

勝之進は、どんなに劣勢でも、
諦めちゃいけないことを
伊藤新叡王に教わりました。

実にいい戦いでした!

   一体頭の中はどうなっているんだろう。。。勝之進