【問題24】
Aが、Bの代理人として、Cとの間でB所有の土地の売買契約を締結した場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
1. AがBから土地売買の代理権を与えられていた場合で、所有権移転登記の申請についてCの同意があったとき、Aは、B及びC双方の代理人として登記の申請をすることができる。
答 正しい
双方代理であるが、本肢の場合は有効である。
双方代理は原則として無権代理であり、本人に効果を及ぶことはないが、次の場合には双方代理が許される。
①本人の許諾がある場合
②債務の履行
本人から売買の代理を委任されている場合、その債務の履行として登記をすることは②に該当する。
したがって、AはB、Cの双方を代理して登記手続きをすることができる。
2. AがBから抵当権設定の代理権が与えられ、土地の登記済証、実印、印鑑証明書の交付を受けていた場合で、CがBC間の売買契約についてAに代理権ありと過失なく信じたとき、CはBに対して土地の引渡しを求めることができる。
答 正しい
代理人が権限の範囲を超えて代理行為を行った場合、相手が代理権を超えていることについて善意無過失の場合は、本人が責任を負う。
本人と善意無過失の者をどちらを保護すべきかという観点で考えると、本人は代理人に一定の代理権を与えていること、その代理人が代理権の範囲を超えて代理行為を行ったこと、善意無過失の者には責任はないこと等を考慮すれば、善意無過失の者を保護すべきということになる。
3. Aが、Bから土地売買の代理権を与えられ、CをだましてBC間の売買契約を締結した場合は、Bが詐欺の事実を知っていたと否かとにかかわらず、Cは、Bに対して売買契約を取り消すことができる。
答 正しい
詐欺による意思表示は取り消すことができる。ただし、その取消しは善意無過失の第三者に対抗できない。
代理人は相手に対して詐欺を行い契約を締結させている。よって、相手は詐欺によって締結した契約を取り消すことができる。そして、その取消しの効果は本人に及ぶ。代理人に生じたことは本人にも及ぶからである。なお、この場合、本人は第三者には該当しないので、本人の善意、悪意は問わない。
4. Aが、Bから土地売買の委任状を受領した後、破産手続開始の決定を受けたのに、Cに当該委任状を示して売買契約を締結した場合、Cは、Aが破産手続開始の決定を受けたことを知っていたときでも、Bに対して土地の引渡しを求めることができる。
答 誤り
代理人が破産手続開始の決定を受けたときは代理権は消滅する。ただし、代理権が消滅した場合でも相手が、代理権が消滅したことについて善意無過失の場合、表見代理が成立し、有効な代理行為があったものとされる。しかし、本肢の場合、相手Cが、代理人の代理権が消滅したことを知っているので、表見代理は成立しない。したがって、CとBとの間に売買契約は成立しない。よって、CはBに対して土地の引き渡しを求めることはできない。
※本肢の場合、Aの行為は単なる無権代理となる。そして相手Cはその無権代理であることを知っている(悪意)ので、CはAに対して、契約の履行又は損害賠償を請求することもできないし、本人が追認するまでにおいても取り消すことはできない。