徳富 均のブログ

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自分が書いた小説(三部作)や様々に感じた事などを書いてゆきたいと思います。

 「賀茂の川波糺の森の緑も夏木立、涼しき色は花なれや・・・」

と、謡曲「賀茂物狂(かもものぐるい)」にも詠われた糺の森は、平安時代以来、潔斎の場として知られてきた。また、その字が意味する通り、偽りを糺す神の座す森としても、朝野の信仰を集めた。

 室町時代になると、この森の南の糺河原(ただすがわら)は芸能興行の地として注目を集めたという。さらに、江戸時代には、涼の地として親しまれてきた。

 人口150万人の京都市。糺の森はその中心地にほど近く、賀茂川と高野川に挟まれた三角地帯(只洲・ただす)にある。この森の広さは、東京ドームの3倍にあたる約12万㎡。平安遷都以前の京都の地は、森林と湖に覆われていたというが、実は、その時代の原生林の植生を残す唯一の森が、この糺の森だという。ケヤキ、ムク、ナラなどの落葉樹が半数を占め、約4700本、40種類以上の木が繁茂し、およそ600本が樹齢200年以上という。

 この森は、応仁の乱をはじめ台風や川の氾濫などによって面積を狭めながらも、京の歴史を見守り続けてきた。戦後になると、都市化の波にさらされたが、水質改善や植林などの保全活動が実り、蛍を愛(め)でる「蛍火(ほたるび)の茶会」が開催されるようになった。

 都会の近くに木々に覆われた公園や森があると、人の心も癒されるのではないでしょうか。現代は、利便性や経済効果ばかりを追求する時代のようですが、これでは、人の心は「すさむ」だけでしょう。人間は、「金儲け」だけを追求し金を残したとしても、それを「あの世」まで持ってゆくことは出来ません。それよりも「心の豊かさ」をもつことで、この世でも満足することが出来るのではないでしょうか。