最近の社長、
急激に身長が伸びるとともに
ついこの間まで一ミリも持ち上がらなかった
秘書を持ち上げたりおぶったり
馬乗りされたまま部屋を一周したり
するくらいには筋力もついてきた。
部屋にこもって一年余り
一日100歩も歩かない生活でも
男児は男子にちゃんとなっていくらしい。
そんな勝手に育ち盛りな彼、
起き抜けにブランチメニューの希望を
尋ねたらば
美味しいものが食べたいという。
社長の美味しいものとは
限りなくジャンクフードに近く
健康からほど遠い例のジャンルを指す。
ピザでも買ってこようか?
と試しに聞いたら
即、いいねぇー!と返ってきたので
炎天下トボトボピザを求めて外に出る。
社長、こうみえて
引き寄せ力が半端ない。
商店という商店が枯れ果てた住宅地に
なぜか個人経営なピザ屋がある。
店主のおいちゃんは謎の外国籍にして
メニューのラインナップが社長好みな
ところまで図ったようで怖い。
ジャパニーズピザ屋にはない
ペパロニとハラペーニョのピザを
一枚ずつゲットして秘書は帰る。
手袋を買いにの気分で
高い確率でお釣りの千円札が用意されてない
おいちゃんのピザをピッタリの小銭準備で
買いに行く秘書は
秘書としても
ピザ屋の顧客としても
十二分な働きをしていると
自負している。