今回は盲導犬のお話と、パピーウォーカーのボランティアについて紹介します。

パピーウォーカーとは、盲導犬候補の子犬を生後2ヶ月から1歳まで、約10ヶ月間育てるボランティアの事です。時々テレビ等でも紹介されていますね。
今回は実際にパピーウォーカーをされている方からお話を聞く事ができました。

⏬日本盲導犬協会運営が運営する盲導犬総合センター「盲導犬の里 富士ハーネス」
(余談ですがオウム真理教の総本部の跡地に建ってます)


お話を聞かせてくれたサザンさんは、元学校の先生で定年退職後、ご主人と2人でパピーウォーカーをされています。

始めようと思ったきっかけは、20年ほど前にNHKで放送されたドラマ「盲導犬クイールの一生」を見た事でした。
また共働きで忙しくペットを飼うのが無理だった事もあり、退職したらパピーウォーカーをしようと決めておられたそうです。

実際にやってみて良かったのは、1番はやはりやり甲斐を感じられることです。
今まで教師として人の成長を見られるのが生き甲斐でしたが、退職してそれがなくなり、子供も独立し孫もいないため、
パピー(候補犬)を育てて成長を見られるとやり甲斐を感じられます。犬は1ヶ月で4歳ほど成長するので成長が早く、より変化を実感できます。

ご主人も定年退職して趣味などもないため、普通なら引きこもり状態になるところですが、パピーウォーカーをする事で解消できています。

またしつけなどの講習会(パピークラスと言います)で様々な人と知り合え交流が広がります。
訓練を兼ねてあちこち行ったりもするので思い出もたくさん出来ます。

⬇️サザンさんが現在育ててるLちゃん(仮名)


一方で大変なこともたくさんあります。
まずトイレの訓練です。
盲導犬は道に排泄しないよう訓練する必要があり、自宅の庭やベランダなどの水が流せる所定の場所で排泄するようトレーニングします。
1番最初に教えることですが、覚えるまで早くても2週間ほどかかります。

またトイレの場所を覚えるとそこでしたがるようになるため、下痢気味の子などはトイレに毎晩6、7回起こされ寝不足になる事もありました。

他に、散歩中は匂い取り(道端の物の匂いを嗅ぐ行為)や拾い食い、急に止まる、走り出す、鳥などの小動物やゴミなどを追いかけないよう訓練します。

食べ物は、適切な成長、体型維持のため決まったフード以外禁止で、人間の食べ物を与えるのもご法度です。
健康上よくありませんし、盲導犬になり飲食店などに行った時に食べ物に手を付けないようするためです。

他に机の上の物を荒さない、無駄吠えしない、物を噛まない等もしつけます。
ただ吠えるのに関しては、吠えない血統の子を選んで繁殖させているためか元々あまり吠えない子が多いようです。
噛むのに関しては噛んでいいおもちゃを代わりに与えます。

1番大変で辛いのはお別れの時ですね。
10ヶ月間育てると絆ができるので、分かっていてもお別れは辛いです。

一般の人たちに伝えたい事ですが、
盲導犬なんて人間の仕事を押し付けて可哀想だといった声がありますが、
盲導犬になっている子達は仕事が好きで、仕事に誇りを持ってしています。

盲導犬に採用されているラブラドールやゴールデンレトリーバーはもともと狩猟犬で、
人間と共に仕事をするワーキングドッグとして改良、飼育されてきた歴史があります。

なので頭が良くエネルギッシュで労働意欲が高くて、作業をしたり課題をこなすのが好きな子が多く、
何もさせないとむしろストレスが溜まり問題行動を起こす事さえある犬種です。

またもともと人懐っこい犬種でほとんど人見知りせず、
子犬のうちから愛情をたっぷり込めて育てられるため人間を信用しており、
人の役に立ったり人と共に行動するのが好きな子も。

「盲導犬に向いている子=盲導犬の仕事が好きな子」で、
仕事が嫌いな子は盲導犬にはなれないし、無理強いする事もありません。

実際サザンさんが育てて盲導犬になった子で、障害物を避けるのが好きで何も無い道ではつまらなさそうにしてるけど、
人混みの中などでは「僕について来てー!」といった感じで張り切って誘導している子もいるそうです。

お店などへの入店拒否についてですが、
排泄については外出前に済ませるようにし、長時間の外出時には「トイレベルト」という犬用の携帯トイレのような物を使い、
犬の調子をみながら排泄させているので心配ありません(トイレベルトについてはこちらの動画を参照→https://youtu.be/dYCIXsC0ltE)

人間の食べ物や机の上の物に興味を示さない、常にユーザーさんの側か足元にいるようにも訓練されており、
むやみに吠えたり人に飛びついたりといったこともありません。
毛が飛ばないよう常に服を着せ、
毎日ブラッシングし定期的にシャンプーもされています。
様々な工夫や訓練がされていますので、理解して頂きたいです。
✅訓練団体や利用者が盲導犬を清潔に保つ事、周囲の迷惑とならないよう行動を管理する事は法令でも義務付けられています。

またお願いになりますが、
盲導犬の育成は自治体などの援助もありますが、寄付金で賄われている部分も多いため、募金活動に協力して欲しいです。
チャリティーでグッズの販売も行われており、収益が育成費となります。

パピーウォーカーは大変な事も多いですが、わんちゃんの成長を見られたり、愛情込めて育てた子がユーザーさん達を幸せにでき、愛情のバトンリレーができとてもやりがいを感じられるとの事です🍀

サザンさん、ご協力頂きありがとうございました✨

⬇️チャリティーで売っているキーホルダーとLちゃん🐶


⬇️チャリティーで販売されてるグッズ。他にも沢山あります♪


⏬オンラインショップリンク⏬
盲導犬サポートショップ
https://www.gomoudouken.net/
盲導犬を育てる会(画像に載ってるショップはこちらです⭐️)
https://sodaterukai.net
盲導犬応援ショップSmile
http://www.as-ic.co.jp/smile
中部盲導犬協会 盲導犬支援印刷センターhttp://www.ypro-gds.jp/
引退補助犬を支援する会 引退犬サポートショップ
http://jsda-goods.ocnk.net/

盲導犬ユーザーさんが配信するYouTubeチャンネルです!是非ご覧ください♪
▶️目の見えないじゅんじゅんと盲導犬ヴィヴィッドのポケットチャンネルhttps://youtube.com/channel/UC7F9M_-zScPzmV9XqZm1O4w

🐕その他パピーウォーカーや盲導犬の情報
・候補犬のことはパピー(英語で子犬の意)と呼ばれる。
・子犬は人間の赤ちゃんと同様なので、パピーウォーカーは常に誰かが家にいる家庭でないといけない。
・パピーの食事は決まっており、ケージで食べさせるようにする。
・様々な環境、音や物に慣れさせる必要がある。
・日本ライトハウスの場合、フードなども含め飼育に必要な物は協会から一式レンタルされる。ただし年間5万円支払う(医療費等込)。レンタルしたフードやケージなどは全て協会に返す決まり。
・盲導犬になれるのは10頭に3頭くらい。なれなかった子はペットとして一般家庭に引き取られる。大型犬に必要な訓練は一通りされているので、ペットとしては非常に飼いやすい。
・育てたパピーで盲導犬になれなかった子を引き取る事はできない決まり。ただし盲導犬になって高齢などで引退した子は引き取れる場合がある。
・パピークラス(講習会)では訓練の仕方を教えてもらえる。健康診断やワクチン接種もある。
・島根県や外国では刑務所で受刑者がパピーを育てるプログラムもある。

✳️国内の盲導犬育成団体は現在11ありますが、それぞれ独自の歴史を持つ独立した団体で、運営も各自独立して行われています。
ですので盲導犬の呼称、定義、方針、飼育や訓練方法などは統一されておらず、団体ごとに違います。
例えば日本盲導犬協会では「盲導犬」を公式の呼称とし、全盲でない人も利用可能で白杖の併用を認めているのに対して、
アイメイト協会では「アイメイト」を公式の呼称とし、利用対象者は全盲者のみ、白杖の併用を禁じ「単独歩行」を推奨しています。各団体の方針などについてはそれぞれの公式HP等をご覧下さい。

〜おわりに〜
盲導犬は可哀想だという声に対し、本記事でもそうではないという事をお伝えしました。
ですが一部、盲導犬に反対する声や、幸せそうに見えない、酷い扱いをされてるのを見聞きした、といった人達がいるのも事実です。

これに対しての個人的な意見ですが、
盲導犬が可哀想かどうかは、盲導犬を扱う団体やユーザー次第なのではと思いました。

盲導犬も動物ですから、当然世話やケアが必要です。
特にトイレや水分補給は犬の調子を見ながら小まめに行う必要があり、なかなか大変そうだと感じました。
ユーザーさんも人間ですから当然色んな人がおり、ちゃんとケア出来る人もいればそうで無い人もいるかと思います。

育成団体についても、飼育や訓練の基準が統一されていないため健康や福祉の配慮が充分な所とそうでない所があると思われ、それを知った人達が反対の声を上げているのもあるかと思います。

しかし子犬の頃からたくさん愛情を受け適切に扱われ、
ユーザーさんからも大切にされて信頼関係を築いている子がほとんどですし、
なにより視覚障害のある方にとって盲導犬は欠かせない存在です。

暴力などは言語道断ですし犬の健康や福祉には充分配慮すべきですが、
悪質な事例やケアや配慮のされていない事例だけを見て、「すべての盲導犬は可哀想」
と一括りに考えるのはちょっと違う、
扱う人間次第で変わるのではと感じました。

これは一般のペットを含めた、人間に飼育されている全ての動物に言える話ではないでしょうか。
人間の扱い方次第で動物の幸不幸は変わるのではと思います。
人にも動物にも配慮のある社会になってくれる事を切に願います。

⏬関連リンク⏬
公益財団法人アイメイト協会
https://www.eyemate.org
認定NPO法人全国盲導犬施設連合会
http://www.gd-rengokai.jp
公益財団法人日本盲導犬協会
https://www.moudouken.net/
社会福祉法人日本ライトハウス
http://www.lighthouse.or.jp/index.html
公益財団法人北海道盲導犬協会 
http://www.h-guidedog.org
社会福祉法人中部盲導犬協会
http://www.chubu-moudouken.jp
公益財団法人関西盲導犬協会
https://kansai-guidedog.jp
公益財団法人九州盲導犬協会
https://fgda.or.jp
公益財団法人東日本盲導犬協会
http://www.guide-dog.jp
社会福祉法人兵庫盲導犬協会
http://www.moudouken.org
一般財団法人いばらき盲導犬協会
https://guidedog.ibaraki.jp
公益財団法人 日本補助犬協会
https://www.hojyoken.or.jp
全日本盲導犬使用者の会
http://www.guidedog-jp.net
日本身体障害者補助犬学会
http://www.jssdr.net/index.html
特定非営利活動法人日本補助犬情報センターhttps://www.jsdrc.jp
法令 身体障害者補助犬法
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=414AC1000000049