こんにちは。

副担任の中学生です。

今回は前回レポした桃花台新交通桃花台線(ピーチライナー)の廃線レポの後編をお伝えします。


上末駅はご覧のように駅の撤去中で、完全撤去は時間の問題だと前回の最後に書きました。今回はこの先に進みます。次の駅は桃花台西駅で上末駅からは1.8kmの距離があります。


16時20分 上末駅 出発


上末駅を出ると下の国道155号は一気に上り坂になって桃花台と呼ばれるエリアにアプローチしていきます。写真では分かりにくいですが、この先はかなりの坂道です。


坂をしばらく登って振り返ります。道の登りが急なのがわかるでしょうか。高架自体は、上末駅を過ぎてからは撤去などの作業をしているところはここまではありません。先程までの淡々とした高架橋が続きます。


坂を登りきって振り返ります。国道・高架橋の両方がかなりの坂道を登ったことが分かります。


上末駅から10分歩くと、高架橋は一気に北に進路をとり、国道155号から離れます。


夕日によってシルエットとなった高架橋。国道を離れ、次は県道453号の屋根になります。


この北への方向転換のすぐあとで、高架橋が途切れていました。この辺りはある程度まとまった距離の高架橋が撤去されています。まとまった距離と言ってもせいぜい200m程度ではあります。


桃花台側の高架橋の末端。下の白い囲いは工事中のエリアを囲むものです。


高架橋は下を走る県道453号をオーバークロスし、県道の東側に移動します。


ピーチバスの古雅4丁目のバス停がある辺りです。この辺りまで来ると、桃花台が近づき、割と新しい家が目立ちます。道路をまたぐところの高架橋の撤去は優先的に行われているようです。


高架橋が二股に分かれると、もうすぐ桃花台西駅。だんだんと日が暮れてきて、もうあまり時間の余裕がありません。


県道から階段で一段高いところに上って桃花台西駅に到着。写真から見ても分かるように、駅前はかなり寂れています。



駅舎自体はそっくり残ってますが、駅の看板だけはなくなっていました。ホームもそのままです。


16時40分 桃花台西駅 小牧起点5.5km

残すは2km程となり、ここからラストスパートをかけて桃花台センター駅を目指します。



桃花台西駅周辺は荒廃が進み、橋脚には緑が絡みつき、TOKADAIと書かれた看板もすっかり目立たなくなっています。桃花台ニュータウン自体、人口は減少の一途を辿っているため、ピーチライナーは完全に見捨てられた存在になっています。





桃花台線は西駅を過ぎるとすぐに進行方向を北東から南東に変え、桃花台ニュータウンの中心である桃花台センター駅を目指します。日はかなり傾いてきました。時間が無いです。3枚目の写真で高層マンションが見える辺りが桃花台センター駅です。


橋脚を近くで撮れる場所があったので記録しておきました。ここもツタが絡んで放置期間の長さが伺えます。




高架橋はどんどん高度を落とし、そのまま地下に潜り込んでいきます。高架が地平の高さまで降りてくると、もうまもなく桃花台センター駅です。



16時50分 桃花台センター駅 小牧起点6.5km

ようやく、ひとつのきりであった桃花台センター駅に到着です。小牧駅から約1時間半での到着は、まずまずだと思います。なんとか先行きが見えてきたので、ここでは少しだけゆっくりと探索することにしました。


桃花台センター駅の自転車置き場から小牧駅方面を見た景色です。線路上にもかなりの木や草が生え、軌道もかなり汚れています。


同じ方向を見て、望遠を引き、撮影した写真です。先程の写真で左下に大きく映り込んでいたのはこの枯れ木です。コンクリートの軌道に根付いた枯れ木からピーチライナーの末路を読み取れます。



こちらは2017年11月に撮影した桃花台センター駅から小牧駅方面を見た写真です。今よりも明らかに道床が綺麗です。木も生えていません。この6年で荒廃が進んでいることは見た通りです。



ある程度の探索が済んだので、いよいよ最後の区間である桃花台センター-桃花台東を歩くことにします。


桃花台センター駅の地下ホームから線路が上って来ます。


金網を避けながらの撮影なので少し映り込んでいますが、とにかく、この道床の荒廃ぶりには目を覆いたくなります。


コンクリートのシェッドがあるところは幾分綺麗に見えますが、それでも少し苔が生え、緑がかっているのが廃線であることを実感させます。


地域の子供たちが描いたと思しきイラストもすっかり汚れ、二度と注目されることのない絵たちはどこか寂しげでした。

地下から地上へと上ってきた線路は緩やかな勾配を維持したまま、再び高架へと上っていきます。


その上った高架は、中央自動車道が近づいてきた辺りで異変を見せます。




高架はスッパリ途切れ、僅かな距離を空けて復活しますが、それも2枚目の写真のように30m程度で途切れます。この後は、桃花台東駅の折り返しループまで高架が復活することはありませんでした。


このすぐあとには、桃花台東駅から分岐して車両基地に至る側線が県道を横断します。


現在は歩行者専用の歩道橋として整備されています。今回は時間の都合上この側線・車両基地まで辿ることはしなかったのですが、2017年探索時の写真が残っているので、そちらを公開します。






3枚とも2017年11月撮影。

6年前の前回探索時はまだ整備が仮で、緑のシートが被さっていました。現状どうなっているか分からないのですが、ある程度、歩道として整備されているものと思います。

2枚目の写真は桃花台線車両基地跡。車両基地、本社屋に関しては倒産後すぐに取り壊しが行われたとのことで、完全なる更地になっていました。現在は駐車場として利用されているそうです。


県道の南側にある歩道は桃花台線撤去工事のために通行止めになっており、歩道橋を通って反対側の歩道に迂回する必要がありました。その迂回中に撮影したのが上の写真。記憶の中にあった桃花台東駅舎はもうありませんでした。

中央道と交差するところは2017年時点で撤去されていましたが、この6年の間に駅舎までの取り壊しが完了していました。あとは用を失ったループだけが寂しく佇んで居ました。


これが2017年に撮影した桃花台東駅。ひとつ前の写真と見比べれば違いは一目瞭然。駅施設が綺麗さっぱりなくなっています。


駅舎解体のショックに打ちひしがれながら、迂回して、現在も残るループ橋に近づいていきます。


本当にループの部分だけが残されています。現地の工事看板によると工事期間は2023年の4月までとされていたので、4月までにはこのループに関しても撤去が完了する可能性が高いです。


別のアングルからも撮影。このループが無くなると桃花台の景色も一変することと思います。


これは2017年撮影のまだ駅舎がある当時の写真。この規模の建造物なら撤去に6年の歳月を要するのも頷けます。


さて、一応桃花台東駅に到着し、今回の探索はここまでとなります。この後、主は高蔵寺行きのバスで高蔵寺に抜け、中央本線に乗り継ぎ、帰宅となりました。


桃花台線探索の振り返りですが、全体的には、撤去作業はまだまだだなという印象を受けました。桃花台東駅付近ではかなり作業が進んでいますが、巷で15年かかると言われるのに納得できるほど撤去ができていないと感じました。荒廃が進んでいることから見ても、付近の住民方は一刻も早く撤去が進んでほしいと思っているに違いないと思います。廃線ファンとしては寂しい限りですが、管理等の事情もあるでしょうから早期の対処が必要だと思います。今回の7kmの歩きで改めて感じた次第です。


次回以降も、撮り鉄、廃線鉄、廃道など様々投稿していきますのでよろしくお願いします。良ければツイッターのフォローもよろしくお願いします。(ツイッターは検索で「副担任の中学生」で出てきます)

ご覧いただきありがとうございました。