こんにちは!
日比谷シャンテで、映画「PERFECT DAYS」を観てきました。
ヴィム・ヴェンダース監督、役所広司主演。
以下、感想です。
長い独り言なので、ご興味ある方だけ、どうぞ♪
(ネタバレあり)
主人公は、公衆トイレの清掃員を仕事にしつつ、狭いアパートで1人暮らしをする平山。
裕福とは言えない中年男性の淡々とした日常が描かれます。
読者登録している映画好きのブロガーさん方がこぞって絶賛されていて、これは良さそうだと思い観ることにしました。
平山の生活の描写がとても良かったです。
朝起きてから、仕事に行き、眠るまでの何気ないルーティーンが繰り返される。
繰り返される日々に時折さざなみが立ったかと思えば、やがてまた静かな生活へ戻り...。
出てくる渋谷区のトイレが、「The Tokyo Toilet」というプロジェクトで、クリエイター達によってデザインされたという個性的なもので、目を引きました。
とはいえトイレはトイレ。
清掃員の仕事は大変だろうなぁと思います。
毎日丁寧に、ひたむきに、トイレ掃除をする平山。
平山がなぜ今のような暮らしをするに至ったのか、映画ではかすかに示唆されるだけなので、色々想像しながら観ていました。
おそらく実家は裕福だったはず。
父との確執があり、今は没交渉で暮らしている。
過去には人並みに、サラリーマンとして働いたこともあったのかもしれない。
色々なことを乗り越えて?諦めて?余計な欲がそぎ落とされたサッパリとした顔で生きている。
姪っ子のニコに
「この世界は、本当はたくさんの世界がある。繋がっているように見えても、繋がっていない世界がある」
と語るセリフがあり、それがとても印象的でした。
冒頭、平山が今の生活にとても満足していることが分かるシーンがあります。
仕事に向かう朝、空を見上げて顔をほころばせるその表情。
なぜ満足できるのだろう。
音楽、本、植物、カメラ、馴染みの人々。
好きなものに囲まれているから?
それだけでも無い気がする。
私は、ちょっとうがった見方かもしれないけど、「余計な欲は抱かないことにした、今の自分の境遇に満足を見出すことにした、受け入れさえすれば、世界は案外生きやすい」ということなのかなぁ?と感じたのですが、はてさて、どうなんだろう。
そして、最後の長回しの表情も、とても味わい深くはあったのですが、本当のところ、どういう心境なのか。
音楽を媒介にして、ふと訪れた多幸感に涙ぐむ、そんな瞬間が自分にもあるけれど、あの時の平山もそうだったんだろうか。
かように、若輩者にはまだ分からんなぁ〜という部分もあり、この作品を味わい尽くすにはまだまだ人生に深みが足りないのかもしれません。
それでも、確かにこれはパーフェクトディズだなと感じながら、じっくり楽しみました。
*○*○*○*○*
私も病気になってから、どちらかといえば平山的な生き方をしているので、映画を観て共感できるところが多々ありました。
黙々とルーティーンをこなすのって気持ち良いんですよね。
私は食器洗いに喜びを見出すクチ。笑
繋がっているようで繋がっていない世界かぁ。
それぞれ生きる世界が違うことはありますもんね。
私も世界を愛おしみながら暮らしたいなと思いました。
長文の感想、お読みくださり、ありがとうございました♪