私が子どもの頃に習ったピアノの先生は

とても優しい方だったから、

ギャーギャー怒られた記憶はない。


(逆に、なまじピアノをやっていた父親が

うちの場合はうるさく、これがトラウマだったが)


ハノンやチェルニーはやっていたし、

チェルニーは結構早いこと50番くらいまで

ちゃっちゃと進んだけれど、

いつしか嫌いになっていた練習曲は

意味もなく指を動かしていただけだから、

多分効果的な練習になっていた訳でもなく、

ましてや指が鍛えられていた訳でもなく、

ショパンのエチュードを弾かないといけない頃には、

すっかりテクニックに不安がある人になっていて、

それがずっと足を引っ張ってきた、、。


自分が一度弱いと思った事は、

なかなか克服出来なくなるものだ、、。


音大と言われるところに進むと、

ネチネチ嫌味を言う先生もおられるし、

(どうも今でもそういう方はいるようだが)

先生の言う事が絶対だ、と刷り込まれている

日本人のメンタルには、すっかり苦手意識が定着し、

自分の思い込みが強化されるから、

トラウマになってしまい、

抜け出せない蟻地獄にはまって、、、


そんなこんなで、苦手な事に蓋をしていたが、

指が出来ていても、一本調子な演奏で

非常につまらなく、感動もしない演奏も多く、

闇雲にハノンだけを練習していても、

意味がないどころか、かえって足枷になりかない。


身体や手が完成していない子どもやティーンズ達が

何に気をつけて、どんな風に練習すると、

自在に弾ける手を作れるのか勉強したくなり、

そういう事はどうやって身につけていくのか

非常に気になっていたところ、

以前にこんな本を買っていた事を思い出した。


「ピアニストの毎日の基礎練習帳」



桐朋音大からジュリアードで勉強された

岩崎淑先生の本。

今ではここに紹介されている、スケールと

アルペジオを解説してある本も別冊で

出版されてるみたい。



岩崎先生は、ジュリアードの修士課程に進む前、

ハートフォード大学の音楽学部でジェイコブ・

ラタイナ先生に師事されたそうだが、

最初のレッスンはピアノの座り方から入り、

その後の10ヶ月間はレッスンの課題曲を

もらえないまま、スケールとアルペジオ、

そしてレガート奏法を徹底的に叩き込まれたとか!

スゴイ体験。

(昨今は多分、そこまで時間を割いて、

徹底的に教えてくれる親切な先生はいないかも)


この本に興味深い指摘が。


私はいま、世界の各地の国際コンクールで審査員を務めていますが、さまざまな国の若いピアニストたちの演奏を聴いて感じるのは、日本人の演奏が音色の変化に乏しい、ということです。柔らかい音・硬い音、大きい音・

小さい音…音楽にはさまざまなニュアンスが必要なのに、すべてを同じかたち、同じタッチで弾いてしまうので、音色の変化に乏しく、モーツァルトもベートーヴェンもラヴェルも、どの作曲家を弾いてもみな同じに聞こえるという「特色」が、日本人の演奏にはあります。


そうそう!!!!

私もずっとそう思っている。

同じアメリカで学んだ方だからなのか?(笑)


昔に比べたら、留学して帰ってきた人が

多いはずだけれど、

殆どが日本で音大を卒業して、

出来上がってから海外へ行くし、

そもそも語学力が弱い状態で行くから、

半分くらいも理解出来てるかどうかだし、

2、3年の経験なんて、帰国した途端、

あっという間に戻ってしまう。

若い子どもの頃に叩き込まれた、

日本のスタイルに簡単に戻るのだ。

周りにもっと色んな国の人がいれば違うが、

悲しいかな、そこはまだまだ単一民族、

それも協調性を重んじる国、(多分、)

周りに合わせてしまうから、特にみんな

同じになってしまう気がする。

(日本のコンクールの演奏を聞けば感じると思う)


話が思いっきり逸れたのだけど、

そんなこんなで、テクニックについて

どんな風に身に付けるのがベストか、

自分を実験台にして、色々勉強してみようと思う。

そこで追加購入した本が2冊。

そのうちの1冊は、なんとイーストマンで学ばれ、

私の師匠と同門だった大西愛子さんの本!



この本は古本で手に入れた。

大西愛子さんのお話は師匠や、同門の方々から

色々聞いていたのだけれど、たまたま、

岩崎淑先生の本のレビューを読んでたら、

岩崎先生と大西先生のこの本が自分のバイブル、

それ以外は要らない、みたいな絶賛レビューを見て、

購入を決断。(笑)


青柳いづみこさんの本もタイトルに惹かれて

買ってしまったという、、(苦笑)


断捨離には程遠い、、笑い泣きが、良い勉強になりそう。

学んだらまたご報告します。