一台の洗濯機 | 播磨の甲斐遊記

播磨の甲斐遊記

 播磨の山間部で甲斐犬とともに自然を満喫しています。家族と楽しく梨栽培など色々なことを無理なく負担なく行っています。こんな環境に感謝しつつ、これからの歩みを遊記として綴っていきたいと思います。

写真は無いけれど・・・


一昨日 洗濯を頼まれ

洗濯機のボタンを押して私は外出

帰宅後 洗濯機を覗いてみたら

なんじゃこりぁ~


槽内は水がなみなみ

凍結でもして排水できなかったのかな?

少々 いつものように確認

特段 異常なし


もう一回 スイッチオン

すると鈍いモーター音 だから

回転させることが出来ない


これまでも何度か不調のあった洗濯機

その都度 修理し動いてきた


この洗濯機 今から12年前

紅白の綱に飾られ トラックに揺られ

多くの品物と一緒にやってきた 

妻の嫁入り道具の一つ


今は亡き 母親が全て整え

持たせてくれた洗濯機

この12年間 私たちの衣服を毎日洗い

ベランダの隅で黙々と私たち家族を

支えてくれた


この12年間 様々に有りました

わが家で相撲合宿をしていた時は

力士たちの大きな服にパンツ

力強いパワーで働いた


子どもたちの都度の汚れ

私の農作業などで汚れた作業着

様々にお世話になりました

このお蔭で 私たちも心地良く 

また袖を通すことが出来たのです


しかしモーターもダメ

様々なお選びコースボタンも

連動するかのように壊れてエラー点滅


もう基盤も焼きを入れ直しても駄目だろう

モーターの載せ替え

単なる機械としてみれば

そこまでする価値はあるのだろうか?


お母さんとの品を思うと複雑であったが

「もう 駄目だわ」 厳しいよと

妻に話し 私は昨日の朝出勤した


そして帰宅し玄関先に

「日立洗濯機 保証書」が置いてある

もしかして?


妻に 「もしかして洗濯機買ったの」


うん 買ったよ~

お父さんが見に行こか言うてくれて

即決で買ったよ 良かったわ~

大きいし沢山入るし 静かで・・・


正直 コテン となった


ベランダに出てみると

ピカピカの洗濯機がある

ご機嫌だぜぇ~ である


口にはしなかったが

内心思ったことがある!


そうかいそうかい そう言うもんかい

人様 犬猫でも亡くなれば

通夜して葬式を出すんだぜぇ~


この洗濯機だって12年間

俺たちと一緒に過ごした仲じゃん

盆暮れにはキレイに磨いてやって

洗濯機の身体を洗い流していた私


俺には俺なりの付き合い

関わりってもんが あの洗濯機には

あるってもんだ!


壊れた蓋だって ガムテープを張って

治したり 排水ホースもエレガントに

水が流れるように上手に俺が

エスコートして排水溝へ導いた


去年の暮は特にキレイに

身体を洗ってやって 槽内も磨いて

今でもパッと見た目は新品同然


一晩二晩ぐらい 眺めてやって

良く頑張ったなぁ~ ありがとな~とか

言葉をかけてやって 撫でてやって

別れを惜しんでも良かったのに・・・・


たった一晩でお別れかい

ちと寂しく無いかい

だから昨夜は一人で酒を煽ったのよ

酔っぱらっちゃったよ


でも そう言うものよ!仕方ない

家事をするのは主に妻

洗濯機が回らねば

家が回らないと言うようなもの

一番 我が家で汚れ物を出すのは


迅速に対応して 買に行ってくれた

妻の決断と行動力には感謝です


12年間同じ場所に鎮座した洗濯機

今や新洗濯機に場所を譲った


家事をほとんどしない私が言うのも

何だが この入れ替えだけは

私の手でしたかったな~


お母さんが持たせてくれた

洗濯機の後継者

ああでもない こうでもない

妻と一緒に電気屋で選びたかったな~


本当に人様からみれば

変な所に拘るな~でしょうが

私は私なりに大切にしたいのです


今朝も早くからベランダでは

新洗濯機が衣類を洗い

何事も無かったかのような光景


まだ我が家の片隅に置いてある

壊れた洗濯機 有難うでは あるが 

寂しく思う気持ちが強い


近く無料引取り所に持ち込むが

せめて形見の一部として

何か使えそうな部品を外し

また何かの機械にとりつけ

活躍できる日を持たせてやりたいのです



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