小林ー早乙女先生(保健の女教師)

松崎ー須藤くん(牛乳瓶メガネ男子学生)

北島ー剣士A

鈴木ー剣士B

 

 

(小林、脚を組んでお色気を出しながら座っている)

 

松崎:ガラガラガラ。(ドアを開けるマネ)さ、早乙女先生。

小林:どうしたの?須藤くん。

松崎:(椅子に座る)き、今日は、早乙女先生に聞きたいことがあります。

小林:なーんでも聞いてちょうだい。耳元で答えをささやいてあげるわよ。

松崎:ばびゅーん!(気をつけの姿勢で垂直飛び)

小林:もう飛んじゃったの?

松崎:と、飛んじゃいました。耳元でとか言うから。

小林:若いっていいわね。で、聞きたいことって何?

松崎:あのー、き、き、き、き。

小林:大丈夫よ。落ち着いて。

松崎:キスってあるじゃないですか?

小林:キスはあるわよ。

松崎:ぼ、ぼ、僕に、き、キスを教えて下さい!

小林:あら。まあ須藤くんも、お年頃だからね。

松崎:なんかもう全然、勉強に集中できなくて。

小林:それはよくないわね。さあ、じゃあ、こっちに移動してちょうだい。

松崎:は、はい。あードキドキするなー。

 

(小林、松崎、椅子を持って舞台右側に移動)

 

小林:今から先生がキスの種類を説明するから、しっかりイメージしてね。

松崎:イメージ。イメージですね。は、はい。分かりました。

 

(北島、鈴木、刀を持って舞台左側に登場、客席に一礼)

 

小林:まずは挨拶的なキス。

松崎:挨拶的なキス。

小林:ソフトキスよ。

松崎:ソフトキス。

 

(小林、松崎、北島と鈴木を見る)

(北島、鈴木、向かい合い、刀を構える)

 

2人:キンッ!(互いの刀を軽く合わせて、お互いに礼)

 

小林:これがソフトキスよ。

松崎:軽く触れ合うのがソフトキス。

小林:そうよ。軽く触れ合うのがソフトキス。

松崎:す、すげー。今、僕、大人の階段登ってるよー。

小林:その階段、エレベーターにしてあげようか?

松崎:ばびゅーん!(気をつけの姿勢で垂直飛び)

小林:また飛んじゃったの?

松崎:早乙女先生が刺激的なこと言うから。

小林:このソフトキスを繰り返すことで気持ちを高めていくの。

 

(小林、松崎、北島と鈴木を見る)

(北島、鈴木、向かい合い、刀を構える)

 

2人:キン!キン!(徐々に速度上がり)キンキンキンキンッ!(ものすごい殺陣)

松崎:すごい!お互いがお互いを求め合ってる!

小林:こうなっていくわけ。

 

(北島、鈴木、つばぜり合い)

 

松崎:これは?

小林:これがディープキスよ。

松崎:つばとつばがあんなにもせり合って、絡み合ってる!

小林:須藤くん。キスは遊びでしちゃダメ。真剣勝負だからね。

松崎:キスは真剣勝負。

小林:じゃあ、最後にすごいの見せちゃうわよ。

松崎:す、すごいの?

 

(鈴木、刀を投げ捨てる、北島、鈴木に刀を振り下ろす)

鈴木:せい!(真剣白刃取り)

松崎:さ、早乙女先生!こ、これは?

小林:これが真剣白刃取りよ。

松崎:すげー!キスと関係なく、ただただ普通にすげー!

 

(北島、鈴木、客席に一礼して袖にハケる)

 

小林:どう?キスのこと、少しは分かったかしら?

松崎:さ、早乙女先生。ぼ、僕、もう我慢できない。

小林:ちょっと、須藤くん?

松崎:キスさせてけれー。

小林:須藤くん。

松崎:チュー。(ゆっくり小林に顔を近づける)

小林:せい!(松崎の顔を真剣白刃取りのように左右から挟み、投げる)

松崎:あー。(椅子から転げ落ちる)

小林:須藤くん。本当のキスは、また今度ね。

松崎:ばびゅーん!(倒れながらも飛ぼうとする)

 

(暗 転)