アメリカン・ニューシネマが隆盛を極めていたころの

ハリウッドがカウンターアタックとしてオールスターキャストで描いた、

いわゆるグランド・ホテル形式の映画「大空港」を見た。

 

冬のシカゴのリンカーン空港。

雪の中でスタックしてしまった707の後始末に奮闘する空港長のベイカースフェルド(バート・ランカスター)は、

航空会社のターニャ(ジーン・セバーグ)の手を借りて対応に当たっていた。

スタックした707のせいで滑走路が使えなくなったことに不満を示すパイロットのヴァ―ノン(ディーン・マーティン)は、

CAのグエン(ジャクリーン・ビセット)と不倫関係にあった。

そんなとき、怪しげな男ゲレロ(ヴァン・へフリン)が

ローマ行きの飛行機に乗り込んだ。

 

CGなんかなかっただろうから、

特撮はいささかちゃっちいけど、

いろんな物語が絡み合ってそれぞれ進行しながら、

大団円に向かっていくダイナミズムは

見事というしかない。

めっちゃ面白かった。

こういう伝統があって、

その基本の上に遊びやら新趣向やらが

わんさか飛び出してくるんだろうなあ、

って思った。

緻密で繊細で考えつくされた構成には

うならされる。

素晴らしかった。

 

監督・脚本はジョージ・シートン、

出演は他に、ジョージ・ケネディ、ダナ・ウィンター、

モーリン・ステイプルトン、ヘレン・ヘイズ、バリー・ネルソン。