リーディングエッジと言う言葉があります。
これは物の先端の事をさしますが、アレクサンダー・テクニークのレッスンでは物だけでなく体の部位の先端の事を言う事が多いです。
例えば、ハサミを持つ時は指先が、ハサミを持ったら刃先がそれぞれリーディングエッジとなり「ハサミを持つ事を指先がリード(導く)する」、「紙を切る(挟む)ために刃先がリードする」という風に意識する事が出来ます。
このリーディングエッジがどの様に立つかと言いますと、普段無意識に行っている余計な動作を減らしてより楽にしてくれます。
つまり、よりスマートにやりたい事を出来るようにするのです。
バジルさんのブログや本によく「マウスピースが口にやって来る」という表現がありますが、正にこれが「マウスピースをリーディングエッジ」にした例です。
楽器を構えるのにはマウスピースが口元にただ来れば良いのに、不用意に肩を下げたり上げたり、腕を曲げ過ぎたり、あごを引き過ぎたり前に出したりetc…して楽器との距離を保とうとしてしまう事があります。
必要な動きもありますが不必要な動作の場合が多く、いわゆる悪いクセとして認識されます。
一部の上級者には一見悪いクセに見えても、最終的に上手く身体を使えている人もいるとは思いますが、普通の人がそれを真似するのは難しいと思います。
であれば、不必要な動きをしない→よりスマートに楽にやりたい事をやるようにしてみませんか?
では楽器を構えてみましょう。
0、頭を動けるようにしてあげて、身体全部がついてきて(基本です!)
1、楽器を持つ時に「指先が楽器に向う」
2、構える時に「マウスピースが口元にやってくる」
大抵の管楽器はこれだけで良い、かな?他にもあるかもしれませんが。
3、ホルン、フルートの方はこのままだと譜面台が真正面に来ない場合がありますので、その時は立ち位置を変えましょう。(ちょっと分かり難いでしょうか・・・)
次にトランペット、サックス、ピアノ(ドラム)の構え方、指の持って行き方を書いてみます。
トランペット
1、左手に楽器を持ち、両手を下におろした状態でスタートします。
2、右指先が楽器に向かう。
(楽器を持った左手は特に意識しなくても身体の前に来ると思いますが、もし難しい場合は「ピストンが右手に向かう」と思う、もしくは右指先が~と同時に思ってみてください。)
この時点ではまだ両腕は降ろしたままだと思いますので、ここから
3、「マウスピースが(最短距離を通って)口にやってくる」
サックス
1、ストラップにサックスがぶら下がった状態でスタート(バリトンサックスの方は出来ますかね・・・?)
2、左指先が楽器に向かう。
3、右指先が楽器に向かう。
レッスンで良く見るのは左手→右手の順が多いですね。
4、「マウスピースが口にやってくる」もし口に当たりそうで怖い、時はマウスピースを見ながら、もしくは楽器を真っすぐ自分に持ってくるのではなく、斜めにして持ってくる等工夫してみましょう。
無駄な動きが無くなってくると腕を後ろに引き下げるといった事が無くなり、腕を前で使えるようになります。こうなるとストラップが短く感じますので伸ばしてみましょう。
ピアノ(ドラム)
0、イスをいつもより引いて座る。
人によってはやる必要はありません。小さい頃からピアノを弾いていた方はやってみると効果が出ます。
1、股関節から少し前に倒れる。腰椎(腰)からでなく股関節です。
2、指先が鍵盤に(スティックに)向かう。
3、スティックの先端がドラムに向かう。
いかがでしょうか??
恐らく「持った感じがしない」「ふわふわして安定しない」と思うかもしれませんが、それだけで楽器を持てているのは事実ですし、その力だけで十分なのです。
もし自分に合わないなと思ったらやらなくても良いですし、自分で見付け出す事をおすすめします。
お試しください!