盗撮...。


心が凍りつくのがわかりました。


「え...」


私はそれ以上の言葉が出ませんでした。




「A駅はいつも使う駅ですか」

警察に尋ねられ

「あ、はい、あの、最寄り駅なので」

答える声は震えていました。



「そこでね、ご主人が盗撮していたところを見ていたのがたまたま警察官でね、そのまま取り押さえようとしたんだけど、ご主人逃げようとしてね」



どれも衝撃的な言葉ばかりで、
言ってる内容は理解はできるものの、


何それ、
どういうこと、
なんで、
どうなるの
どうしよう

どうしよう、ドウシヨウ...


ただ私の胸の中は
そんな言葉が廻るばかりでした。


だから返す言葉も、馬鹿のように

「え...」

としか出てこなかった。




「まぁその時ちょっと揉み合いになって傷ついたようですが、大きなケガはありません」


逃げようとして揉み合いに...


何から何まで最低でした。



「で、ご主人がその時撮影に使っていたのはスマートフォンで、それはこちらで預かっていますが、家にあるパソコンも調べさせてもらいたいんです。ご主人が言うには家にノートパソコンが1台あるようなんですが、他にはご主人のノートパソコンだとかタブレットだとかはありませんか」


「あ、はい...」


「ではそのノートパソコンをもって今から警察署まで来ていただけますか」



今から...警察へ。



混乱した頭の中、

「はい」

としか私は言えませんでした。