こんにちは!


12月から少しずつ読んでいた本を今日やっとこさ読み終えました。






「私たちにはことばが必要だ

フェミニストは黙らない」

イ・ミンギョン著




以下、感想です。


(※誰かを攻撃したいとか、傷付けたいという意図で書いたものではありませんので、そこだけご承知おきください。)




2016年に起きた江南駅殺人事件(女性が女性であることで殺害されたフェミサイドと言われる)を契機として書かれた本です。


フェミニストが性差別について語る時、それまでは「丁寧な言葉で相手に説明し、無礼な質問にも答え、回答をジャッジされる立場に甘んじ、時には的外れな説教をされ、少しでも理解を示されれば相手に感謝し、褒める」という態度を取らざるを得なかったようです。

なんとも骨が折れるし、悔しい思いをしてきた女性が沢山いたのだろうなと察します。



本書は、"私たちにはことばが必要だ"としながらも、はじめに「あなたには答える義務がない」「話すのを決めるのはあなた」とハッキリ言い切っています。


ミソジニーを隠そうとしない人、もしくは自分の中のミソジニーに自覚がない人、気付いているのにとぼけて知らないふりをする人などに対して、こちらがわざわざ不毛な対話に付き合って、消耗する必要はないと言っています。

その上で、語るべき相手にはどう対応していったらいいかが書かれています。



読んでみて、フェミニストとして対話をする場面で拠り所となる問答集であるだけでなく、韓国の女性たちを取り巻く現状もうかがえて、フェミニズムを深めるのに良い本だと思いました。




韓国も日本も家父長制が強く、その実態はよく似ているんだなと感じた一方で、興味深かったのは韓国には徴兵制があるという違いです。


性差別についての話になると、「男だって大変なんだ、誰が軍隊に行って女たちを守っていると思ってるんだ、女は兵役の義務は果たさないくせに権利ばかり主張して勝手だ」と主張する男性たちがいるそうです。


日本には兵役が無いので、代わりに「男は仕事が大変なんだ」というのがよく見る光景でしょうか。


その男性の苦労をもって、女性差別が無いことにはならないのだ、と書かれていて、目からウロコでした。


家父長制については、自分の立場上、色々思うところがあって、それについても書きたいのですが、長くなるのでまた今度にします。




いわゆる自称・弱者男性たちは、女性専用車両が男性差別だとよく主張していますが、韓国では女性専用駐車場が男性差別(逆差別)だとやり玉に上がっているようです。


どこでも似たような現象が起きるんだなぁと、ややびっくり。




私は、誰かれかまわず捕まえて、「聞いてよ!女性差別は良くないよね!」と言うつもりは特に無く、自分が生きているこの世界にどういう現実があって、それをふまえて、どんな選択をしていくかを考える上で、フェミニズムはとても役に立つなと感じています。


リアルで性差別について対話するシーンって、私の場合はほとんど無いのですが(母とはたまに)、ふとした瞬間にミソジニーに直面させられることはしばしばあります。

大抵は、男女問わず相手に悪気がなかったり、相手に悪気があっても自分がそれに気付かなかったりして、なーんかモヤモヤすんだよなぁ...と感じているパターンでした。


しかし今は、だいぶ色々なことに気付くようになりました。

私のモヤモヤには名前があったのだね、という発見です。


セクシスト(性差別者)には毅然と対応できるように、知識を身に付けて、爪を研いでおかなくちゃな、なんて思いました。




韓国フェミニズムは興味深いので、また別の本も読んでみたいです。


興味ない方、長々とすみません。


お読みくださった方、ありがとうございました♪


あとで普通の日記を更新します〜!