【問題33】

Aは、Bから土地建物を購入する契約(代金5,000万円、手付300万円、違約金1,000万円)を、Bと締結し、手付を支払ったが、その後資金計画に支障を来し、残代金を支払うことができなくなった。この場合、民法の規定及び判例によれば、次の記述のうち誤っているものはどれか。

 

1. 「Aのローンが某日までに成立しないとき、契約は解除される」旨の条項があり、ローンがその日までに成立しない場合は、Aが解除の意思表示をしなくても、契約は効力を失う。

 

答 正しい

 

2. Aは、Bが履行に着手する前であれば、中間金を支払っていても、手付を放棄して契約を解除し、中間金の返還を求めることができる。

 

答 正しい

手付が授受されている場合、手付について特に定めがない場合、民法上、解約手付と推定されることになっている。

手付解除の場合、中間金の返還は行われる。

 

 

3. Aの債務不履行を理由に契約が解除された場合、Aは、Bに対し違約金を支払わなければならないが、手付の返還を求めることはできる。

 

答 正しい

違約金は契約を履行しなかった場合のペナルティである。

したがって、債務不履行の場合、定められた違約金を支払う必要がある。

なお、支払った手付は、契約解除に伴う原状回復義務によって、返還は返還される。

 

4. Aの債務不履行を理由に契約が解除された場合、Aは、実際の損害額が違約金よりも少なく、予定賠償額がとくに過大であることを立証しても、違約金の減額を求めることはできない。

 

答 誤り

予定賠償額がとくに過大であることを立証した場合、違約金の減額を求めることができる。

 

 

 

 

 

【問題32】

AはBに甲建物を売却し、AからBに対する所有権移転登記がなされた。AB間の売買契約の解除と第三者との関係に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

 

1. BがBの債権者Cとの間で甲建物につき抵当権設定契約を締結し、その設定登記をした後、AがAB間の売買契約を適法に解除した場合、Aはその抵当権の消滅をCに主張できない。

 

答 正しい

解除の場合、とにかく、対抗要件(本問の場合は登記)を備えた者が勝つ。

債権者Cが債務者・所有者であるBと抵当権設定契約を締結し、その設定登記をしているのであるから、債権者Cが勝つ。

 

2. Bが甲建物をDに賃貸し引渡しも終えた後、AがAB間の売買契約を適法に解除した場合、Aはこの賃借権の消滅をDに主張できる。

 

答 誤り

解除の場合、とにかく、対抗要件(本問の場合は建物の引き渡し)を備えた者が勝つ。

Dが引渡しを受けているのであるから、Dが勝つ。

 

 

3. BがBの債権者Eとの間で甲建物につき抵当権設定契約を締結したが、その設定登記をする前に、AがAB間の売買契約を適法に解除し、その旨をEに通知した場合、BE間の抵当権設定契約は無効になり、Eの抵当権は消滅する。

 

答 誤り

解除の場合、とにかく、対抗要件を備えた者が勝つ。

したがって、本問の場合、AとBのいずれが早く登記を備えるかで勝敗が決まる。Aが必要な登記は、Bへの移転登記の抹消の登記であり、Eが必要な登記は、抵当権設定の登記である。

 

4. AがAB間の売買契約を適法に解除したが、AからBに対する甲建物の所有権移転登記を抹消する前に、Bが甲建物をFに賃貸し引渡しも終えた場合、Aは、適法な解除後に設定されたこの賃借権の消滅をFに主張できる。

 

答 誤り

解除の場合、とにかく、対抗要件を備えた者が勝つ。

Aが、Bへの所有権移転登記を抹消する前に、Fが甲建物の引き渡しを受けているのであるから、Fが勝つ。

 

 

 

 

 

 

 

【問題30】

Aが、B所有の建物を代金8,000万円で買い受け、即日3,000万円を支払った場合で、残金は3ヶ月後所有権移転登記及び引渡しと引換えに支払う旨の約定があるときに関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。

 

1. Aは履行期前でも、Bに残金を提供して建物の所有権移転登記及び引渡しを請求し、Bがこれに応じない場合、売買契約を解除することができる。

 

答 誤り

履行期限(確定期日)前なので、まだ売主Bは債務不履行に陥っていない。したがって、買主Aは売買契約を解除することはできない。

 

 

2. Bが、履行期に建物の所有権移転登記はしたが、引渡しをしない場合、特別の合意がない限り、Aは、少なくとも残金の半額2,500万円を支払わなければならない。

 

答 誤り

本問の売買契約では、売主Bの所有権移転及び引渡しの義務と、買主Aの残金支払義務との間に同時履行の関係がある。したがって、売主Bが、買主Aに対して、建物の所有権移転登記かつ引渡しをしない場合は、買主Aは代金を、一切、支払う必要がない。

 

 

3. Bが、Aの代金支払いの受領を拒否してはいないが、履行期になっても建物の所有権移転登記及び引渡しをしない場合、Aは、Bに催告するだけで売買契約を解除することができる。

 

答 誤り

本問の売買契約は、売主Bの所有権移転及び引渡しの義務と、買主Aの残金支払義務との間に同時履行の関係がある。

同時履行の関係にある契約を解除するには、まず、自分の債務について、履行の提供を行い、相手が有する同時履行の抗弁権を消滅させてから、催告を行う必要がある。

したがって、「買主Aは、売主Bに催告するだけで売買契約を解除することができる。」とする本問は誤りとなる。

 

 

 

4. Aが、履行期に残金を提供し、相当の期間を定めて建物の引渡しを請求したにもかかわらず、Bが建物の引渡しをしないので、AがCの建物を賃借せざるを得なかった場合、Aは、売買契約の解除のほかに、損害賠償をBに請求することができる。

 

答 正しい

本問の売買契約は、売主Bの所有権移転及び引渡しの義務と、買主Aの残金支払義務との間に同時履行の関係があるが、買主Aは履行期に残金を提供しているので、売主Bの有する同時履行の抗弁権は消滅している。

そして、買主Aは、売主Bに対して、相当の期間を定めて建物の引渡しを請求したにもかかわらず、売主Bが建物の引渡しをしないので、買主Aは、売主Bとの売買契約を解除することができる。

なお、契約解除は損害賠償請求を妨げないため、買主Aは売主Bに対して、契約解除に伴う損害賠償を請求することができる。

 

 

 

 

 

 

 

【問題29】

債務不履行に基づく損害賠償請求権に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

 

1. AがBと契約を締結する前に、信義則上の説明義務に違反して契約締結の判断に重要な影響を与える情報をBに提供しなかった場合、Bが契約を締結したことにより被った損害につき、Aは、不法行為による賠償責任を負うことはあっても、債務不履行による賠償責任を負うことはない。

 

答 正しい

債務不履行は契約で生じた債務を履行しなかった場合に生じる責任である。「契約締結の判断に重要な影響を与える情報をBに提供しなかった」のは契約を締結する前における事情であるので、Aは債務不履行責任を負うことはない。「契約締結の判断に重要な影響を与える情報をBに提供しなかった」ことによる責任は、債務不履行責任ではなく、不法行為に基づく責任に該当する。

 

2. AB間の利息付金銭消費貸借契約において、利率に関する定めがない場合、借主Bが債務不履行に陥ったことによりAがBに対して請求することができる遅延損害金は、年3パーセントの利率による。

 

答 正しい

金銭消費貸借契約について利息、利率については以下になる。

利息の定めがない場合・・・無利息の契約となる(民法の原則は無利息)

利息の定めがあるが利率の定めがない場合・・・法定利息3%の契約となる

利息の定めがあり利率の定めがある場合・・・定められた利息での契約となる

 

本肢は、利息の定めはあるが利率の定めがない場合に該当するので、法定利率3%の契約となる。

 

 

 

3. AB間でB所有の甲不動産の売買契約を締結した後、Bが甲不動産をCに二重譲渡してCが登記を具備した場合、AはBに対して債務不履行に基づく損害賠償請求をすることができる。

 

答 正しい

AB間でB所有の甲不動産の売買契約を締結したにもかかわらず、Bは他者に登記を移転し、Aに対して甲不動産を引き渡さなかったのであるから、Bは債務不履行でかつ帰責事由がある。したがって、AはBに対して債務不履行に基づく損害賠償請求をすることができる。

 

 

4. AB間の金銭消費貸借契約において、借主Bは当該契約に基づく金銭の返済をCからBに支払われる売掛金で予定していたが、その入金がなかった(Bの責めに帰すべき事由はない)ため、返済期限が経過してしまった場合、Bは債務不履行には陥らず、Aに対して遅延損害金の支払義務を負わない。

 

答 誤り

金銭債務について、返済期限が経過してしまった場合、必ず、帰責事由のある債務不履行になる。「借主Bは当該契約に基づく金銭の返済をCからBに支払われる売掛金で予定していたが、その入金がなかった(Bの責めに帰すべき事由はない)」としても、それは支払遅延の理由にはならず、帰責事由が存することになる。したがって、Bは債務不履行に基づく遅延損害金の支払義務を負う。

 

 

 

 

 

【問題28】

売主Aは、買主Bとの間で甲土地の売買契約を締結し、代金の3分の2の支払と引換えに所有権移転登記手続と引渡しを行った。その後、Bが残代金を支払わないので、Aは適法に甲土地の売買契約を解除した。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

 

1. Aの解除前に、BがCに甲土地を売却し、BからCに対する所有権移転登記がなされているときは、BのAに対する代金債務につき不履行であることを知っていた場合においても、Aは解除に基づく甲土地の所有権をCに対して主張することはできない。

 

答 正しい

解除が行われている場合、とにかく登記を備えている者が勝つ。

 

 

2. Bは、甲土地を現状有姿の状態でAに返還し、かつ、移転登記を抹消すれば、引渡しを受けていた間に甲土地を貸駐車場として収益を上げていたときでも、Aに対してその収益を償還すべき義務はない。

 

答 誤り

Bは引き渡しを受けていた間の収益もAに償還しなければならない。

 

 

 

3. Bは、自らの債務不履行で解除されたので、Bの原状回復義務を先に履行しなければならず、Aの受領済み代金返還義務との同時履行の抗弁権を主張することはできない。

 

答 誤り

債務不履行によって解除された場合、双方の原状回復義務は同時履行の関係になる。

 

4. Aは、Bが契約解除後遅滞なく原状回復義務を履行すれば、契約締結時後原状回復義務履行時までの間に甲土地の価格が下落して損害を被った場合でも、Bに対して損害賠償を請求することはできない。

 

答 誤り

解除した場合でも損害が発生しているときは損害賠償することができる。

Aは、Bに対して土地価格の下落について損害賠償請求することができる。

 

 

 

 

 

 

 

 

【問題27】

同時履行の抗弁権に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはいくつあるか。

 

1. マンションの賃貸借契約終了に伴う賃貸人の敷金返還債務と、賃借人の明渡債務は、特別の約定のない限り、同時履行の関係に立つ。

答 誤り

賃借人は、物件を引き渡した後に、敷金の返還を請求することができる。

所有者は、物件を引き渡しを受けた後に、修理が必要か否か等を調べて敷金の精算ができる。

 

2. マンションの売買契約がマンションの引渡し後に債務不履行を理由に解除された場合、契約は遡及的に消滅するため、売主の代金返還債務と買主の目的物返還債務は、同時履行の関係に立たない。

 

答 誤り

債務不履行によって契約が解除された場合、双方に原状回復義務が生じるので、売主は受け取った代金を買主に返還しなければならず、買主は引き渡しを受けた物件を引き渡しなければならない。そして、両者の義務は同時履行の関係に立つ。

 

 

3. マンションの売買契約に基づく買主の売買代金支払債務と、売主の所有権移転登記に協力する債務は特別の事情のない限り、同時履行の関係に立つ。

 

答 正しい

売買契約は双務契約であり、各当事者の債務履行は同時履行の関係に立つ。したがって、買主の売買代金支払債務と、売主の所有権移転登記に協力する債務は、同時履行の関係に立つ。

 

 

 

【問題26】

共に宅地建物取引業者であるAB間でA所有の土地について、令和2年9月1日に売買代金3,000万円(うち、手付金200万円は同年9月1日に、残代金は同年10月31日に支払う)とする売買契約を締結した場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

 

1. 本件売買契約に利害関係を有しないCは、同年10月31日を経過すれば、Bの意思に反しても残代金をAに対して支払うことができる。

 

答 誤り

債務の弁済は第三者でもすることができる。ただし、利害関係のない第三者は債務者の意思に反して弁済することはできない。したがって、本件売買契約について利害関係を有しないCは、債務者Bの意思に反してBの債務を債権者に弁済することはできない。利害関係のない第三者と債務者のどちらを保護すべきかという観点からすれば、債務者を保護すべきである。そもそも債務者本人の契約であるし、もし、利害関係のない第三者が債務者の意思に反する弁済を許容すると、今度はその者が債務者の債権者となるからである。

 

 

2. 同年10月31日までにAが履行に着手した場合には、手付が解約手付の性格を有していても、Bが履行に着手したかどうかにかかわらず、Aは、売買契約を解除できなくなる。

 

答 誤り

解約手付の場合、相手が履行に着手するまで、手付解除することができる。したがって、AはBが契約の履行に着手するまで手付解除できる。手付解除できるかどうかについて、自分が履行に着手しているかどうかは問わない。

 

 

 

3. Bの債務不履行によりAが売買契約を解除する場合、手付金相当額を損害賠償の予定とする旨を売買契約で定めていた場合には、特約がない限り、Aの損害が200万円を超えていても、Aは手付金相当額以上に損害賠償請求はできない。

 

答 正しい

損害賠償の予定額を定めていた場合、原則として、実際の損害額がそれより多くても少なくても予定額において決着がなされる。

 

 

 

4. Aが残代金の受領を拒絶することを明確にしている場合であっても、Bは同年10月31日には、2,800万円をAに対して現実に提供しなければ、Bも履行遅滞の責任を負わなければならない。

 

答 誤り

債権者が受領拒絶している場合、債務者が履行遅滞の責任を回避するには、現実の提供までする必要はなく、口頭の提供で足りる。

 

 

 

 

 

 

【問題24】

Aが、Bの代理人として、Cとの間でB所有の土地の売買契約を締結した場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

 

1. AがBから土地売買の代理権を与えられていた場合で、所有権移転登記の申請についてCの同意があったとき、Aは、B及びC双方の代理人として登記の申請をすることができる。

 

答 正しい

双方代理であるが、本肢の場合は有効である。

双方代理は原則として無権代理であり、本人に効果を及ぶことはないが、次の場合には双方代理が許される。

①本人の許諾がある場合

②債務の履行

本人から売買の代理を委任されている場合、その債務の履行として登記をすることは②に該当する。

したがって、AはB、Cの双方を代理して登記手続きをすることができる。

 

 

2. AがBから抵当権設定の代理権が与えられ、土地の登記済証、実印、印鑑証明書の交付を受けていた場合で、CがBC間の売買契約についてAに代理権ありと過失なく信じたとき、CはBに対して土地の引渡しを求めることができる。

 

答 正しい

代理人が権限の範囲を超えて代理行為を行った場合、相手が代理権を超えていることについて善意無過失の場合は、本人が責任を負う。

本人と善意無過失の者をどちらを保護すべきかという観点で考えると、本人は代理人に一定の代理権を与えていること、その代理人が代理権の範囲を超えて代理行為を行ったこと、善意無過失の者には責任はないこと等を考慮すれば、善意無過失の者を保護すべきということになる。

 

 

3. Aが、Bから土地売買の代理権を与えられ、CをだましてBC間の売買契約を締結した場合は、Bが詐欺の事実を知っていたと否かとにかかわらず、Cは、Bに対して売買契約を取り消すことができる。

 

答 正しい

詐欺による意思表示は取り消すことができる。ただし、その取消しは善意無過失の第三者に対抗できない。

代理人は相手に対して詐欺を行い契約を締結させている。よって、相手は詐欺によって締結した契約を取り消すことができる。そして、その取消しの効果は本人に及ぶ。代理人に生じたことは本人にも及ぶからである。なお、この場合、本人は第三者には該当しないので、本人の善意、悪意は問わない。

 

 

 

4. Aが、Bから土地売買の委任状を受領した後、破産手続開始の決定を受けたのに、Cに当該委任状を示して売買契約を締結した場合、Cは、Aが破産手続開始の決定を受けたことを知っていたときでも、Bに対して土地の引渡しを求めることができる。

 

答 誤り

代理人が破産手続開始の決定を受けたときは代理権は消滅する。ただし、代理権が消滅した場合でも相手が、代理権が消滅したことについて善意無過失の場合、表見代理が成立し、有効な代理行為があったものとされる。しかし、本肢の場合、相手Cが、代理人の代理権が消滅したことを知っているので、表見代理は成立しない。したがって、CとBとの間に売買契約は成立しない。よって、CはBに対して土地の引き渡しを求めることはできない。

※本肢の場合、Aの行為は単なる無権代理となる。そして相手Cはその無権代理であることを知っている(悪意)ので、CはAに対して、契約の履行又は損害賠償を請求することもできないし、本人が追認するまでにおいても取り消すことはできない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【問題23】

Aは、Bの代理人として、Bの所有地をCに売却した。この場合、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

 

1. Aが未成年者であって、法定代理人の同意を得ないで売買契約を締結した場合、Bは、Aに代理権を与えていても、その売買契約を取り消すことができる。

 

答 誤り

解説

未成年者が代理人に就任した場合、単独で有効に法律行為を行うことができる(確定的に有効になる)。したがって、代理人である未成年者が行った代理行為について、法定代理人の同意を得ていないとして、代理を依頼した本人や未成年者本人や法定代理人が取り消すことができるということは一切ない。

 

2. BがAに抵当権設定の代理権しか与えていなかったにもかかわらず、Aが売買契約を締結した場合、Bは、Cが善意無過失であっても、その売買契約を取り消すことができる。

 

答 誤り

解説

無権代理人の相手Cが善意無過失であるので表見代理が成立する。したがって、本人が代理人が行った代理行為を取り消すことはできない。

 

 

3. Aに代理権がないにもかかわらず、AがBの代理人と偽って売買契約を締結した場合、Bの追認により契約は有効になるが、その追認はCに対して直接行うことを要し、Aに対して行ったときは、Cがその事実を知ったとしても、契約の効力は生じない。

 

答 誤り

解説

本人が無権代理人に対して追認の意思表示を行った場合でも、相手がその事実を知ったときは追認は有効となる。

 

 

 

4. Aが代理権を与えられた後売買契約締結前に破産すると、Aの代理権は消滅するが、Aの代理権が消滅しても、Cが善意無過失であれば、その売買契約は有効である。

 

答 正しい

解説

代理人が破産すると代理権は消滅するが、相手が善意無過失の場合、表見代理が成立する。したがって、BとCとの間に有効に契約が成立する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【問題22】

AはBの代理人として、B所有の甲土地をCに売り渡す売買契約をCと締結した。しかし、Aは甲土地を売り渡す代理権は有してはいなかった。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

 

1. BがCに対し、Aは甲土地の売却に関する代理人であると表示していた場合、Aに甲土地を売り渡す具体的な代理権はないことをCが過失により知らなかったときは、BC間の本件売買契約は有効となる。

 

答 誤り

解説

表見代理によって保護されるための要件は、善意無過失である。Cは善意有過失であるため保護されない。

 

2. BがAに対し、甲土地に抵当権を設定する代理権を与えているが、Aの売買契約締結行為は権限外の行為となる場合、甲土地を売り渡す具体的な代理権がAにあるとCが信ずべき正当な理由があるときは、BC間の本件売買契約は有効となる。

 

答 正しい

解説

表見代理が成立する。よって、Cは保護されBC間において法的効果が生じる。

 

3. Bが本件売買契約を追認しない間は、Cはこの契約を取り消すことができる。ただし、Cが契約の時において、Aに甲土地を売り渡す具体的な代理権がないことを知っていた場合は取り消せない。

 

答 正しい

解説

無権代理人の相手は、善意であれば(善意有過失を含む)、本人が追認するまでは契約の意思表示を取り消すことができる。

 

 

 

4. Bが本件売買契約を追認しない場合、Aは、Cの選択に従い、Cに対して契約履行又は損害賠償の責任を負う。ただし、Cが契約の時において、Aに甲土地を売り渡す具体的な代理権はないことを知っていた場合は責任を負わない。

 

答 正しい

解説

本人が追認しない場合、無権代理人は相手の選択に従い、契約の履行又は損害賠償の責任を負うが、相手が悪意又は善意有過失の場合は、責任を負わない。逆に言えば、相手は善意無過失の場合だけ、無権代理人に対して、契約の履行又は損害賠償を請求することができる。