アレクサンダー・テクニーク for Trumpet           ~トランペットを誰もが楽しめる楽器に~

アレクサンダー・テクニーク for Trumpet           ~トランペットを誰もが楽しめる楽器に~

勉強中であるアレクサンダー・テクニークについてと、それをトランペット演奏に活かすアイディア等を書いています。

アレクサンダー・テクニーク教師養成コース在籍。千葉県在住。
ツイッターもやっています。@toku_tp

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今日の練習で結果が出て嬉しかったので日記にしてみました。


先日帰国されたアレクサンダー・テクニーク教師、ヴィヴィアン・マッキー
スコットランド出身の彼女はなんとチェロ奏者、管楽器奏者ですらないんですけど、金管奏者にとても役に立つアドバイスを沢山して頂きました

ヴィヴィアンの教えは後日まとめてブログにする予定・・・ですが、その結果とても良い結果が出ました。


ちょっと前まで小さいマウスピースを使っていたのですが、操作しずらく10-1/2Cサイズに戻したばかりだったんですね。昨日練習していた時は馴染んできてはいたのですが、ハイFの時点で舌がこれ以上上がらないほど窮屈で、少し落ち込んでいました。

慣れれば戻るかな?と昨日は思ったのですが、そうではありませんでした。


ヴィヴィアンの教え通りより頭をより強く意識した結果、昨日とは違い下後鋸筋が動ける・使えるようになりました(恐らく下後鋸筋かと思います)。前方の筋肉も合わさってまるで呼吸筋のコルセットでも付けているかのようでした。

なぜコルセットかというと、コルセットを付けている感覚もあったのですが、姿勢が自然と良くなったからなんですね。しかも本物の窮屈なコルセットとは違い、筋肉なので収縮性があり柔軟でかつ安定していました。おかげでハイFでもまだまだ舌を持ち上げる余裕がありました。

ちなみに、下後鋸筋はろっ骨を下に引っ張る働きをするので、息を強く吐くのを助けるインナーマッスルです。ただ引っ張り過ぎてしまうとろっ骨が戻らず息を吸う時の邪魔になってしまうので両方の動きが出来るようにしてあげましょう。


どんなに舌をもち上げても息が弱ければ高い音は出なくて、だからと言ってただ強く吹こうとすると肩や口周りが緊張してしまう。そこでアレクサンダー・テクニークを使えば自然に身体全体を効率良く使えるようになります。

自己の使い方が良くなれば呼吸の質も変わり音も変わるんですね。結果、アンブシュアやリム形状も気にならなくなりました(不調な時は気になりますがorz)。最近また上唇の割合が少なく昨日は意識的に位置をずらしていたのですが、今日はそんな事を意識しないでも、いわゆる理想の位置に落ち着きました。開放でのペダルB♭も安定してウハウハです(笑)


ヴィヴィアンはチェロ奏者なのに、彼女のおかげでよりトランペッターに特化したアレクサンダー・テクニーク教師になれそうです。アレクサンダー・テクニーク教師はその楽器を演奏出来なくても教えられるという事を身をもって体験できました。




ブログ引っ越しました!(2014/05/25)
新しいブログはこちらになります。(一部移動しきれていない記事もありますが)

↓↓↓こちら
初心者向けのマウスピース。トランペットビギナーはこれから選べ!

 
【動画紹介】バック7Cに代わる初心者向けマウスピースはこれだ!

 

 

 

 

トランペット初心者にはどんなマウスピースが良いのか?特にリム内径について書きたいと思います。

 

トランペットを始める時、いわゆる初心者用としてバック7Cやヤマハ11Cを渡される事が多いかと思うのですが、本当に初心者の方全員がこのマウスピースで始めれば良いと思われますか?

もちろんそんな事はありませんよね、皆さん歯並びや唇の厚さ、骨格が違うわけですから合う合わないがあるはずです。

口をすっぽり入れるトロンボーン等とは違い、唇の大部分が直接、歯も間接的にリムに当たる訳なので、ほんの少しの違和感でさえ気になってしまうんですね。市販のトランペットマウスピースの種類の多さが物語っているように、それだけ気にされる方がいる訳です。


特にリムの内径はその人のサイズというものがあると思います。「マウスピース選びはクツ選びと同じ」という考えをされる方が多いですが、その通りだと感じています。にも関わらず、初心者には7C前後のマウスピースを与える人の多い事多い事。なぜ最初からその人に合うサイズのマウスピースを試させてあげないのでしょう??


一例ですが、僕が始めて楽器屋に行き出してもらったマウスピースはバックの7C、6C、5Cだけでした、そして出された中から一番吹きやすいものを選びました。けれども、今現在吹きやすいと感じているサイズは10-1/2Cから12Cサイズです。店員さんが出してくれたマウスピースの中に僕が吹きやすいと感じているサイズは無かったのです!僕はその9カ月後に自分で好きなマウスピースを吹き比べ、ワーバートンの7番(10-1/2Cサイズ)にたどり着き、以来サイズはほとんど変わっていません。

当時の事は良く覚えていないのですが他のマウスピースを試そうとは初心者の自分ではとても思いつきませんでしたし、店員さんも無意識にこのサイズだろうと思って出してしまったのだと思っています。もしかしたら初心者だからこのサイズ!!って思っていたのかもしれませんね。

クツで言えば「このサイズが最も選ばれているサイズですよ」と26~28センチのクツを小学生に渡すような物です。クツなら分かりますよね、おかしいって事に。でもマウスピースにはそれが分かりにくいんです、違いなんて0.25mm刻みが良いところですからね。だから「初心者用マウスピース」なんて言葉でくくり、試そうとさえしなくなったのかなと思いました。


ではどうするか、最初から沢山のマウスピースを吹いてもらえば良いのです。バックで言えば12C、10-1/2C、7C、5C、3C、2C、1-1/2Cは最低でも出してあげて欲しいです。※12C、1-1/2Cは極端かなとは思うので先の5つを吹かせてから出すと良いかもしれません。

もちろん、初心者ですからまともに音は出ないかもしれませんし、本人でさえ本当に合うサイズなのかも分かりません。ですが初心者よりも楽器が吹けると言うだけで本人でさえまだ気付いていないサイズを第三者が選ぶのは少しおかしくはありませんか?本人が吹きづらくても聞こえてきた音が良いから「それにしよう」なんていうのも変だなぁと僕は思います。


僕から見ても良くないアンブシュアでしか吹けない後輩(初めて2カ月)が、世間一般的には小さい、一部では初心者には向かないとさえ言われてる10-1/2Cを貸したところ自然に吹けるようになった様を見てからますますそう思うようになりました。

唇が薄い人でも歯並びや骨格がしっかりしていたら小さいマウスピースはその子人にとって小さすぎるマウスピースになり、大きなマウスピースは丁度良いマウスピースになると思いませんか?
逆に唇が厚くても小粒な歯であれば小さすぎるマウスピースも丁度良いマウスピースになる事だってあるはずなんです。


ツイッターでも「講師の方に○○をすすめられたので使っています、良いでしょうか?」と質問される事がありますが、講師の方が良い結果が出たのですすめているのか、その生徒さんに合っていると思ったからすすめたのでは大きく違いますよね?「うちの学校は7C、5C、3Cのどれかを使うように言われています」なんて意見も・・・・。
演奏としてまとまりが出るように指定したマウスピースを吹かせるのか、その子がのびのびとトランペットを楽しめるマウスピースを吹いてもらうのか・・・。



また、「靴選びと同じ」というのもある意味誤解が生まれるのかなと思った事があります。
まず一番多いのは「何もしていない通常時の唇のサイズがその人が使用できる最小のサイズだ」という考え。これも絶対という訳ではないと思います。

僕の唇は通常時で上下合わせて20mmですが、実際にトランペットでミドルC(チューニングのB♭)を吹くと約13mmになります。
そして吹きやすいのは10-1/2C(約16mm)、全然違いますよね?もちろん1-1/2Cサイズでも20Cサイズでも音域は変わらないですし1-1/2Cでビッグバンドのリードを吹いた事もありますが、吹きやすいのは10-1/2Cです。



脱線し過ぎましたがタイトルに話を戻しますと、初心者用マウスピースなんて物はなく、その人が吹きやすいと思ったマウスピースがその人の初心者用マウスピースなのだと思います。何が良いマウスピースか?市販のものは大抵良いものなんですよね。


Conn18-Cor


ただ、バックのマウスピースはリムサイズによって形状も深さもバラバラなので「自分はどのリムサイズが合っているのか?」が分かりにくいのかな?と思っています。それに世間一般的に内径の小さいマウスピースには深いものが無いし、内径が大きいマウスピースは浅いものが無い事も多いのでストーク、ラスキー、ワーバートン、NYクラシック、GRあたりがリムサイズもカップの種類も豊富で良いのではないかと思いました。※各メーカーを一度に試奏するのではなく、1つのメーカーに絞って自身に合ったリムサイズを見つけると良いと思います。



追伸
この記事を書くにあたりネット上にある「マウスピースの選び方」を色々見てましたが、「昔はこう思っていたなー」なんて内容が沢山ありました。もちろん、僕の記事に対して「またそんな事いって、違うんだよ」と思われる方もいるかもしれませんね。

良い悪いではなく、絶対こうだ!という答えって無いので、参考にして頂けたらと思います。

 

初めて音を出す時のアイディアを幾つか書いてみました。
(2014/4/19 現在)

唇を横に引っ張る必要も、唇の両端をギュっとやる意識も、巻き込む意識も実は必要ないんじゃないかなと思いました。


それでは、聞いた話+自分で試してみた初心者向け、トランペットの音の出し方。

1、唇を湿らす(舌でペロっとなめる。)
2、マウスピースも湿るよう唇に滑らせながら当てる。
  ※口は閉じたまま当てる。
3、優しく息を入れる。「スー」と音が聞こえる程度。
4、徐々に唇を閉じる。
5、唇が「ブブッ」っと一瞬でも震えだしたら息を徐々に強くして行く、同時に唇によりマウスピースを密着させていく。


以下、個人的解説です。

1、唇を湿らす(舌でペロっとなめる。) 
経験者の方は口が濡れたら滑って吹けないよ!という方いらっしゃるかもしれませんが、演奏時の唇って意外と動いているんです。アレクサンダー・テクニークでも常に動いている、動けるという事を意識するのが大事ですね。乾いた唇でリムに張り付けてしまうとそこで動きが制限されてしまうのです。それに乾いた状態で無理に吹くと唇が切れる原因にもなりかねないですしね。

2、マウスピースも湿るよう唇に滑らせながら当てる。
もちろん唇が湿っている程度では、乾いたリムに当てた瞬間ベタっと張り付いてしまう事があります。マウスピースを唇上で滑らせ、リムも湿らしてフィットしてみましょう。金メッキの場合、銀メッキよりも口当たりが滑らかで滑り易いので試してみると良いかもしれません。よくアレクサンダー・テクニークでは「感覚評価は当てにならない」と言いますが、不変な物に対する感覚は当てにしても良いそうです。

もう1つ大事なのが口を閉じた(唇が上下触れた)まま
当てる事です、開いたままリムに当てるとその後で閉じる働きを通常より多く(大きく)しなくてはいけません、場合によってはこれも力む原因になってしまうかも?後述しますが、息を吹けば唇は自然と開くので、その分(必要な力)だけで閉じる方が効率的です。

3、優しく息を入れる。「スー」と音が聞こえる程度。
トランペットは肺活量が必要という考えを持っているのであれば驚くかもしれませんが、息の量はそんなに重要ではないのです。速い息は高音に必要ですが、初心者はそれと同時に唇も絞めている事が多いので音にならない事が起きてしまいます。優しくすこーし吹くだけで音って鳴るんですよ。

4、徐々に唇を閉じる。
スーっと息を通すと唇が開くのが分かると思います。それを閉じて上下の唇を触れ合わせます。すると息によってまた開く→閉じる方向に力を入れているのでまた触れる→開く・・・の繰り返しになり、振動が始まります。この時閉じる加減がどれくらいかな?という実験をすると面白いです。リップ・バジングではこの加減が判断しにくいと思います。

唇が湿っていないとひっかかってしまい、強めに息を入れないと振動しにくくなると重いので、乾いてしまったと感じたらまたペロっとなめてみてください。


5、唇が「ブブッ」っと一瞬でも震えだしたら息を徐々に強くして行く、同時に唇によりマウスピースを密着させていく。
ある程度の閉じる力になると音が発生し始めます。このままでは音にならないのですが、ここで必要以上に唇を閉じてしまうと力むクセがついてしまうので息を強めます。息を強めると漏れる可能性も出てくるのでそれに合わせてマウスピースをより密着させます。くっつけるという言い方も良いですね。

4、5でどれくらいが適正なのか、それを確かめる実験としてしばらくやると良いと思います。


慣れてきたら

1、2、をして
3、唇にマウスピースをより密着させる。
4、唇を閉じる。
5、吹く。

でも大丈夫だと思います。


・上手くいかないと感じたら
・もう一度ペロっとなめてから当て直しましょう。
・3の最初はもっと優しく息を入れてみましょう。
・4で口の閉じる力加減をじっくり観察してみましょう。
・5で息を強める時に唇に力が入ってないか確認してみましょう、もし入っていたら密着する事を意識してみてください。

初心者の方が音を出せずに「スカー」っとなってしまうのは息が強すぎるから、息が入らず顔を真っ赤にしてしまうのは唇を閉じプレスを過ぎているから、だと思います。そこの力加減を順々に見て行く事で「難しい」を回避できたら良いなと思います。



観察→分析→実験→プラン→実行→観察・・・
アレクサンダー・テクニークではよくこれらの言葉が出てくるのですが、観察と実験を意識してやるのを個人的におススメします。僕も実際に吹いてその時のプランを幾つか書きましたが、その人が今何かしてるかまでは実際に見ないと分かりません。なので
一番大事なのは自分を観察し続ける事なのかなと思いました。

そしてこの時「今何してるんだろう???」と考え過ぎてしまうと逆に身体も思考も固まってしまいます。なのでこの時にアレクサンダー・テクニークを使う事をおススメします。

頭が動けて、身体全部がついてきて、と思い続けながら、1~5をやってみてください。



もっと良いやり方ありましたらご教授頂けると嬉しいです。


次は「マウスピースの選び方(仮)」を書きたいと思います。