2020 オリンピックイヤーの始まりですね。
東京に住むようになって、20年目を迎えました。
無我夢中で大海に飛び込むようにやってきた東京。
曲がりなりにも脚本家を名乗るようになって、さらには小説まで、20年前には全く考えもなかったようなことがあれこれ起きた歳月でした。
きっと、これから先の20年もびっくりするようなことがいっぱい起きそうで、わくわくしています。
その第一弾ともいえるのが、今月23日に発売開始となる拙作です。
「お江戸やすらぎ飯」角川文庫
江戸時代に実在した医学館を舞台に、身体を癒す料理作りをする娘の物語です。
私の作品としては、女性主人公は初になります。
主人公の佐保は、江戸の大火で両親とはぐれ、吉原で育ちました。
いずれは花魁になる運命……しかし、彼女には不思議な能力がありました。
人に足りないものがわかり、料理するという能力です。
やがて彼女は、医学館(江戸時代、漢方医学を教えていた学校)の預かりとなり、養生料理を極めていくことになります。
風邪、貧血、脚気、生理不順、更年期障害、肌荒れ……等々、身体の不調を訴える人たちを治す料理を作っていくのです。
薬やサプリに頼ることなく、自然で手軽な食材を使って健康づくりができればという思いから生まれた小説です。
私はこの小説を書くために、漢方養生指導士の資格を取りました。今も勉強中です。
ただ漢方の世界は奥が深く、友人である五彩薬膳代表の阿部ららさんに薬膳監修をお願いしました。
漢方薬膳というと、少し変わった食材を使うのでは?とかハードル高いと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、私が目指しているのは、普通にスーパーで買える食材を使った簡単な料理での養生、健康づくりです。
巻末には、小説で登場する料理のレシピも掲載しています。
おいしくて為になる小説を目指しました。
ご笑覧いただければ嬉しいです。
どうぞよろしくお願いいたします。
※カバーイラストは人気イラストレーターのあわいさんによるもの。
聡明な佐保のイメージをしっかり捉えてくださっています。ありがとうございます!