竜馬がゆく (二)

司馬遼太郎著 文春文庫


若者たち

旅と剣

京日記

風雲前夜

待宵月

頑固家老

萩へ

希望

土佐の風雲

脱藩


黒船の出現以来、猛然と湧き上がってきた勤王・攘夷の勢力と、巻き返しを図る幕府との抗争は次第に激化してきた。先進の薩摩、長州に遅れまいと、固陋な土佐藩でクーデターを起こし、藩ぐるみ勤王化して天下へ押し出そうとする武市半平太のやり方に、限界を感じた坂本竜馬は、さらに大きな飛躍を求めて、ついに脱藩を決意した。


  安政の大獄で獄死した吉田松陰が下田港から小舟を漕ぎ出して米艦にたどり着いたときにペリーが残した吉田松陰(と弟子の金子重輔)への感想は

---我々を非常に感激させた。教育のある日本人ふたらいが生命をかえりみず、国の法律を破ってまでも、その知識を広くしようとするはげしい心を示したからである。日本人はまことに学問好きな研究心のつよい国民である。(中略) 日本人のこの心は、幕府のきびしい法律と監視のために抑えられているが、日本の将来に実に想像のできない世界をひらくものではなかろうか。---

  (多くの夷人が戦国時代、江戸時代の日本人、日本を高く評価している。)


  「讃岐男に阿波女、伊予の学者に、土佐の高知は鬼ざむらい」 

四国四州の人間の特徴をうたったもので、讃岐男は商人として甲斐性があり、阿波女には一種の性的魅力がある。伊予の国は人の気風がなだらかで武よりも文に長け、それに引き比べると、土佐は人種がちがうかと思うほど、気性があらあらしい。


司馬遼太郎の小説には彼の歴史観や知識が凝縮されている。読み進む中で、大きな時代の背景を小説と進行とともに教えてくれる。