今朝は、出勤前に家の周りの鳥の調査をしていました。


ぼくの自宅は、丘陵地に建てられたマンション。周辺にはまだ緑地が残っています。


3年前にここへ越してきてから、幼い娘を連れて散歩したり、月に1回野鳥の調査をしたりという生活を楽しんでいます。


そして最近では、仲間と観察会も始めて、ますますこの場所とのつながりが深くなってきたことを実感しているところです。


3年間続けてきた調査の記録がだいぶたまってきたので、この正月休みにデータを地図に落として、季節ごとにどんな鳥がどんな場所にいたのかを表してみました。


まとめ方はとても単純。


1年を、1~3月、4~6月、7~9月、10~12月の四期に分けて、それぞれの時期について、過去3年間の記録を野鳥の種類ごとに地図上に落としただけです。


たったこれだけですが、結構面白い地図が出来上がりましたので紹介します。


まず、一枚目の地図。

これは、過去3年間のうち4~6月にウグイスのいた場所を地図に落としたものです。


トコロジスト生活


地図を見ただけではよくわからないかもしれませんが、ウグイスがいたのは、ササがひざ丈以上の高さまで茂った場所に限られていました。


一方で、人が立ち入る公園の中は、草刈が行き届いており、こうした場所では見られませんでした。


次は、冬鳥のジョウビタキとルリビタキです。


図の中の▲はルリビタキ、●はジョウビタキです。


トコロジスト生活

ジョウビタキがいたのは、広場と明るい林の境界のような場所で、暗い林や藪のような場所には見られませんでした。


その一方でルリビタキは、照葉樹の暗い林や放置された竹林で見られました。


見られる時期や姿もやや似ている鳥ですが、住んでいる環境は微妙に異なり、住み分けているようです。




最後に、スズメも面白い地図になったので紹介しておきます。

まず最初に、4~6月の様子ですが、広場と林の境目に数多く見られていることがわかります。


トコロジスト生活


しかし、7~9月になるとその数はガクッと減り、


トコロジスト生活


10~12月ではほとんど姿が見られなくなりました。そして、1~3月では記録がありません。


トコロジスト生活


おそらく、このあたりの丘陵地では、繁殖期にこの周辺で繁殖し、ヒナが巣立った後は、どこかへ移動して分散しているのでしょう。


最近「スズメが減った」という話をよく聞きますが、この様子からも一年の周期で見ているとスズメはかなり移動しているようです。


本当に減ったのかどうかを確かめるには、もっと広い範囲を一斉に調べるなど、かなり人手をかけて調べないと難しいかもしれません。


そんなに簡単なことじゃなさそうです。


今回まとめた方法は、統計処理をして解析したものではありませんから、論文として発表することはできないかもしれません。


でも、地図に落とすことは誰でも簡単にできますし、仲間と一緒にやれば楽しいです。そして、見る人に視覚的にわかりやすく伝える効果があります。


このような、生き物がいた場所を表した地図のことを「生き物地図」といいますが、市民が自分のデータをまとめるにはとてもよい方法です。


ぜひ、皆さんもやってみませんか?


(参考:「生きもの地図をつくろう」浜口哲一著 岩波ジュニア新書)