2月8日の夕方、東京都市大学の小堀洋美先生が主宰する「市民科学研究会」という勉強会で、トコロジストの事業の取り組みについて事例紹介をしてきました。


この「市民科学」ということですが、最近のインターネットの発展で市民が情報を提供し、広域型の生きもの調査をおこなう取り組みが増えてきています。野鳥の会や自然保護協会などのNGOだけでなく、最近では行政でも盛んになってきました。


以前から「市民参加型調査」という呼び方がありますが、これはどちらかというと研究者が市民の情報を活用するというニュアンス。だから呼び掛け文も、研究者から市民に情報提供をお願いするという形になります。


これに対して、情報提供する市民にもメリットがあるような形をデザインすることで参加者主体の募集形態をとるのが市民科学ということらしいです。情報提供だけでなく、情報の生産活動そのものに深くかかわるということなのでしょうか?


こうした分野が、インターネット環境の普及によってアメリカで急速に伸びており、その専門書も出版されています。小堀先生の呼びかけで関心のある人が集まって、毎回ゲストを呼んで話を聞いているということでした。


まだ「市民科学」という考え方についてよく理解できていませんが、専門家と市民(素人)の境界をなくし、ともに科学や社会の在り方を考えていこうという動きはさまざまなところで始まっています。トコロジストは、こうした動きを市民の側から提案したものではないかと思います。


一方で、研究者の側から提案されたものが「市民科学」だとすると、とても興味深いとおもいました。自分自身のトコロジストに対する理解を深めるチャンスだし、もっと多くの人に伝えていくきっかけになるかもしれません。


今後、注目の分野です。