娘と久しぶりに家の前の公園でバドミントンをしていたら、頭上で5羽のヒヨドリがセンダンの木に群がっていた。
けたたましく鳴きながら、枝から枝へ移動している。
「狂喜する」という言葉がぴったりな騒がしさだ。
騒ぎ方が尋常でないものだから、バドミントンを中断してしばらくヒヨドリの様子を見ることにした。
見ていると、この他にさらに四方八方からこの木を目指してヒヨドリが集まってきていた。
ヒヨドリたちのお目当てはこれ。センダンの実。
これからの時期、ヒヨドリにとっては、家々の庭の柿はそろそろ食べ尽くされてしまい、冬の間命をつなぐ餌が次第に乏しくなってくるころだ。
そんな時期、たくさんの実をつけるのがこのセンダンの実。
この公園の中には大小数本のセンダンが生えているが、1昨年の台風直撃の時に、安全対策のため、この公園で一番大きかったセンダンの木を切り倒してしまった。
この木は、幹周り1mくらいあった大木で、毎年この時期ヒヨドリが鈴なりになっていた。
ヒヨドリにとっては貴重な冬場の貴重な食料を失ってしまったことになる。
そしてこれからの時期、センダンの実が食べ尽くされると、今度はトウネズミモチに群がることになり、トウネズミモチも食べ尽くされると、1月後半にはいよいよ餌がなくなり、厳しい時期に突入していくことになる。
「食べ物がなくなるとどうなるの?」
「弱い奴は死んじゃうかもね。寒い冬を乗り切るのってすごい大変なことなんだよ。」
「ふーん・・・。」
娘とこんなことを話しながら、バドミントンのラケットを放り出して、しばしヒヨドリたちの必死な様子に見とれていた。