不妊治療 5 | 牛川とこオフィシャルブログ「傘をたためば」Powered by Ameba

不妊治療 5

この記事は子を授かるまでの、過去の経験を書き綴っています。


初めてご覧頂く方は、テーマ「遠回りの道」~「子を授かるために」にまとめました
こちら から読んで頂けたらと思います。






一回目の人工授精を行った後は静かに過ごしていましたから、
ダメだと結果がわかるとその反動はすぐに出ました。

ジムにすぐに通いつめ、友達と遊んだり飲んだりと、
大人しく過ごし溜め込んだこの二週間を発散するかのように、
慌しく過ごしました。


施術後から結果が出るまでの期間が「静」なら
結果後から次の施術までの期間は「動」、
そんな一ヶ月を過ごしていた記憶があります。


ですから、
結果がダメで落ち込みはするものの、
次の二週間までは何も気にすることなく動き回れる!
といった気持ちもありました。
更にその期間は、結果を待つという緊張感もないですから。
気分的には楽でした。

結果を待つ間というのは、ドラマによくあるシーンで好きな人に会う日までをカレンダーに×印つけてく感じ、、、

いや違いますね。

受験の合否発表を待つ感じ、、、

いや、これも違いますね。

期待をする自分と、落胆を待ち構えてる自分がごちゃ混ぜですから、

結構きついんですよね。


ですからこのきつさが無い分、気楽でした。







2回目。

まだこれから2回目だから。



自分に言い聞かせます。


人工授精を行う回数で、一般的な目安とされているのは6回ぐらい。
ということは、結果が出た方の大半は6回ぐらいで妊娠しているそう。
もちろん、1回目で結果が出る方もいれば、例えば10回以上続けて結果が出た方もいます。

実際に私の知っている方では、なんと20回目で出来たという方もいました。
驚異な結果だと思います。
聞いたときは、驚きと共に、彼女の諦めない「想い」の根強さを感じずにはいられませんでした。。



そういった一般例からいうと、6という数字が目安。
それまでに出来るかな、出来たらいいな、
いやいや出来るだろう、まだこれから2回目なのだから!


と、相変わらず気持ちは左右に揺れながら、2度目の人工授精をする日が来ました。
一度目の緊張感は嘘のよう。
流れもマスターしてましたから、言われるがままに一連の流れを行い
あっという間に終わりました。




2回目ということで、今度は注射をプラスすることになりました。
やっぱり痛いな、筋肉注射は・・・
と肩を触りながら、


「自然に出来にくい場合は人工授精した方が確立は高くなるんですよね?」
「やっぱりこの注射したほうが妊娠しやすいんですよね?」
と看護婦さんに問いました。

問う、というよりも、私からの一方的な確認を取っている感じでしょうか。
そうだと言ってもらいたい、ただそれだけだったんですね。

案の定、看護婦さんは
「そうですね」
と答えていました。

優しい看護婦さんなんて、子供に語りかけるような口調で、
「これでもっと妊娠しやすくなりますからね~」
と言いながら注射をうってくれました。
こんなたった一言でもその気になれるものです。
親に励まされる子供のような気持ちになって帰宅しました。







話が少しずれるのですが、、、
私の体は、基礎体温からもわかったように体温がとても低くて
グラフは勿論、基本例よりもだいぶ下回っていました。
ですが体を冷やさないように心がけるという術しかないので、
自分で出来る事だけを、出来る範囲で続けていました。


それと、周期が基本よりも少し長めという事に加え、
排卵日までの日数が長目ということもわかりました。

女性でしたらわかる方が多いかと思いますが、
周期が長いということは生理の回数も減っていくので、
年に巡ってくるチャンスも自ずと少なくなります。
排卵までの日数が長いということは、低温期が長く高温期が短い。
こんな事も妊娠を遠ざけている要因ではないかと、
治療が進むにつれ知らされていくことも増えました。

しかも排卵までの日数にバラつきがあるので、あらゆる日がつかみずらく、
計算しにくかったんです。


こういったひとつひとつの細かな事も、医師に聞いては
「そんなに気にする事はない」
といった安心の言葉をもらうようにしていました。



このように、周期や低温期が長めな私ではありますが、
2~3日のズレはあるもののだいたい決まった日数で定期的に生理は来ます。
これだけは自信に繋がっている救いの元でした。


ですが、規則正しく来ていた生理周期も少し乱れるようになります。
1週間近くも遅れて生理が来る、、、今まで無かったことです。

ここ数ヶ月で、へこんでは期待したり、悩んだと思ったら元気になったりと、
心がだいぶ乱れていたから、周期までもが乱れてしまったのかもしれません。

やっぱり心と体は繋がっているんですね。
確実に。






ただでさえ難ありなのだから、これじゃいけない
次はあまり期待しないでおこう
2回目で出来たらラッキーと思っておこう

そんな心構えで、また「静」の二週間を過ごすことにしました。




こうして過去を振り返り書き綴っていくと、あれこれ自分に言い聞かせることも
簡単に思えるんですけどね。
実際にあの時は、文章のように簡単に言い聞かせて過ごすなんて、上手く出来なかった。


何でも
○○でいよう!
ではなく、
○○でいなきゃ!○○と思わなきゃ!

という気持ちに段々と変化し、そう思わせる場面が多々あったので、
いつも
○○でいよう!
なんて、常にポジティブな人間にはなれませんでした。


だから文章で表現しているよりもうんと、
一日、一ヶ月の時の流れ、一回の挑戦が長く果てしない道に感じていたし、
簡単には言うことを聞けない自分が共存していたように思います。


治療と向き合うことより、自分の心と向き合うことが増えていき、
いつしか「治療との戦い」が「心との戦い」に変わっていきました。