さてもわれらはこうして逃れ行くのだ
完全なる羊飼いの足並みのように
カンナ咲く絶望の淵より
あなたの前から白雲は去り
驚愕するべきカラスウリの夕べを追いかけ
ペルソナはナポリの港から
まだ辺境のアフリカの漁民へと、信じられるか
やさしいカモメたちの正確な耳をかいくぐり
はや、ヨーロッパの北端の複雑する入り江のあたり
気配するものはただならぬ冬の始まりのやつれた声であると
もしや、必要なら我が精神を黒船に乗せて
滞りなく、山峡を走りゆく
かの狼どもに託そうではないか
八代の城は煙を上げて燃えている
快楽の城はわが精神の標榜するニニギノミコトである
けだしスーパーリンクする宇宙の放射エネルギー
八月の肌の海のように波立つ我
すでにして、核融合する精神界のほまれ
すくなくとも真実は鋼の輝きをもって
空に散る。