20210904 浮世絵をうる・つくる・みる/千代田区立日比谷図書文化館 | 日々是徒然 さんぽ日記

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イベント参加した時とか、旅行行ったときとかの感想などをつぶやくブログです。

いつもの浮世絵の展示会とはちょっとだけ毛色が変わっていて、タイトルにあるように浮世絵を売る場所、作る過程を見れる展示会です。

 

特別展示室に入るとすぐに見えるのがこちら。

あっ、ちなみに今回の特別展は写真撮影が許可されております。

江戸時代に浮世絵を売っていた、絵草紙屋(現代の本屋)さんが再現されています。

手前の縁台で座りながら何を買うか、見定めていたのでしょうか…?

 

続いてのコーナーは浮世絵を作る過程を紹介するコーナーです。

こちらは展示パネルの一部を映したものですが、絵師(この絵は三代歌川豊国)が書いた原画(版下絵)を版元に渡し、絵柄の修正を指示した箇所があります。

(上記の場合、朱のけしを生ると書かれています)

通常、版下絵は板に裏返しにして張り付け、そのまま彫ってしまうため残らないのですが、修正があったからか板に張られることなく残り、貴重な資料として今見ることができます。

 

もう一つ、貴重な版下絵を。

歌川国芳の版下絵ですが、左側の版下絵の右上にはラッパを持った天使の上に薄紙がはってあり、作品名を記載するように変更した箇所も見れます。

(この絵の題材が仇討物だったため、天使では不釣り合いだったためという話を聞いたことがあります)

 

次は浮世絵をみるコーナーです。

役者絵、武者絵、美人画、風景画、たくさんの浮世絵が見れて、撮影までできてしまうこのコーナーです。

お気に入りは歌川国芳の鎌田又八。

化け猫退治のお話の一場面なのですが、猫がかわいいラブ

猫好きの歌川国芳が書く猫が大好きなんです。

猫の部分をアップキラキラ

よくよく見ると、毛並みが凹凸で表現されています。

 

そして、歌川広重の五十三次名所図会が前期と後期で公開されております。

今回は後期(2021年8月18日~)なので、三十七 赤坂から五十五 京 三條大はしまでが展示されております。

その上には東海道五十三次一覧のパネルが飾ってあります。

最後は浮世絵が鑑賞だけではなく、体操など、体や頭を使って遊ぶ浮世絵(おもちゃ絵)が展示されております。

掛け算が描かれている浮世絵、図鑑のような植物一覧などが展示してあります。

その中から1枚。

歌川芳幾の龍宮の日待。

海の生き物たちの特徴などをヒントをもとに読み解く浮世絵です。

たこの八人げい、メバルのがんりき、と書かれていて、魚の特徴をとらえて書かれています。

 

特別展示室を出たあとは、自分で版画を摺れます。

月ごとに絵柄は変わっているのですが、今回の絵柄はこちら。

1色ずつ摺っていくのですが、ちゃんと見当もあって、しっかりと見当に合わせたのですが、最後、かなりずれました…。

でも、これも楽しい経験になりました。

自分で“作る”ことができたのですから。

入館料300円で浮世絵を摺る体験ができて、貴重な資料も拝見することができます。

 

会期は2021年9月19日まで。