去年の受験生Yくんに続いて……




「とことこ先生、R君が中学受験するって……」


「Rくん??ですか???」




夏休みが終わって少しした頃、

今年も中学受験をしたいという子がいると同僚さんから連絡があった。








Rくんも、Yくん同様ちっちゃな頃から関わってきたお子さん。

数年前にも、少しの期間だったけど学習支援に入っていたこともあり……








「Rくん自身は大丈夫ですか??

 今からならまあ……かなりがんばったらなんとかなるんじゃないかって思いますけど……」








ということで、

今年も受験対策学習支援を引き受けることにした。





(ただし、うちは塾ではないし、私も受験の専門家でもないので

あくまで、「学ぶってこんな楽しさがあるよ」っていうのを伝えるのが主だということをお母さんにはお伝えしましたニコニコ)










最初こそなんとなく……状態だったRくんもだんだん表情が変わってきて

これならなんとかついてきてくれるかなって思えるようになってきたある日





別の同僚さんから、

こちらも以前関わっていたAちゃんが中学受験するという話を聞いた。









「Aちゃん……どこを受けるんですか」


「E中学校、だって」


「…………E中ですか??」




うーんと考え込む私に、同僚さんもため息混じりに



「……とことこ先生も、“そう”思うよねえ」


「まあ……正直、賛成できるかって言われたら……ですねえ」










学習面でかなり支援の必要なAちゃんだけど、

いろんな要因からなかなか統一した方針を取ることができず

歯痒い思いをずっとしてたのも事実で


中学入学を機に、

保護者さんともう一度今後について話す必要があるのでは……と提案しようと思っていた矢先のことで。










「本人は、どう思ってるんですか?」


「行きたいっていう気持ちはあるんだけど……ねえ」


「…………そうですか」































そんな話をして、しばらく経って



先日、出願をしたらしいという話を聞いた。














今のような仕事を始めて……いろんなお子さんに出会った。



昔と違って、ほんの10年ほどで支援の体制も大きく変わっているのも知った。




だからこそ、以前に比べると、

スペシャルニーズを持つお子さんも、

配慮を必要とするお子さんも、進路の幅が広がってきているのは事実、だし、




だからこそ、本人が望むなら、

その夢に向かっていくお手伝いができたらいいなあって思ってはいるけど……













でも……

















その子が、そして保護者さんが望む「道」が

ほんとにその子にあっているのか……疑問を感じることがあるのも事実で……。










保守的な方に流れてはいけないとわかっていても

いい方向に向かわないのではって感じることがあって



でも遠回りしていい方向に向かった事例も知っていて

(逆のパターンも……知ってるけど)
















笑顔で「がんばれ」って言えない自分にちょっと嫌気を感じながら


それでもうまくいきますようにって願いたくもあって……











しばらく悩ましい時間を過ごすことになりそうだなって思う、そんな冬の日。