土曜の午前中に予約をして、帰ってきたのは14時頃だった。
病院はとても混んでいるらしい。
帰りにどこかに寄ってきたのかとも思ったがそうではないようで、彼は疲れていた。
「ご飯食べる?」
「うん、少しもらう」
ご飯を食べながら、
病院について聞く。
「先生とは長く話したの?」
「いや、そんなに…」
「え、盗撮のことも話した?」
「まあ言ったけど」
「なんだって?」
「うーん、、なんか社会適応障害って言われた」
社会適応障害…
聞いたことがあるような、でもあまり詳しくは分からない。
「えーと、、それは鬱病とは違うもの?どうしたらいいの?」
「まあ強いストレスによるものだから、脳を休ませることと、落ち着くような薬を処方してもらった」
「薬……」
精神科で処方された薬は3種類、1ヶ月分とのことだった。
抗不安薬らしい。
「薬は合わなければ変えるし、飲んで様子を見てって」
そうなんだ、としか言えなかった。
多分私は精神科にもっとカウンセリング的なものを期待していた。
行動療法だとかカウンセリングだとかで、彼の思考から整えてほしいと思っていた。
だけど、薬での治療…
不安な気持ちを抑えたら、盗撮はしなくなるのか、
不安だとなぜ盗撮に繋がるのか、
反省したらやめられるものなのか、
これが最善な道なのか。
でも、少なくとも医者はこれで様子を見るという診断を下した訳で。
他に何ができる訳でもない。
様子を見る他ないと思ったのだ。
「疲れたから休むね」
ご飯を食べて、薬を飲んだら彼は2階に上がって寝るようだった。
休養が大事なのかな、
確かに仕事の負担で疲れているのだろうし。
でも、何か…
何かがモヤモヤしていた。
ちゃんと休めば、彼との日常は戻るのだろうか