入院 | 牛川とこオフィシャルブログ「傘をたためば」Powered by Ameba

入院

 

入院が決まると、子どもに

(いつ、どうやって伝えよう・・・)と考えました。

低学年の子どもじゃ、きっと理解もあまり出来ないだろうし、

悲しませないようにしなきゃ、と思っていました。

 

 

入院の1週間前。

お風呂の中で、顔と顔を向き合い話しました。

私)お母さんね、入院するの。

子)え??

私)入院ってね、病院にお泊まりするの。

子)なんで?

私)手術をするの。

子)ママ、死んじゃうの?

私)ううん、死なないよ。大丈夫。

子)なんで手術するの?

私)悪いところが見つかったからだよ。

 

子どもは、急に涙ぐみ始めました。

 

子)入院したらママに会えないの?

私)うん。その間はね。でもみんないるから大丈夫。

子)イヤだ!ママにずっと会えないのイヤだ!

私)そうだよね、嫌だよね。お母さんも嫌だよ。お豆と一緒にいたい。

 

と言った瞬間、我慢していた涙がこぼれ落ちました。

母親と長い間はなれるなんて一度も経験のなかった娘にとって、

それはとても悲しく不安に思えたのでしょう。

 

私)ごめんね。手術頑張ってくるからお豆も頑張って。

子)・・・・・・・。

 

抱きついてきて、私の胸の中でしばらく泣いていましたが

私にはうまい言葉が見つかりませんでした。

 

 

でも子どもって素敵です。

起きるとケロッと元気に学校へ行きました。

そんな姿は有り難くたくましかった。

 

 

そして入院当日の朝。

私が玄関で靴を履きながら

「行ってくるね!!」と大きな声で叫んでもこちらに来ません。

お願いしていた義母が娘の名前を呼んでも来ません。

 

どうしたものかと、また家に入り覗いてみると、

クッションに顔をうずめていました。

泣いてるのを悟らまいと、ふざけたふりをして誤魔化していたんです。

 

そんな健気な姿を見たら、余計に切ない気持ちになったけれど、

もう行かなきゃと気持ちを振り絞り、手を振って病院へと向かいました。

 

 

 

 

 

手術を無事に終え、入院中は毎日のように来てくれましたが、

帰りはやっぱり寂しくて。

エレベーターの扉が閉まる瞬間や、ベランダから「また明日ね〜!!」と大声で叫び手を振って見送った後は、胸がキュンとしました。

娘が来るたびに手紙を書いて渡していたのですが、その手紙はいまだに

彼女の机の中にあります。(笑)とっておいてくれてるんだな〜・・・。

 

 

夫はこの事態を誰に言うことなく、ひとり不安な気持ちを抱え子どもを励ましながら、頑張ってくれていたと思います。


そんな素振りは一切見せずに。


振り返ってみると、家族ってありがたいありがたい存在です。

小さな運命共同体。





 

 

つづく