朝起きてホテルの部屋の窓のカーテンを開けると、前夜のテレビで見た天気予報通りの雨。
今回は行き帰りを含めて10日間。途中の何日か雨が降るのは折り込み済みだが、それでもこの2日と翌3日の雨だけは避けてほしいと願っていました。なのに、よりにもよってこの日に降るとは。
いくら私が嘆いたところで天気は私の計画などおかまいなしだ。しかたないと諦めてホテルを後にした。


この日は肥薩線を撮って、翌3日の撮影に備えて鹿児島県志布志市まで行く予定でした。そして時間に余裕があれば、くま川鉄道や日豊本線も撮れればという、今思い返してもかなり欲ばりな計画を立ててました。移動距離はともかく肥薩線のダイヤを考えたらかなり無謀な計画でした。

まずは車に給油して国道219号線を走ります。
肥薩線は起点の八代(ヤツシロ)駅から途中の人吉(ヒトヨシ)駅まで国道219号線とともに球磨川沿いを通り、通称「川線」と呼ばれてます。
そして改めて地図アプリを見てて気づいたんですが、八代駅を出た肥薩線は人吉駅の2つ手前の渡(ワタリ)駅直前までは、国道219号線とはほぼ球磨川を挟んだ対岸を通ってるんですよね。
肥薩線が球磨川を渡るとその直後に国道219号線が反対側へと渡る。川に沿って鉄道路線と並行する国道とのこうもみごとなケンカ別れ状態は珍しいかも。

国道が撮影場所となってるとこでは車を止めて様子見はするものの雨脚は弱まらず、とてもカメラのセッティングなどできない状況。
ただ車の発進、停車を繰り返すだけで昼を待たずに人吉市内へ。

このままじゃ雨のせいで何も写さないまま夕方になってしまう。それは嫌だが、それ以上にただ車に乗って運転してるだけという状況に嫌気がさしたので、ダメ元で肥薩線で一番有名な撮影地、大畑(オコバ)駅を俯瞰できる場所に向かうことにしました。


初めてそこを訪れたのは2012年1月。鉄道写真の撮影地情報のガイドブックに掲載された地図を頼りに車を走らせたんですが、その地図に記されてない新しい道路が旧来の羊腸たる道路を串刺しするように開通してたために、ただでさえわかりにくい場所がよけいにわかりにくくなったんですよね。
けっきょくその時は自力で到達できずに、大畑駅の清掃等を行ってるボランティアグループの会長さんが案内してくれたんですが、今回6年ぶりに訪れたら、また道を間違えてしまった。
なんとか撮影地に到着したものの雨はやまず、列車が来るまでに時間もあったので一度大畑駅へ。大畑駅には偶然にも撮り鉄さんがいたので少し話をして、再び撮影地へ。


小雨に加えて霧が出てたので見づらいですが、人吉駅から来た列車は写真中央下に続く登り勾配の線路を進んできて、写真右へと消えてその先にある大畑駅に到着。



そして大畑駅で進行方向が変わり、後進して右から出てきて今度は写真左へと消える。



そして再度進行方向を変えて本来の前進に戻り写真左から出てきて、そのまま写真中央上へと続く登り勾配の線路を進む。
ちょうどアルファベットの『Z』を書くように進むこの配線を、鉄道用語ではスイッチバックと言います。
この大畑駅はSL時代に人吉駅から急勾配を登ってきた蒸気機関車に給水するためだけに設置され、急勾配の途中の平坦地に停車場を作る必要があったためこのような構造になりました。そのために駅周辺に人家はありません。
スイッチバックには他のパターンもありますが、それを説明すると長くなるのでここでは割愛します。




左カーブしながら列車は登り勾配を進み、そのまま人吉駅方面から続く線路をオーバークロスして隣の矢岳(ヤタケ)駅へ向かいます。
そう、この大畑駅は日本で唯一の、ループ線の途中に存在するスイッチバック駅なんです。
なお、オーバークロス部分では人吉駅方面からの線路がトンネルの中を通ってるため、列車の車窓からは確認できません。

写ってる列車は13:22人吉駅始発、 13:44大畑駅発、普通列車いさぶろう3号吉松(ヨシマツ)駅行き。使用車両はキハ47系気動車。撮影時刻は13:45~13:47。
撮影場所は大畑駅を出てすぐの分岐を直進。自販機のある交差点を右折し、最初の四つ角を左折してすぐまた左折。その先に小さな廃工場があるので、その脇を通れば写真の風景が見える場所に出ます。廃工場までは車で入って行けます。
なおこの場所は私有地です。所有者の方がご厚意で鉄道ファンに開放してくれているので、ゴミ捨て等のマナー違反は厳禁です。
上述のように道がわかりにくいので、初めて行く人は時間に余裕を持った方がいいと思われます。


宮崎県えびの市へと続く国道に出るとまた雨が強くなり、もう完全にこの日の撮影は諦めました。
コンビニで100円コーヒー飲んだり、道の駅の売店を覗いて時間を潰し、都城市を経由して志布志市へ。
この日の晩飯は台湾料理『金都』。事前にネットで志布志駅周辺の夜遅くまで営業してる飲食店を検索したら、居酒屋以外でHitしたという理由で選択しました。雨さえ降らなきゃ到着が21時以降になる可能性もありましたからね。

かなりボリューミーながっつり系な店というクチコミのある店です。メニューを開くと写真付きでおなじみの中華料理の名前ばかり。
私にはどうも中華料理と台湾料理の違いがよくわかりません。
なのでお腹もかなり空いてたから、中華料理で私が一番好きなメニュー、酢豚定食を注文。その時に店の女の子からラーメンの種類を聞かれたから、とんこつラーメンを。
ん? ラーメン? がっつり系の店だから半ラーメンでも付いてくるのか? 少なくともこの時の私の腹具合なら、酢豚定食+半ラーメンは許容範囲。
暫く待ってやってきました、酢豚定食?!


なんととんこつラーメンがまんま1人前! 半ラーメンとちゃうやん。改めてメニューの写真を見ると、たしかにこのサイズのラーメンが写ってる!
先入観なんて持つんじゃなかった(汗)。
そしてラーメンの影に隠れてるのが鶏肉の唐揚げ。


大きさの比較でレンゲを置いたけど、割り箸か左の杏仁豆腐のスプーンを置いた方がわかりやすかったかなぁ。超巨大な鶏肉の唐揚げが2つです。
たぶん2つ合わせたら、餃子の王将の単品の鶏肉の唐揚げ1人前よりも、鶏肉の量が多いかもしれない。

今までいろんな店で、いろんな料理を食べたけど、初めて1人前の定食が食べきれないかもしれない、という恐怖を感じてしまった。

酢豚もとんこつラーメンも唐揚げも美味しい。どれかが不味けりゃ残そうって思ってたのに、どれも箸が止まりそうにない美味しさ。

酢豚の味は変な表現になりますが、私にとって一番安心できる味でした。酸味が強くないんですよ。たまに酢が自己主張し過ぎてる酢豚がありますからね。
そしてもう驚かないけど、酢豚の量も1人前にしては量が少し多い(汗)。

とんこつラーメンはアッサリではないけど脂っこくもない。たぶん単品で注文したら私には少し物足りないと感じたかもしれない。

そして鶏肉の唐揚げは、こんなに大きいのにしっかり中まで揚がってて、しかも柔らかい。鶏肉の唐揚げはさほど好きではなく、1人でならまず注文はしないんだが、ここのならまた食べたい。ただ、このサイズは大きすぎて食べにくい。台湾料理だけど、箸よりナイフとフォークが欲しいです(笑)。1つ食べるのに5口ぐらいかかりましたから。

これだけ食べて1,166円(税込)。酢豚定食+ラーメン+鶏肉の唐揚げと考えたら安いんですが、これ、普通は2人ぶんの分量ですよね(笑)。
コスパに優れてるけど、モノには限度があるやろ!
完食できたけど、ラーメンスープは2口飲んだだけ。それ以上飲んだら完食はムリでした。
同じ敷地にコンビニがあったから、食後に100円コーヒー飲んで胃の動きを活発にする必要に迫られましたよ。

さて、この『金都』があるのは志布志(シブシ)駅近くにある、国道220号線志布志支所前という丁字路。
そして志布志支所の正式名称と住所は次の通りです。

志布志市志布志町志布志2志布志市役所志布志支所

間違えずに読めます? そして間違えずに書けます?
志布志は地名マニアには、かなり有名で、この住所も同様に有名らしいです。なお住所はわざと地番を抜きました。