年末年始の旅行でチベットの子どもたちが通う学校を訪ねてきまし
親と暮らす子、親と離れて暮らす子、親のない子、
年末の31日に私が訪れた際は親と離れて暮らす子は里帰りをして
敷地内を歩いていると、
小さなお寺にたどり着くには何段もの階段を上ります。
「様子がおかしい」
どうも触り方がいやらしい。
目を合わせず、そのうちに私の胸やおしりを触り始めました。
この子が私を誘ったのは、
人目を気にしているあたり、分別がついていないわけではない。
悪いことをしている意識があるのです。
私はこの子のこの行為をもう少し観察したくて一緒に歩きました。
「触りたいの?」「どうして触っているの?」
戻ってきてまた触る。「楽しくないからやめてほしい」
この子の行動はどうやら真剣だから、
やめなさい、いやです、やめないなら帰る、を何度か繰り返してもやめないので、細い腕を思い切りつかんで「やめなさい!触らないで!」
するとそれまで英語を話す様子のなかったこの子が
「ねえ僕のことを愛してる?」「結婚してれる?」
この子の持っているバックグラウンドがこの言葉で見えたように感
「僕は愛を知らないし、愛されたいんだ!!」
そういっているようにしか聞こえない。
この子はどうやって育っていくんだろう。
一人の旅人がこの子の記憶に残ることはないかもしれないけれど、
「あなたは生まれたときから愛されている。
好きな人がいても勝手に体を触ったりしてはいけない!
相手がいやだといったらやめなくてはいけないの!」
男の子は話の途中で何も言わずに走って遠くのほうへ行ってしまいま
もっとちゃんと話したかった。
例えば子どもたちの健やかな成長を支援する方法というのはたくさ
世界中にすばらしい活動家が居て多くの人間が手を差し伸べている
私は国際文化を勉強する高校を選び異文化理解を勉強してから自分
子どもたちへの寄付やチャイルドスポンサーをすることは私のよう
けれどこの日、
エゴです。
助けたいとか良いことがしたいとか、
どうしようもない無力感に襲われ、
大事なことを教えてくれたあの子もちゃんと大人になってほしい。
学校の職員を訪ね、
そのようなことは認識しておらずとても残念だとおっしゃってい
その子は両親がなく身寄りもないということでした。
インドは特に都市部でのレイプ事件が絶えず、悲しいかな「
例えば私が出会ったこの子がもう少し大きくなり力をつけていった
簡単に想像がつきます。
レイプ事件が一向に減らない背景には数え切れないほどの理由があ
欲のコントロールを教わる機会がなく、
自分のエゴと現実の厳しさを知る貴重な経験でした。
人間からエゴを取ると神様、だそうです。
人間にエゴがあるのは当たり前。
エゴのない人間はいない。
エゴがあるからこそ、人間なのです。
でも本当にやりたいことややるべきことはそのエゴを破ったところ
あるんだと思います。
親が子を理由などなく無条件に守るように。
そういうことを、この小さな男の子から教わりました。