『 からすのカー子。①』
の続きです。
それからの全校集会での"校長先生の話"はどれもこれもおもしろく、今日は何の話を聞かせてくれるのかと毎回わくわくした。なにより話をしている時の校長先生の顔がいつも とっても楽しそうですきだった。
いつも 楽しそうに にこにこしている校長先生がなんだかいつもと様子がちがう。壇上に上がると悲しそうな顔で私たちを見つめ静かに話を始めた
「僕は・・・」
え?、・・・ぼ、ぼく!?
いつもは自分の事を"わたし"っていうのに・・
「幸せでした。」
。。。
えーーーーーー
「僕は毎日幸せでした。」
えぇーーーーーーーーー
唖然とする私たちをよそに校長先生はかまわず話をつづける
「僕はお父さんやお母さん、兄弟や友人たちと毎日たのしく暮らしてたんだ。ある日の夜、僕が寝ていると "カチャリ。"と鍵の外れる音がして
「こんな時間に誰だろう?」と、体を起こしてドアの方を見てみるとそこには 大きな大きな巨人が立っていた。
いたいよ!!やめて!!!
と言ったけど巨人はおかまいなしで僕を家の外に連れ出した。巨人がのっしのっしと歩くたびに
僕の体はぶらぶらと大きくゆれる。
やめてったら!
僕はお家にかえりたい!!
って必死にお願いしたけどやっぱり巨人はお構い無しでのっしのっしと歩いて行く。しばらく歩いて、巨人の足がピタリと止まった。
その瞬間
僕の体はおもいっきり空へと投げられた
空に浮かんだ体から地面の方を見下ろすと、そこには大きな 大きな水溜まりがあった
これは・・・プールだ!!と気づいた瞬間
ざぶーーーーーーん
僕の体はしぶきをあげて、プールの中へと落ちていった。
こわい。こわい。
くるしい。くるしい。。。
ぶくぶくと沈みながら水面の方を見上げると 月明かりが差し込んでいた。
みんなに もう一度あいたいな。 と、思った。
それでは 校長先生の話をおしまいにします。」
体育館はしーん。と静まり返っていた。
そう、"僕" は "学校で飼っているうさぎ" のことだったのだ。プールに落ちたうさぎがどうなったのか、巨人はその後ウサギをちゃんと助けてくれたのか、、、頭の中はぐるぐる。気になることが山ほどあった。
その日いつも 何気なく抱っこしていたうさぎがとても小さく感じ、その反対に自分がとても とても大きく感じた。自分よりも何倍も何倍も大きい人にいきなり捕まえられてうさぎ、怖かっただろうな。
後でわかった事だが、全校集会の日の前日に死んだうさぎがプールから見つかったらしい。誰かが学校に侵入してうさぎをプールに入れたのだそうだ。。
夏。学校のプールが始まった。
私はプールの底にもぐってキラキラとゆれる水面を見上げるのがすきだった。その日も底に潜って水面を見上げてみると、やっぱりキラキラしていてきれいだった
ふと、校長先生の話を思い出して
こんなきれいな光景をうさぎは悲しい気持ちで見ていたのかな。と思ったら、とっても悲しい気持ちになった。
事実を話して「良い」「悪い」を子どもに問う大人は多いが校長先生は子どもたちが子どもたちなりに考えられるボールを投げてくれたのだ。
大人になって、校長先生の偉大さを知った。
私も大人の価値観や大人の言葉で「決まった」結論を押しつけるのではなく、子どもに考えることを託せる大人でありたい。と思った
私が小学校を卒業する頃には また別の校長先生に変わっていたから卒業アルバムにも載っていないし顔も名前も分からないけど
私は今でもその校長先生がだいすきだ。
さて、次回のテーマは帝王切開!
気になっている人も多いのでは??
帝王切開ってどんな感じなの??
手術中は?手術後は??痛みはあるの??
そんな疑問にお答えします!
つづきは『帝王切開のすべて』で!
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うみちゃんがダウン症だと分かった時
たくさんの人の言葉にいっぱいいっぱい勇気をもらって!
ダウンちゃんの子どもたちのブログから
たくさんたくさん元気をもらい!
今、楽しく子育て出来ているのも
たっっくさんの人のおかげです!!
私がたくさん助けてもらったようにブログを通して、いつか誰かの不安な気持ちや知りたい気持ちに届いたらいいな。と思っています
当事者だからこそ分かる気持ちもたくさんあると思うので、気軽に声をかけてくださいね♡