大地の咆哮 元上海総領事が見た中国 杉本信行著 PHP研究所
中国認識で大切なことは中国共産党が支配する「中華人民共和国」の現体制と「中国人一般」を同一視しないこと。
第一章 中国との出会い
一.北京研修時代
予想外だった「中国語研修」の辞令/北京の夜は真っ暗闇だった
最初に覚えた中国語は「没有(メイヨウ)」
謎の中国人ルームメイトの正体/「おまえの思想は間違っている」
「二十キロ制限」で行動の自由も奪われる
二.瀋陽研修時代
外国人疎開地のような環境/「私の名前はゴロウです」
交通渋滞を引き起こした十二段変速自転車
外国人コンプレックスと厳格な監視社会
すべての行動が記録に取られていた/文革の十年がもたらした人材の空白
文革を知る人たちの醒めた視線/崩壊する単位社会主義
*チャイナスクールの本当の中身が良くわかった。そして思想統制は教育を通じて行われれば、容易いこともわかる。
中国における失われた10年は文化大革命の10年間であり、大きな人材の空白ができてしまった。文革を知る中国人は戦争で日本がどれだけ悪かったという教育を受けても、「だけど、共産党はもっとひどかった」と。
第二章 安全保障への目覚め(中国課時代)
一.日本赤軍ハイジャック事件
二.尖閣諸島問題
領海侵犯を繰り返した中国漁船2百隻/反覇権条項にこだわった鄧小平
条約慎重派が突きつけた二つの条件
強硬な反対派のコントロール下にあった漁船
三.日中平和友好条約締結交渉
事務レベル協議の会談内容をすべて筆記
ハードルを高めた自民党の条約慎重派/訪日に同行した鄧小平の娘
日本を改革・開放政策のモデルに/尖閣諸島の領有権を主張する根拠