イタリアのウベルト・パゾリーニ監督の「おみおくりの作法」を
日本でリメイクした「アイ・アム まきもと」を見た。
市役所でたった一人のおみおくり係として働く牧本(阿部サダヲ)は、
今日も孤独死した老人のおみおくりをしている。
律儀にそして懸命に遺体の引き取り手を捜す牧本は、
荼毘に付すのを遅らせる為に、
刑事の神代(松下洸平)とも衝突しがちだった。
そんな時、自分のアパートの近くの老人・蕪木(宇崎竜童)が死ぬ。
引き取り手を捜して、彼の部屋に入った牧本は、
老人の娘と思しき少女の写真を見つける。
牧本は少女を探し始めるのだったが……。
面白かった。
飄々と牧本を演じる阿部サダヲがいい。
熱く語るわけではないが、
牧本の仕事に忠実な姿の積み重ねが、
エンディングに生きてくる。
原作も見たくなってくる。
社会問題ではあるんだろうけど、
人の心情をたどる過程に重きを置いたのが
功を奏してるような気がする。
監督は水田伸生、脚本は倉持裕。
出演は他に、満島ひかり、でんでん、松尾スズキ、
坪倉由幸、宮沢りえ、國村隼。