あの日、あの時。
一人の男が勝った。
一人の男が負けた。
壮絶な熱戦の後に。
全ての勝敗がついたかのような、
そんな明暗であった。
一人はスターであり、
一人は噛ませ犬であった。
その数年後、それはどうなったのでろう。
一人はスターである、
一人は噛ませ犬である。
立場は逆転した。
未来なんて、計り知れない。
その時、生きている人が都合良く解釈した、
結果が未来=今でしかない。
では、あの二人は未来を見ていたか?
いや、今を必死に生きていただけだ。
あの熱戦は、今を生きていた証。
ただ、目の前の勝利を目指して、
ただ、今を必死に生きていた証なのだ。
大きな欲望を抱け、野望を持て、
目標を立てろ、計画をしろ。
そんなことはどうでも良い。
今を見ろ。
今を必死に生きろ。
未来なんて、どうでも良い。
いくらでも、都合良く変わる。
何よりも、崇高なのは「今」。
必死にならなくちゃいけないのは、「今」。
日本シリーズを見ながら。