「古事記には最初の神としてアメノミナカヌシという神が出てきますが、これはどういう神様ですか?」

 

「アメノミナカヌシという神は古事記には最初に出てきますが、名前だけでその神様がどういう神様なのかなど内容には触れられていません。私がこのようにしてあなたにお話をさせていただいていることの一番重要なことの一つが実はこのことなのです。」

 

「そうなのですか?」

 

「そうです。この話は本当は一番最初にするべき話なのですが、少し難しいところもあり、一般の人がわかりやすい部分から話を始めましたのでこの回になりました。つまり、私が編纂した古事記の一番最初の部分、そこに真実である一番重要なことが抜けているのです。古事記では最初に出てくるアメノミナカヌシですが、その神がどうして産まれたのか、その意図は何なのか、大切なことは一切語られていないのです。ホツマツタエなどの文献にはそのあたりも触れられています。そのあたりも為政者の意図的な圧力があったということです。」

 

「どのようなことがホツマツタエなどでは語られているのですか?」

 

「まず、一番大切なこと、宇宙の開闢のことが語られています。それはアメノミナカヌシという神様がいて~という一言では誤魔化されていないのです。ちゃんと壮大なる宇宙創成について語られているのです。その内容は現代の先端の物理学にも通じるところです。すでにそのようなことは説かれていたのです。」

 

「宇宙開闢ですか。」

 

「宇宙の創生に携わったのは、アメミヲヤという存在です。このアメミヲヤの最初の思い、意思によって初生(うい)の一息が発せられます。つまりこの一息によってすべてが始まったのです。」

 

「まるで、ビッグバンとかフラックホールの話みたいですね。」

 

「そうです。そのような科学的なことが古代からの神話にも語られていたのです。アメミヲヤの一息はウズとなり、宇宙創造のエネルギーとなって空間、虚空を創りだします。そこに、ト・ホ・カ・ミ・エ・ヒ・タ・メ、の八つの神が現れ宇宙の創造が始まる。」

 

「おー!トホカミエヒタメって祝詞ですよね。聞いたことあります。ここで出てくるのですね。」

 

「そうです。祝詞には残っても古事記には残っていないものが多いです。アメヲミヤの思いにより、天空に御柱が立ち、周りをアワとウビが漂い始めます。アワが廻りて天を創り、ウビが廻りて地上を創るこれが陽と陰、日と月、そして空(ウツホ)が動き、風(カゼ)となり、火(ホ)が生まれる。月より水(ミズ)がもたらされ、土(ハニ)の五元素が産まれました。この五元素を基に地上に人が産まれます。その最初に産まれた人がアメノミナカヌシであるとホツマツタエにはあります。」

 

「まさに宇宙の開闢の話ですよね。これが数千年前には伝えられていたのですね。」

 

「さらにこの五元素から日本語の五つの母音(あいうえお)が産まれたとされます。この五音の象形から文字が産まれ日本独自の古代文字へと変化していきます。ホツマ文字などもその一つです。このように古代から伝わるこの国の成り立ちはもっともっと古くて素晴らしいのです。現代の学問はまだまだ解明できてないか、分かっていても圧力によって一般に公開されていないかのどちらかです。いかに浅はかな知恵と人間の欲望によって真実が捻じ曲げられてきたかがわかります。」

 

「そこもアメミヲヤの思いから始まった大切な話は隠されてきたのですね。」

 

「そうです。このような話は全世界の宗教や神話にも出てくるのですが、日ノ本に伝わるものは内容的に現代の物理学で言われているような要素が多分に入っているのです。このようなことまで細かく伝えている聖典はほとんどありません。それだけこの国の古代からの智慧は素晴らしいものがあるのです。そして、私たち日ノ本の国に住まうものは直感的にこのことを理解し、敬っているのです。」

 

「そういわれるとそうですね。無意識のうちにそこは理解して行動している人が多い民族なのかもしれません。」

 

「アメミヲヤはこの内容から見ると、何も日ノ本に限った存在ではないことがわかります。この地球に住まうものが認識できるところの宇宙、そのすべてを創造したことになります。何も日本の神様という枠にははまりません。絶対性と普遍性を兼ね備えた国や宗教を超えた創造主。宇宙の開闢の始まりからある生命の根源、消滅することのない実在意識と言えるかもしれません。この意識が根底にあるから日本人は他の国の宗教も受け入れてこれたのです。」

 

「表現は難しいでしょうが何となくわかります。つまり、そのような根源の存在が多くの神々の前にあったということですね。」

 

「そうです。このアメミヲヤの存在は永く人民には隠されてきました。でも、もう伝えていくべき時なのです。宇宙創造神とも言うべきこのアメミヲヤの意図を組んで様々な人霊としての神々が創造され、降臨されて人間を導いてきました。根源から放たれるエネルギーは多次元の宇宙を創造し展開していきました。その中に一貫して流れるのはこの大宇宙を発展繁栄させてすべての魂の成長を促すための愛なのです。この愛のエネルギーによって、万象万物もすべての神々も動いているのです。」

 

「では古事記で出てくるアメノミナカヌシという存在もいらっしゃったのですね。」

 

「アメノミナカヌシは古事記では創造神のように言われていますが、正確には違います。アメミヲヤの意図のもとに大きな分霊としてこの地上世界に最初に肉体を持った存在です。ただ、その肉体もいまの人間のものとは随分と違ったもので半霊半物質ともいうべき身体でした。今後、地球が進化していく中でこの様な姿を持つものも出てくるでしょう。その話はまた次の機会にいたします。」

 

「このアメミヲヤの存在を知ったとして私たちが取るべき行動は何なのですか?」

 

「それは、今日お話ししたように常に自分が根源神であるアメミヲヤにつながっているということを意識するということです。この全宇宙を流れる無限の力を持った愛のエネルギーに常につながっているのです。常にです。なぜ常にかというとそれは内側にあるからです。自らの裡から滾々と湧いてきているからです。そのことを知り、自己を敬い、他を敬い、神々を敬うことです。それだけで道に迷うことはないのです。」

 

                                 

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