◆特徴◆
・バイオチェリーは、プラムとアメリカンチェリーの属間交配種で新品種
・葡萄のような外観でとてもおいしく、しかも豊産性で、栽培も容易
・皮は黒いですが、果肉はクリーム色、食味は甘味が強くジューシー
・自家結実性があり1本で実がなり、他のスモモの受粉樹としても最適
(「貴陽」の受粉樹に適している)
・耐寒性も強く、ほぼ日本全国で栽培が可能で、とても育てやすく、
家庭果樹栽培に適している
・完熟果はすさまじく甘いが日持ちが悪いので、本当にうまい果実を
味わうには家庭果樹でしか味わえない
◆日照◆日向
◆耐寒性◆とても強い(-25℃)
◆耐暑性◆とても強い
◆耐乾性◆強い
◆生育適温◆
◆草丈◆
・鉢植え:1~2m
・地植え:2~4m
◆性状◆耐乾性落葉樹 低木(自家結実性あり)
◆開花時期◆3~4月
◆結実次期◆8~9月
◆結実年数◆3~4年
◆果重◆20~30g
◆果実のサイズ◆
◆平均糖度◆16~19度
◆用土◆
・水はけの良い、肥沃な土を好む
・若干、弱酸性より
◆水やり◆
・鉢植え:春ごろから9月ごろまでは鉢土の表面が乾いたら鉢底から
流れ出るくらいたっぷりと与える
落葉時期の冬は水の与えすぎに注意する
冬は1週間以上鉢土が乾かないこともある
9月ごろからは鉢土の表面が乾いていても土中が湿っている場合、
鉢を持ち上げて重い時は水やりはしない
鉢土が乾いて鉢植えが軽く感じられるようになったら水やりする
・庭植え:水やりは必要ない
5月に入ってから植え付けた場合は、雨が降らない日が1週間以上
続く時は毎日水を与える
秋になり雨が降るようになったら、水やりは雨にまかせても大丈夫
◆肥料◆
・鉢植えでは3月に有機質肥料を与える
・開花後の5月ごろと、9月に与える
・地植えの場合は12月~2月ごろ寒肥として有機質肥料を与える
・収穫後と10月頃に速効性肥料を与えるが、枝葉がよく茂っているようで
あれば肥料は控える
◆剪定時期◆1月
・冬の間に花芽のついていない、太い枝など日当たりなどを見て間引くように行う
・日当たりが悪いと実付きが悪くなるので、勢い良く真上に伸びている太い枝
(立ち枝)はすべて切除し、
元気の良い枝は先端1/6ほどを切り、弱々しい枝は1/4くらいまで切り詰める
・主枝の方向を定めるために、木の内側を向いた芽を先端に残さず、外側の
自分の伸ばしたい方向の芽を先端に残して切り詰めるとよい
・アンズ同様に変則主幹形か、ナシと同様の棚仕立てが向いている
・2年目以降は側枝から伸びた15cmくらいの枝を夏に5cm残して切り、
それ以降も伸びたらまた5cm残して切ると短果枝が増える
・短果枝が増えすぎて込み合う場合は間引く
・数年で結果母枝が弱ってくるので3年くらいしたら新しい枝を誘引して
結果枝に更新させる
◆花芽のつき方◆
・夏に花芽をつけて翌春に開花する
・1つの花芽に房咲きするので無数に花が咲くが、幼果のうちに5~7割
くらいが生理落果する
・豊産だが摘果しないと果実が小さくなる
・前年の貯蔵用分不足だと開花直後に生理落果が多くなる
・開花後2~4週後に不受精落果(原因は花芽の不充実や天候不順、貯蔵用分不足)
が起き、その後10日くらい落果が続くが、原因は樹勢が強いから
・対策としては秋の遅くまで葉を青く維持して光合成をさせることと、
春の開花時の人工授粉と摘果
・摘果は果実が親指くらいになったら10~15cm間隔で1果に摘果するとよい
◆植え付け、植え替え時期◆12月~3月
・春:芽吹きは始まる春の植え付けでは根っこを崩さずにそっと植える
ポットや鉢から抜いた時に土がボロボロ落ちても構わない
植え付け3年以上経過した苗木の移植や鉢増しなどの植え替えは
なるべく冬に行う
どうしても移植を春に行う場合はできるだけ根を大きく掘り取り、
地上部をできるだけ小さく剪定をして掘り取って、なるべく根を乾かさない
ように早めに定植する
・夏:鉢から鉢へ、ポットから鉢への植え替えはいつでもできる
なるべくなら地植えは控えたいが、毎日水やりができるようであれば地植えする
地植え後は根が浅く土に馴染んでいないので毎日から2日に1度のペースで
秋に定期的に雨が降る季節が来るまで水やりを丁寧におこなう
地植えでも鉢植えでも根を崩さずに植え替えする
・秋:根がまだ活動をしている秋の植えつけは、乾燥に強く育つと言われている
秋の植え付けは春の植え付けと同様の要領で行う
しばらくで苗木の成長が止まるので、秋の植え付け時の肥料は与えても
与えなくてもどちらでも良い
・冬:12月~3月ごろが植え付け適期
土が凍るような寒冷地でなければ12月が最適
移植も生長が休眠する冬の季節がよい
寒冷地では冬の前に終わらせるか、春植えがおすすめ
鉢への植え付けは寒冷地でも可能、鉢土が凍結しない場所で育てる
ポットや鉢から抜いたら根を少し広げるように植えても大丈夫
根を乾燥させないように植える
・受粉樹と一緒に植える場合は、6~7m離して植える
・スモモは昆虫が花粉を運ぶため、20mぐらい離れていても問題ない
◆病気◆
・ほとんどなし
・まれに黒い斑点がでる黒斑病や胴枯病のほか、幼果が奇形になるフクロミ病
などがでる場合があるので、新芽が出る前の落葉時期に薬剤の散布をする
ことで予防になる
◆害虫◆
・新芽や実を食害するシンクイムシ類の発生や、アブラムシが発生
することがあるので、こまめに葉水を行ったり、対応する市販の薬剤を
散布・予防する
◆増やし方◆
・苗はすべて接木で李(すもも)台に接木する
◆育て方注意事項◆
・スモモはもともと生理落果が50%~70%と高いが、樹勢が元気でないと
更に落果率は高まったり、小果になる
・葉が光合成できるように冬はしっかり剪定を行い、内部にまで
よく日が当たるようにし、果実の収穫後の9月に礼肥を与えるとよい